加賀美 彩香(ドイツ)

留学体験記

教室の様子

 私は、2015年9月から12月までの4ヶ月間ライプチヒでドイツ語を学びました。初めは不安と期待でいっぱいでした。授業が始まる数日前にライプチヒに着き、心身ともに現地に慣らそうとしたのですが、初めての地に一人で過ごしたため、なかなか寂しい思いをしました。初めて学校に行くときは、とにかく人に会えることが楽しみでした(笑)。学校についたら、日本人の女の子が何人かいて、わたしに話しかけてくれました。日本人の友達ができたことがとても嬉しく、安心しました。

 私は学生寮に住んでいました。学校が始まった日から寮に入れるとの事だったので、初日に鍵を受け取り、寮に行きました。2人部屋だったので、ルームメイトはどんな人だろうとドキドキでした。一緒に住むからには仲良くなりたいと思っていたのですが、実際にはルームメイトの人と仲良くなれず、なかなか辛い日々でした。けれど、途中でルームメイトが変わり、後から来た人が同じ年の日本人の女の子だったので、後半の生活は苦労なく過ごすことができました。
 クラスは初日にテストが行われ、その結果によってクラスが振り分けられました。授業は月曜日から金曜日までで、朝の8時から13時15分までで、90分の3コマの授業で、間に2回の休憩がありました。私はテストの結果、無事に自分の希望するクラスに入ることができました。私のクラスは14人で、約半分が中国人でしたが、他にも世界中から来ていました。

クラスメイトたちとの夕食

 私は、始め全く授業が分かりませんでした。京都産業大学の授業で、文法はさほど困らなかったのですが、全く慣れていなかったので先生の言っていることを聞き取ることが1番苦労しました。また発音することにも慣れていなかったので、積極的に授業に参加することができず、先生にもしばしば怒られることもあり、慣れるまで時間がかかりました。ときには休み時間に泣いてしまうこともありました。けれど私が頑張ろうと思えたのは、クラスメイトの友達たちのおかげです。クラスの皆はとても優しくいい人たちで、休み時間には積極的に私に話しかけに来てくれました。また、私が先生に怒られて落ち込んでいた時も、クラスメイトが私のところに来て励ましてくれました。その時私は本当に嬉しかったです。何人かの友達はとても日本に興味を持ってくれて、日本の話などもたくさんしました。私もいろんな国の事について興味を持っていたので友達とたくさんお話をしました。私たちは完璧にドイツ語を話せるわけではないけれど、お互いに頑張ってコミュニケーションをとれるように毎日努力しました。初めはなかなか会話が続かなかったけれど、毎日少しずつ会話を積み重ねていくうちに、だんだんと相手の言いたい事が聞き取れるようになってきて、私の言っている事も聞き取ってくれるようになっていき、自分に自信がついてきたし、ドイツ語でコミュニケーションをとることがどんどん楽しくなりました。
 授業の後はみんなで買い物に行ったり、夜みんなで集まって一緒に夜ご飯を食べたりしました。授業以外でも関わりを持つことで、とても仲良くなることができました。みんなでご飯を食べる時は一人一品ずつ料理を持ち寄ることが多く、大体その国の郷土料理をみんな持ち寄って来てくれるのでいろんな国の手料理を食べることができました。
 私はクラスメイトのことが大好きで、みんなと出会い一緒に勉強できたことを嬉しく思います。この出会いをこれからも大切にしていきたいし、ずっと忘れないでいたいです。

タンデムパートナーの子を含む
ドイツ人の友達たちとの旅行

 私のもう一つの心の支えだったのは、タンデムパートナーです。わたしはライプチヒに来た最初の月からタンデムという制度を知りました。タンデムとは、英語で言う、ランゲージエクスチェンジの事で、日本語に興味のあるドイツ人に日本語を教える代わりに、ドイツ人からドイツ語を教えてもらうと言う制度です。ライプチヒ大学には日本語学科があったので、日本人はパートナーを見つけることが比較的簡単でした。また私はライプチヒ大学ではなく、interDaFと言う語学学校に通っていたので、それまでドイツ人の友達がいませんでした。聞くことと話すことが苦手だった私は、タンデムパートナーを見つけて何でもすることによって克服しようと考えました。少し時間がかかったけれども、私は無事にタンデムパートナーを見つけることができました。一つ年下のライプチヒ大学の日本語学科の女の子です。彼女は本当に優しくて、私が困ったときはいつも1番に心配してくれ、助けに来てくれました。彼女とは最低でも週に1回会い、タンデムをカフェでしていました。宿題を見てもらうこともありましたが、ほとんどは雑談をしていました。彼女は私の拙いドイツ語を一生懸命聞いてくれて理解してくれました。そして私は彼女からたくさんのドイツ語を学びました。また彼女の話もたくさん聴いて、実際にドイツ人のネイティヴなドイツ語に慣れることもできました。彼女とのタンデムを積み重ねていくことによりドイツ語を聞き取ることや話すことにも慣れ、だんだん授業にも慣れ、積極的に授業に参加することができました。
 また彼女とはタンデム以外でもあっていました。一緒に買い物に行ったり、クリスマスマーケットに行ったり、彼女の実家にお邪魔させてもらったり、彼女と他の友達も含めた何人かで一緒に旅行に行ったりもしました。ドイツに留学しに来たので、ドイツ人の友達ができ仲良くなれたことが私にとって1番の収穫でもありました。彼女と過ごした時間はとても楽しく、大切な思い出となりました。
 ライプチヒ大学の日本語学科では定期的にパーティーを行っており私たち日本人留学生もいつも招待してくれました。パーティーで、みんながそれぞれ料理やお菓子を持ち寄ってそれを食べたり、ジュースやお酒を飲んだり、またカラオケなどもしました。日本学科の人たちは本当に日本が大好きで、日本語の歌も歌える人もたくさんいました。いろんな人から日本が大好きだと言う話を聞きました。私はその話を聞くたびに、日本人であることを誇りに思い、また自分の大好きなドイツ人から日本が大好きだと言うことを聞いてとてもうれしく思いました。ドイツに留学したことによって、ドイツがさらに好きになった事はもちろん、自分の故郷である日本がさらに好きになりました。

フランクフルトにて。たくさん旅行もしました。

 ライプチヒは大きな都市では無いですが、とても街並みが綺麗で歴史的名所も多く、ドイツにとっても大切な歴史的な出来事が起こった場所でもあります。またライプチヒは優しい人がたくさんいました。ドイツに着いた初日に、私は電車の乗り方が全くわからなかったのですが、困っている私を見たおじさんが話しかけてくれて、切符の買い方や電車の乗り方など丁寧に教えてくれました。また電車の中で座っているときや、街中を歩いている時も話かけてきてくれる人も少なくなく、私はよくたわいもない話をしていました。自分のドイツ語が伝わるのがとても嬉しかったです。また夜も静かで、治安もとても良い街でした。私は本当にライプチヒに来て良かったと思いました。

 ライプチヒに来てたくさんのことを経験し、楽しいことばかりではなかったけれど、すべての経験が私にとってプラスになったと思います。始めは一人ぼっちでとても不安だったけれど帰る頃にはたくさんの大好きな友達ができ、日本に帰りたくないなと思った程でした。このような経験を忘れず、何かしらの形にでも、これからの私の生活に繋げ、役立てていけたらなと思います。またライプチヒで出会った人たちとのつながりも忘れず、これからもずっとつながっていられるようにしていきたいです。そしてライプチヒで培ったドイツ語力をなるべく落とさないように、これからもドイツ語の勉強を頑張りたいと思います。
 このような経験をさせてくれた両親、そして様々な面で私をサポートしてくれた先生や事務室の方そして先輩方に心から感謝しています。
私もライプチヒでしてもらったことを同じように、日本に来た留学生に返していけたらなと思います。また、これから留学を目指している後輩の力にもなりたいと思います。

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