和田惠子(ドイツ)

ドイツ留学体験記(ライプツィヒ)

 私は3年生の秋にドイツのライプツィヒという場所で5ヶ月間、認定留学という形で滞在しました。この5ヶ月間は、1ヶ月間のサマーコースと4ヶ月間の基礎コースに参加しました。

 ドイツへ行く前の私は、まだほとんど海外にも行ったことがなく、一人暮らしの経験もなく、初めてだらけの始まりでした。一人ということもあり、不安で不安で泣きそうになりながら日本を旅立ったのを覚えています。

 しかし私が抱いていた不安とは逆に、ライプツィヒに着いてすぐ、まだ大きな荷物を抱えて語学学校へ手続きをしに向かう途中で、イングランド人のサラと、日本人のマミに出会い、すぐに意気投合しました。その2人とはこの後ルームメイトになり、最後にはたったの1ヶ月で親友になっていました。彼女たちと、また 、他の世界中から来た友人たちと過ごす、楽しい楽しい1ヶ月はあっという間に過ぎ、サマーコースが終わると彼らはそれぞれの国へと帰ってしまいました。サマーコースでできた友達は一人残らずいなくなり、別れが寂しくて、基礎コースが始まるまでの2日間はただ泣いて過ごしました。

 基礎コースが始まると、私は自分がコースで唯一の日本人であることを知りました。基礎コースのクラス分けテストでは、2年間大学でドイツ語を学んだ私はコースで1番の成績をとり、というよりはそのコースにドイツ語を全く知らない人が多かったのですが、先生に別のコースに行くことをすすめられました。しかし 、自分が書き取りのテストで良い点をとっても喋ることができない、ということを感じていたので、そのコースに留まることにしました。その判断はすぐに正解だったと感じました。



 クラスメイトやコースの子たちは、ドイツ語は喋れないながらも皆フレンドリーで、すぐに仲良くなりました。毎週金曜日の夜は皆でディスコに集まり、「皆でドイツ語を勉強する」という名目で、騒いでいました。初めのうちは彼らと英語でコミュニケーションをとっていましたが、ドイツでドイツ語を勉強している彼 らの上達のスピードは驚くほど早く、徐々にドイツ語のみでコミュニケーションをとるようになりました。そのため唯一の日本人である私にとって、どこで何をするのにも勉強になり、その点ではプラスになったと感じています。 そしてまた、楽しい楽しい4ヶ月はあっという間に過ぎ、今度は私が帰る日がやってきました。日本で会える友達や家族のことを考えると、嬉しいようであり、まだライプツィヒの皆とも離れたくないと思う複雑な気持ちでした。ライプツィヒの友人は皆、ドイツに長く滞在する人たちばかりで、「帰らないで!」と言っ てくれる子もいました。こんな感じで私の留学生活は、予定通り無事終わることができました。

 そしてまた1年経った4年生の11月、私は再びドイツにいました。就職活動も無事終わり、単位も採り終えて、アルバイトでお金を貯めた私は、友人たちに会うため一人ドイツへ1ヶ月間の旅に向かいました。久しぶりに会える友達、ドイツのクリスマスマーケット、その他のドイツのもの全てが懐かしく、1年前とは 違って何一つ不安はありませんでした。たった一つ、忘れかけていたドイツ語が心配だったくらいです。

 ドイツ国内を旅行するのにはまだドイツ語は大丈夫でしたが、友人や、電車の中で隣の人と喋ったりするときに、やっぱりわからないことがドイツにいた頃より増えていました。まだまだ勉強しないといけないことがたくさんあると感じ、就職してもドイツ語の勉強を続けて行こうと決心した旅行でした。また、久々に会 う友人たちとは、そんな中でも変わらずに過ごすことができ、この友情もずっと続いていくと感じることのできた旅行でもありました。



 ドイツでの生活は、ここには書き表せないぐらい本当に濃いものでした。これからドイツ語を学ばれる皆さん、ドイツ留学は楽しいです。留学することは素晴らしいことで、私自身、成長できたと感じる部分がたくさんあり、できれば行って欲しいと思っています。でも、日本でも意外とドイツ語を話す機会はあります。 例えば、大学から家へ帰る京阪の中で横に座った外国人の女の人があまりにも難しい日本語の本を読んでいたので、「難しくないですか?」と話しかけてみると、偶然その人がドイツ人で、おしゃべりして盛り上がったり…つい最近の出来事です。その他にも偶然日本でドイツ人と喋る機会があったり、ドイツ語のスピーチコンテス トや、大学にもドイツ人の留学生の子がいたりします。大切なのは積極的であることだと思います。日本でドイツ語を使うことはまだまだ少ないですが、せっかく語学を学ぶのであれば貪欲にがっついていって下さい。これは私がドイツで学んだ大切なことの一つです。

 最後に5ヶ月間の留学でアドバイスをくれたドイツ語学科の先生方、留学生活を支えてくれた家族や友人たち、1ヶ月もの長旅を許してくれたゼミや授業の先生方、ドイツ旅行で泊めてくれたマミ、その他にも旅行や留学で出会った全ての人たちに、本当に感謝しています。ありがとうございました。

外国語学部ドイツ語学科4年
和田惠子

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