田中文子(ドイツ)

ドイツ留学体験記(ケルン)

2008年9月1日〜9月28日




















 みなさん、はじめまして。4回生の田中です。今回、私は2度目のドイツ滞在について、体験記を書かせていただくことになりました。これを読んで、少しでも「ドイツに行ってみたい!」という人が出てきてくれたら嬉しいです。

 私が初めてドイツ(ケルン)に行ったのは、2年前の、2回生の夏休みでした。その時はたった2週間の滞在で、でも、本当に今でも鮮明に思い出せるくらいステキな2週間でした。私のドイツとの初めの接点は、多分他の人とは違っていて、友人の一言からでした。「ドイツ語勉強してるなら、私、もうこの家出るし、夏休みにでも来たら?」高校時代の友人で、高校を出て、ドイツに行っていた友人が、ホームステイ先を紹介してくれたのです。それがきっかけで、2年前はホームステイ先が決まっているだけで、完全ノープランでドイツに行きました。そのホームステイ先は、とても大きな家で、留学生をたくさん受け入れているので、ただ家にいるだけで、国際交流ができる状態でした。もちろん、今回も、そのお宅にホームステイさせていただきました。  まず、1.5か月ほど前の7月中旬に、ホームステイ先に、「9月に1か月滞在したい!語学学校にもちゃんと通います!」とメールをして、「空いてるからいつでもいらっしゃい。」と、返事をいただき、そこから語学学校への申し込みを始めました。語学学校は、ホームステイ先が契約している語学学校にしました。学校への申し込みが一番やっかいで、「9月に1か月通いたい。」というメールをすると、日本語の資料を添付してくださって、簡単にできると思っていたのですが、FAXが送れなかったり、何かと問題が発生して、結局、過去に留学を経験している山下さんの助けも借りて、WEBで申し込みとテストをしました。その後、申込みが届いていないやら何やらで、学校の方とメールを繰り返し、最後の授業料の振込の資料が来た時には、島先生にも相談をして、でも時間がなくて結局日本では振り込むことができなくて・・・・・。時間に余裕を持てない子なので、行く前はいつもトラブルだらけですが、授業料は、学校に行ってからきちんと払ったので問題ありません!本当は、きちんと調べて、振込でもなんでも経験する方が自分にとっても良いとは思いますが、これはこれで、良かったと思っています。

 ホームステイは2度目なので、家のことも分かっているし、両親とも“再会”という感じで、到着してから時差ボケもなく、さっそくみんなと夕食を食べました。日本人が4人もいて、少し拍子抜けしましたが、何かあった時は、日本語で話せる相手がいて、良かったと思っています。他に、ベルギーから来たロシア人と、アメリカ人3人とブラジル人と韓国人と、語学学校には通ってはいませんが、仕事として来ているポーランド人が3人いました。それにドイツ人の両親2人なので、大家族です。夕食は、それだけの人数がみんな集まって食べるので、毎日面白かったです。また、お父さんもお母さんも、なるべくみんなに会話を振ってくれるので、夕食中に、必ずみんなの前でドイツ語で会話をしないといけないような状況でした。本当に良い両親だと思って感謝しています。

 到着した次の日からさっそく学校です。まずテストを受けて、休憩時間の後からクラスに入れられました。私は、本当に、本当に運がよく、クラスに日本人がいなくて、更に、英語が母国語の人もいなかったので、最高の環境で勉強ができました。初めの1週間は、耳が慣れていなかったり、授業中に使う文法用語がわからなかったりで、授業に遅れ気味でしたが、毎日たくさんの宿題が出て、それを毎日こなしていく内に、慣れてきました。また、私のパートナーはトルコ人の男性でしたが、本当にやさしくて、慣れてきた2週目からは、わからない単語を聞いたり、授業中におもしろいことがあったら話したり、偶然、彼は日本に興味があって、私はトルコに興味があったので、お互いに国のことを話したり、写真を見せたりして、休み時間も一緒に話すくらい仲良くなりました。もちろん他のクラスメイトとも、話しました。私が今回、強く感じたのは、日本に興味をもっている人は少なくない、ということです。お寿司をはじめ、マンガや日本語という言葉まで、日本について色々聞きたがる人は多いです。私が今回一番悔しかったのは、クラスメイトに「BENTO(弁当)って何?」と聞かれて、うまく説明できなかったことです。昼食として、学校などに持っていくもので・・・・・。と説明しても、彼女はあまり納得した様子ではありませんでした。あくまで私の予想ですが、彼女が「BENTO」として聞きたかったのは、中身のことではないかと思います。肉なら肉、魚なら魚、スパゲッティーならスパゲッティー、で、何を入れたら「BENTO」なんだ?という質問に対する答えが欲しかったのではないかと、後で思いました。私は何でも良いんだよ、という答えは返しましたが、もっと強く、中身は、例えばサンドイッチであっても、“弁当”にはなれるんだ、と言っておけばよかったと、後悔しています。日本について、いつどこで、何を聞かれるかはわかりません。私が知らない映画やマンガを知っている外国人の方はたくさんいました。もっと日本のことを知って、勉強して、更にドイツ語で説明できるようになりたい、と強く思いました。

 2週目の週末には、ハイデルベルクに旅行に行きました。偶然同じ時期にドイツに留学に来ていた中西さんとの2人旅です。ハイデルベルクは「心を奪われる」という言葉通り、本当に美しい街で、時間が経つのがとても速かったです。たくさん歩いて、町を満喫しました。土曜の夜は、1か月前に予約していた、ヒルシュホルンにある、古城ホテルに泊まりました!!その時一番緊張したのが、“電話をかけること”です。ヒルシュホルンの駅に着いた頃にはもう空も少し暗くて、バスはなく、目の前にはTAXIの看板が・・・。電話は言葉だけで伝えないといけないし、初めてだったので、少し憂鬱でしたが、もうかけるしかない!と思って頑張ってかけました。そして、相手のおじさんも私がカタコトすぎたのか、心配そうに「そこで待っててね。わかった?」とやさしくしてくれました。無事、TAXIに乗ることもでき、古城ホテルに到着!疲れが一気に飛んで、テンションがMAXになるくらい、素敵なホテル&庭でした。その時は既に暗く、あまり見えませんでしたが、朝の景色は、更に綺麗でした。テラスからの眺めは、寒かったですが、横を流れるネッカー川と、対岸の可愛い屋根の家々・・・。離れたくない!と思うくらい、また来たい!と思うくらい素敵でした。日本人は幼く見られるからだと思いますが、スタッフの方々も、同じく宿泊されていた方も、やさしくしてくださって、朝、2人で写真を撮り合っていると、帰ろうと車の近くにいたご婦人が、「撮ってあげるわよ!」と写真を撮ってくれたり、歩いていると、声をかけてくれたり・・・。出会う人たちがやさしかったです。

 またホームステイ先の話に戻りますが、昼食は各自で作るなり、外で食べるなり自由なので、1度、ベルギー人の子と、料理の作り合いをしました。彼女は、赤い豆のトマトソース煮、みたいな料理を作ってくれて、私は、「日本食!」と言われたので、なんとなくドイツにあるものでできそうな、沖縄のチャンプルーと春雨スープ的なものを作りました。もちろんゴーヤはないので、全然似てないけどズッキーニで・・・。料理は、嫌いではないですが、レシピを覚えているものが少なかったし、ドイツで醤油やみりん等は高いので、日本食を作るのは苦労します。でも、日本食はおいしい、と思っている人は多いような気がするので、次は何かちゃんと考えて行こうと思いました。その後、チャンプルーが好評で、家族の晩御飯の1品としても作りました。他には、アメリカ人の子がスペイン料理を作ってくれたり、ブラジル人の子がブラジルのカクテルを作ってくれたり・・・国籍の違う人がたくさんいると、料理もとても楽しくて、土日はお母さんを助ける感じで、みんな協力していました。

 学校では、後半に近づくと、最後のレベルテストの話がちょくちょく出たり、重要な情報を聞き洩らさないように必死でした。また、最後の週には、私と同じように、9月で学校をやめる人が多かったので、アドレスを教え合ったり、少し悲しい雰囲気もありました。学校の最終日には、私はまさか、あんなに悲しい気持ちになるとは思ってもいませんでした。たった1カ月ではありましたが、それほど、毎日通った学校と、毎日一緒に勉強したクラスメイトが大切な、この1カ月での大きな存在だったんだと気付かされました。私はみんなに、「日本に来ることがあったら、私の家に泊めるから、メールしてね!」と伝えたり、その後もドイツに残るメンバーには、「また2月に来たいと思ってるから会おう!」と話しました。クラスのレベルから言うと、ペーパーはできても、話す能力が低い私に、みんな本当にやさしくしてくれたし、話も聞いてくれたし、クラスに受け入れられたことが、「もっとドイツ語を勉強したい。もっと話せるようになりたい。」という気持ちを持たせてくれました。もっと早く、2年前に、この気持ちを持てていたら、もっと違っていたのに・・・という後悔さえ出てきます。でも、このたった1ヶ月でも、私は自分の中で、ドイツ語の能力が上がったと実感しています。語学学校に通ったことは、本当に良かったです。

 家でも、私の帰る日に、また日本人の方が来られて、その方ドイツ語をほとんど話せないし、聞き取れませんでした。お母さんと、その方が話している時、私が呼ばれて、「フミコ、通訳してくれる?」と頼まれました。それは、2年前に私がよくしてもらっていたことでした。通訳しながら、“私が通訳してる!”と、一人で興奮しました!!これも、2年前との大きな違いであり、成長だと感じました。その後も、お母さんに「私が家の案内した方が良い?」と提案して、感謝されたり、最後の最後でしたが、良い思い出になりました。  今回の留学で、日本のことも勉強しないといけない、という課題が見えたし、ドイツに行って、語学学校に通う事は、ただドイツ語の勉強のため、というだけでなく、異文化に触れ、新しい友人を作ることができる、という新たな発見がありました。私は今回、本当に恵まれた環境で、良いホームステイ先に、良いクラスメイトに、また、日本で連絡をくれる家族や、友人がいました。日本のケータイは、ドイツに行って3日で壊れましたが、それはそれで、ドイツのケータイを買う、というチャレンジもできたし、良かったです。ドイツに行って、更に語学学校に通うには、もの凄い金額が必要ですが、今から、また2月にケルンに行くために、働きたいと思います。

 ここまで、長すぎる文章を読んでくださってありがとうございました。どんな理由であれ、せっかくドイツ語を勉強しているのなら、私はドイツに1度は行って欲しいと思います。もちろん良いことばかりではないですが、成長は感じられると思います。そして、新たに思うことも出てくると思います。この体験記が、これからの、皆さんの留学への気持ちを後押しできたら幸いです。私も、これからもドイツ語を頑張ります。止めません。だから、みなさんも、楽しんでドイツ語を勉強してくださいね♪

外国語学部ドイツ語学科
4回生 田中文子

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