ドイツ語学科の恒松雄一郎君(平成23年度卒業)が
卒業式で学位記受領総代を務めました

 平成23年度の外国語学部卒業式は3月24日(土)の13時より神山ホールで行われ、卒業生を代表してドイツ語学科の恒松雄一郎君が藤岡一郎学長より学位記を授与されました。

 以下は、恒松雄一郎君から後輩たちへのメッセージです。











 はじめまして。2011年度卒業生の恒松と申します。このメッセージは外国語学部の在学生向けに書いています。まずは私の4年間を振り返ってみたいと思います。

 私が外国語、特にドイツ語に興味を持ったのは、ビジネスでドイツ語が強いからという理由と、中学生の時にとある本を読んで、通訳者になりたいなぁという漠然とした夢を抱いていたからです。そして高校時代は得意教科が英語だったので、大学では英語とドイツ語をやろうと決断しました。

 さて、一回生の時の私はどのようだったかというと、毎日ドイツ語の文法書や辞書にかじりついていました。私は高校時代にドイツ語の文法書を買って少しだけ勉強していたのですが、大学に入ってからは毎日のインテンシブを乗り越えるためには全く歯が立たたなかったため、学校でも家でも勉強の毎日でした。ただ、私は学生寮で生活していたため、常に友人に囲まれていました。おそらく、私が勉強を頑張ることができたのは友人たちの存在があったからです。誰だって一人でずっと頑張るのはつらいものです。学生寮に住んでいる人もそうでない人も、一緒に頑張れる友人を見つけて楽しく勉強しましょう。

 二回生になるとインテンシブでの単語の量や文法の難易度があがってきました。しかも学生寮での生活は基本的に一年間のみなので、二回生からは独り暮らしでした。この時期は私にはつらかったです。しかも大学生の独り暮らしは時間を持て余すので、私の場合も中だるみのようなところがあったと思います。生活習慣の乱れや病気も多かったです。後悔が残りました。みなさんは同じ轍を踏まないように!!

 三回生になるとようやく目が覚め、インテンシブよりも高度なドイツ文学やビジネス語学、政治的な話題を大学で勉強し始めました。この頃だったと思いますが、ドイツの新聞やニュース、ドラマ等に興味が出始めたため、自らそれらに触れるようになりました。就職活動中にもかかわらず、お気に入りのドイツのドラマを見ていた自分を思い出します。

 四回生になると6月の内定までは就職活動で忙しかったため、授業にはあまり出席できませんでした。ただ、この頃にはドイツ語の文法はほぼ身についていたため、後は単語力の強化が課題でした。そのために時間を見つけては就職活動のストレス発散を兼ねて、ドイツの新聞や雑誌を図書館やインターネットで読んでいました。

 以上が私の4年間です。

 人間はどんなに頑張って生きても後悔が残る生き物です。私は全力投球ではない時期がありましたので、余計に後悔が残りました。これを読んでいる在学生には時間を大切に使うように、また常に目的意識を持って学生生活を送ってほしいです。4年間はあっという間です。

 しかし、私にもいいことがありました。それはみな三回生のときのことで、(1)国際関係学科の鈴井ゼミに入れたこと、(2)海外旅行に行き、新たな考えを抱いたこと、(3)「ドイツ語学」からの脱皮ができたことです。それでは順番に紹介します。

(1)私はドイツ語系のゼミに入ろうか、それとも国際関係学科の経済系のゼミに入ろうか迷っていました。でも、何か新しい分野に入るのもいいと思ったし、私はものづくりに興味があったので、それについて勉強すれば今後の人生に役立つと思ったので、後者を選びました。実際のゼミではドイツ語学科の学生とは違う様々な人がいて、刺激になったし、多くの分野の知識を身につけました。社会人としてのマナーも身につけました。だからゼミは私にとっては有意義で新鮮でした。

(2)私は三回生の時にギリシャとトルコに行きました。ただの観光で行ったのですが、これが私の考えに大きな影響を与えました。。ギリシャはその頃、財政難が鮮明になった時期だったのでいたるところでデモが行われていて、旅行するにも大変でした。トルコは軍部の大規模クーデター未遂事件が起こった後だったので、緊張感が漂っていたのを覚えています。日本へ帰国後、日本の豊かさと平和に感謝するとともに、今後社会人になる私たちこそが日本の未来を担わなければならないのだという使命感を覚えました。ゼミでモノづくりについて研究していた私は、モノづくりこそが日本の未来を作ると考えていたので、その後のゼミでの研究に熱が入りました。

(3)三回生の頃からは「ドイツ語」そのものの勉強だけではなく、「ドイツ」それ自体の勉強を始めることができました。大学での語学学習は基礎学習であり、それのみに意味はありません。ドイツ語を使って何をするかこそが重要なわけです。私はドイツ語を活かしてドイツのメディア(新聞、雑誌、ニュース、 ドラマなど)に触れることで「ドイツ」を理解しようと努めました。せっかくドイツ語学科に入ったわけですから、「ドイツ」を理解していなければなりません。ただ私の場合、もう少し早くそのことに気が付いているべきでした。

 繰り返しになりますが、外国語学部の在学生の皆さんには4年間を有意義に過ごしてほしいと思います。インテンシブをはじめとする授業は大変です。外国語学部そのものが骨の折れる学部であるのは事実です。でも途中で面倒になって授業をさぼったり、なんとなく日々を過ごすのはやめた方がいいです!!私は授業をさぼることだけはやりませんでした。
 また、外国語学部=留学するというイメージがありますが、必ずしも全員が留学できるとは限りません。むしろ留学しない人が多いのが事実です。私もしませんでした。でも毎日「マジメ」にインテンシブを受け、予習復習を欠かさずにいれば、それなりの語学力は身につくはずです。私のようにドイツのメディアを通して勉強すれば、さらに向上することは可能です。そして何より、京都産業大学には素晴らしい先生方がたくさんいらっしゃるので、自分から外国語で話しかけてみてはいかがでしょうか。決して無視されることはないでしょう。むしろ喜んで対応してくれるはずです。ちなみに私は通訳者になることはできませんでしたが、翻訳関係の仕事をさせていただくことになりました。

 これで最後になりますが、4年間大変お世話になりましたドイツ学科の先生方、そしてゼミでご指導いただいた国際関係学科の鈴井先生には格別の感謝を申し上げます。

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