ドイツ語学科の中野ひとみさん(平成22年度卒業)が卒業式で総代を務めました

ドイツ語学科の中野ひとみさんが卒業生を代表して藤岡一郎学長より卒業証を授与された

ドイツ語学科の中野ひとみさんが卒業生を代表して
藤岡一郎学長より卒業証を授与された

中野ひとみさん(中央)

中野ひとみさん(中央)

 平成22年度の外国語学部卒業式は3月19日(土)の10時より神山ホールで行われ、ドイツ語学科の中野ひとみさんが卒業生を代表して藤岡一郎学長より卒業証を授与されました。
 以下、中野さんから後輩へのメッセージです。

  Hallo, liebe Studenten in der Germanistik, liebe Studenten an der KSU!
Ich bin Hitomi Nakano.
Ich freue mich sehr, dass Sie diesen Artikel lesen.

 皆様、初めまして。中野ひとみと申します。 このたび多くの先生方のご尽力もあり、恐れ多くも、今年度卒業式の総代を務めさせていただきました。今回島先生をはじめとする先生方のご厚意でこのような場を設けていただきましたので、稚拙ではありますが、私の大学生活をお伝えし、皆様に激励を送りたいと思います。

 さて、仕事柄丁寧な言葉で綴りましたが、このままでは皆さんも堅苦しいと思いますので、少し言葉を崩します。
は〜い、皆さんリラックス!!

 それでは、まず簡単に自己紹介をさせていただきますね。
名前は上記にも紹介させていただきました通り、中野ひとみと申します。一年次生の時は杉村先生と高山先生とシェレンバッハ先生、二年次生の時は生田先生と井尻先生とトゥラウデン先生にインテンシブをもっていただきました。興味のある分野は、ドイツ文学。特にグリム童話といった、児童文学に興味があります。

まず、私の大学生活がどのようなものだったかですが。皆さん、不思議の国のアリスという童話をご存知ですか? 私はその話が凄く好きなのですが、その話を題材にしたディズニー映画の中で、私がとりわけ好きなフレーズがあります。

『何でもない日おめでとう』
Herzliche Glückwünsche zu den Tagen ohne besonderen Anlass!!

 大学生としての私の四年間は、とにかくその言葉に従って、好奇心のまま行動していたように思います。
授業では、とにかく先生の一言一句覚えるくらい知りたい。知らない事を知るのが、楽しくて仕方ない。レポートを書くなら、いっそ楽しくなるくらい調べて書きたい。時間が無くても、納得いくまでしたい。今まで接した事のないタイプの友達と、今までしなかった事をしてみたい。今までとはまるで違う文化に触れてみたい。何かの記念日ではないし、とりわけ特別な事は何もないけど、充実してる毎日が過ごしたい。大学に入学した日。それまでの人生が自分にとって大した価値が見出だせないと気付いた時、私はより強くそれを感じました。
 それは、恐れでもありました。
 例えば、記憶を失ったり、不意の事故で死んでしまったり。そんな事があっても、今までの人生で絶対に失いたくないモノがあるんだろうか?入学するまでの私にそれがあるとは、その時の私にはとうてい思えなかったんです。太陽がある昼間に影が出来るように、私の頭にはそんな恐怖とそんな快楽がいつも同居していました。

 じゃあ凄く暗くて辛い毎日を過ごしてたんじゃ?
 そう思われた方もいるかと思いますが、そんな事はありません。確かに辛い事もありましたし、泣いた事もあります。でも楽しい事が沢山あって、大事な大事な友達が出来て、今では毎日がキラキラしてたように感じます。
 人間って欲張りなんですよ。一つだけ良くても、何かが欠けてたら、それが霞んで見えてしまったり、劣等感を抱いてしまったり。私も周りの人達が色々と濃い人ばかりだったので、劣等感を抱いた事は数知れませんでした。まるで外国人のように外国語を話す子、サバサバしていてとても可愛い子、驚くほど堪忍袋の緒が長い子、とても育ちが良く礼儀正しい子。
 でも不思議ですよね。そんな私から見れば『凄い』友人達も、私と同じように劣等感を抱いているんです。何度「貴方には○○があるじゃない! 何でそんな劣等感を抱くの?」と言ってしまいたいと、ついつい思ってしまった事か。一つの事で満足できたなら、そんな風に思う事はなかったのだと思います。じゃあ、なぜそう人は思ってしまうのか。私はその答えに、いっそ欲張りとも思える完璧を目指した向上心を挙げたいと思います。完璧は疲れるけれど、でもそれに少しでも近づいていたいと、努力する生き物なのですよ。人間って。私の努力の仕方は、どんな事に対しても毎日を精一杯楽しむ。そんな『なんでもない日おめでとう』という生き方でした。

 さぁ、貴方に問いかけます。

貴方の大学生活は、輝いていますか?
貴方の大学生活は、何か遺る物がありますか?

 答えは様々だと思いますし、本当は既にあるのにまだ見えない方も大勢いらっしゃると思います。
私の場合、それに答えを出せたのが、総代という誉れでした。努力が認められ、自分はやれば出来る子だった。今まで知らなかった幸せも楽しみも文化も辛さも悲しみも知って、自分の人生が輝いた。私の大学生活は本当に毎日が『お茶会』みたいに大騒ぎで、沢山の事を学びました。それが今ではとてもとても幸せで、失いたくない大切な『記憶』であり『宝物』です。

 新入生の皆さん、京都産業大学へようこそ!
とにかく知識を詰め込んで、びくびくせず、積極的に一歩踏み出してください。学部外の友人を沢山作って下さい。(他言語を専攻してる一生涯だと思える友人が出来ました。将来、杉村先生みたいに様々な事に挑戦する女性になりたいと思いました)

 二年次生の皆さん、ここが正念場です!
中弛みする暇はありません。留学を考えている人は、早め早めに準備しましょう。一番大学生を楽しめる時期でもありますから、勉強もしつつ、おもいっきり遊びましょう!(トゥラウデン先生の授業が大好きで、予習復習をやっていたら、うっかり自分が高校生に戻ってしまったような気分でした。それまでの大学生活を変えるような友人と出会い、考え方などかなり影響を受けました)

 三年次生の皆さん、さぁ自分だけの道を模索しながら進んで下さい!
(この時、私はドイツにいました。この時の事については留学体験記に詳しく書いてありますので省きますが、アドバイザーの生田先生、ケルンでお会いした島先生や高山先生やトゥラウデン先生には随分お世話になりました。そして何でも話せる(たまに喧嘩になる)友人が出来ました)

 四年次生の皆さん、耐えて耐えて戦って下さい。
この時期に授業をとるのかは、自由です。ですが働いたら、もう今のように勉強を続ける事は難しい事は覚えていて下さい。(難しい履修計算なんて投げて、自分の興味のある勉強を好きなだけしていました。これ以上の幸福は、ありませんでした。授業でここまで楽しいと思ったのは、一年生ぶりです。高山先生とドイツについてお話した事が凄く楽しくて、ヤスパゼン先生とドイツ語で会話が出来るのが凄く嬉しくて、久下先生のお話が凄く面白かったです)

 楽しく過ごしても、だらだら過ごしても、大学生として過ごせる時間は決まっています。
勉強、留学、アルバイト、遊び、ひきこもり−貴方が選べる道は、まだ決まっていません。
どう過ごしても四年間は四年間なら、精一杯過ごして下さい。
皆さんの大学生活が輝くものとなる事を祈っています。

Herzliche Gruse und Ansporn
Hitomi Nakano

PAGE TOP