私は、2006年から関西ウェールズ会（Kansai St David’s Society）という非営利の民間交流団体に参加しています。主にバザーや交流会、そして文化祭などを通じて、より多くの人にウェールズを紹介し、ウェールズの認知度を高めるために、関西を中心に活動しています。ところで、皆さんはウェールズという国をご存知でしょうか。

　 ウェールズは、イングランドとスコットランド、そして北アイルランドと共に英国の連合王国を構成する4つの国の中の一つです。（現地の人々にとって各地は「地方・地域」というよりも「国」という意識です）。その中でイングランドとスコットランドは日本でも有名ですが、ウェールズについては情報も紹介も乏しく、一般にはあまり知られていないというのが現状だと思います。しかし、ウェールズは他の３国、とくにアングロサクソンを祖先とするイングランドとは異なる言語と文化および歴史的背景を持ち、“同じグレートブリテン島にありながら異国である”と認識されているほど、独自の民族性と伝統を保つユニークな国です。国土の大きさは、四国と東京都を合わせたくらい。人口は約３００万人で、その多くの人々がアングロサクソンによる侵略前にブリテン島に住んでいたケルト民族の末裔です。英語とともに公用語とされているウェールズ語も、英語とはルーツがまったく違うケルト語の一種です。

　英国国旗がイングランド、スコットランド、アイルランドのそれぞれの国旗を合わせたものであることは有名ですが、ウェールズ国旗はその中に含まれていません。なぜなら、上記の３国が連合する前に、ウェールズはイングランドに征服されてしまっていたからです。ウェールズ国旗は、緑と白に２分割された旗の上に赤い龍を中央に配したもので、このレッド・ドラゴンはウェールズの象徴とされています。

　そして、ウェールズ人、ウェールズと関係のある人や興味を持っている人が、ウェールズの認知度やお互いの友好関係を深めることを目的に集まったのが、Kansai St. David's Society (関西ウェールズ会)です。St Davidとはウェールズの守護聖人で、世界中どこでも、St. David's Societyといえば、ウェールズの協会であることがわかります。私たちは、東京に本部があるSt. David's Society Japanの関西支部で、英国大使館・同大阪総領事館に認定・登録されており、他の英国関連団体とも密接な関係をもっています。

　私は一年間、大学を休学し、海外でのインターンシップと英語力の向上を目的に、イングランドのロンドンとウェールズの首都であるカーディフに滞在していました。カーディフでは、多くの温かくて明るいウェールズ人に囲まれながら、英語を勉強しました。伝統をとても大事にする彼らとの出会いから、人生を明るく生きることや民族のアイデンティティについて、様々なことを学びました。ウェールズ人に魅了され、もっとウェールズ人と出会いたい、そしてウェールズについて知りたいと考えたのが、関西ウェールズ会（Kansai St David’s Society）に参加するきっかけとなりました。

　当会は、大阪にあるブリティッシュ　パブでの集まりなどを定期的に催すカジュアルでフレンドリーな団体で、年齢や経験も異なる会員の方々、例えば、大学生やウェールズを研究している大学教授、そしてウェールズに関係する大手会社役員の方々とも、様々な情報交換をすることができます。また、英語とウェールズ語を話すウェールズ人から、多言語・多様性を学ぶことができます。私にとって、当会での出会いはとても刺激的です。これからも、ウェールズを通じて良き出会いをしたいと願いつつ、より多くの人に、すばらしいウェールズについて知ってもらう活動をしていきたいと思っています。

　ウェールズについて少しでも知りたい、英語やウェールズ語を話したい、新たな出会いをしたいと思う方は、是非3月１日に行われる文化祭に来てください。文化祭では、ウェールズの文化・歴史・言語・音楽・民族性等を様々な面から紹介します。他にも、会場に足を運ばれる皆さん全員に、身近なウェールズを好きになって頂けるように、様々な企画を考えています。是非！足を運んでみてくだい！

　皆さんとお会いできることを、そして、一緒にウェールズを体感できることを心から楽しみにしています。

日時	3月1日（土）午後１時〜午後5時（開場12時半）
場所	大阪・天満橋『ドーンセンター』1F　パフォーマンス・スペース 〒540-0008 大阪市中央区大手前1丁目3番49号 Tel: 06-6910-8500 （大阪地下鉄谷町線・京阪「天満橋」駅 1号出口より徒歩5分）

• 関西ウェールズ会作成、ウェールズ議会政府承認のチラシ（PDF1MB）