留学体験レポート

徳田 桂子 エディスコーワン大学(認定留学)

留学期間 国名 留学先大学名 留学の種別
2010年3月6日から
2010年1月15日まで
オーストラリア エディスコーワン大学 認定留学

 私は西オーストラリアにあるパースで、約10ヵ月間の留学生活を送りました。日本と同様、四季がありますが、季節は真逆です。夏は湿気が少ないため汗をかきにくく、冬は日中にコートが不要と、とても過ごしやすい場所でした。市内は栄えていますが、6時にはほとんどのお店が閉まり、郊外は非常にのどかです。あれほど、芝生の緑色と空の青が美しいと思えた場所はありません。

 留学中、さまざまな壁にぶつかりましたが、この留学は自分自身を高めるための良き機会であったと感じています。私がぶつかった最も大きな壁は、自信の喪失でした。オリエンテーション時に受けたクラス分けテストに、スピーキングが含まれておらず、文法・ライティング・リーディングが割りと得意だった私は、自分の能力より高いクラスに入れられてしまいました。クラスメートは、私よりも流暢に話せる方ばかり。会話の内容が全く理解できず、不安・焦り・悔しさが一気に押し寄せ、3日目で泣いたことを良く覚えています。そんな時、励ましてくれたのがホストマザーでした。『私が日本に行って、3日間で日本語が理解できるようになると思う?』その一言で、肩の力がすっと抜けたのを感じました。しかし、その後も授業中に発言する余地はなく、いざ口を開いても理解してもらえないことが多々ありました。失敗を恐れ、話す前に頭の中で文を構成してしまう傾向もあり、話そうとした時には、すでにトピックが変わっていることもありました。このようなことが積み重なって、自信を失い、話すことが怖くなった時期がありました。ホストマザーと意思疎通がうまくいかず、少しトラブルになったのもこの頃です。家の中でも、自分から話しかけることができず、話しかけられるのを待っていました。しかし、“せっかく語学の勉強をしに来ているのに、このままではいけない!!”と実感し、同じような経験をされた方々のコメントをインターネットで調べ、“自分自身がいつまでもお客様気分で、受け身の態度をとっていることに問題がある”と気づくことができました。その後、積極的に話しかけるよう努め、ホストマザーとの距離も縮まりました。

 3カ月が経った頃、平日の昼ご飯はなく、休日の昼ご飯はカップラーメン、お風呂は5分でインターネット料金は別途と、ホームステイに不都合な点が多かったため、シェアハウスに移ることを決心しました。シェアハウスでは、スウェーデン人・ケニア人・日本人と生活し、家事全般を自分でこなさなければなりませんでした。日本では実家暮らしだったため、家事の手伝いを全くしておらず、初めは大変苦労しましたが、親の有難みがわかり、自立にもつながる良い経験だったと思っています。

 6カ月が経った頃、クラスメートが一斉に帰国し、少人数になったこともあって、発言機会が増えました。この頃からスピーキングが向上し始めたと思います。その後、自信を徐々に取り戻すことができ、また、この壁を乗り越えられたことによって、自分自身強くなれたような気がします。

 この留学を通して、英語はもちろんのこと、他にも学んだことはたくさんありました。まず実感したのは、自分の無知さです。日本は平和で豊かな国であり、それはとても喜ばしいことでもありますが、悲しいことでもあると感じました。他国の方、特に発展途上国から来られた方々は、例え私よりも若い人でも、自国の政治や経済の状況を把握しており、意見もしっかり持っていました。それに対し、私は何不自由なく日々の生活を送っており、そうした問題に目を向けていなかったことを、すごく恥ずかしく感じました。また、さまざまな方と触れ合うことで、他国の文化を知り、他国の文化と日本の文化を比較することで、日本のことを更に知れたように思います。人によって、学ぶことや感じることはさまざまだと思いますが、留学を通して、きっと何か見つけることができると思います。

 日本に帰国した際、浦島太郎のような気持ちでした。10カ月が経っても、自分の中では2・3日しか過ぎていないような、そんな気分でした。留学当初は“まだ10カ月もある”と考えていましたが、月日が経つのは本当に早いものです。これから留学をされる方の中には、私のように、自分に自信を失くしてしまう方もいるかもしれません。しかし、下を向いている時間はありません!!周りにいる人も英語を学びに来ているということを忘れず、消して失敗お恐れないでください。最初はめちゃくちゃでも良いのです。ボディーランゲージも、乏しいボキャブラリーをカバーしてくれるので、恥らいを捨てて、どんどん使っていってください。私のように、話しかけられるまで待つといった受け身の態勢はとらず、少し厚かましいのではと感じるぐらい、積極的にいきましょう。一生に一度の貴重な留学経験を有意義なものにしてください!!

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