京都府のイタリア若手デザイナー招聘事業にイタリア語専修の学生が通訳サポートとして協力
京都府がイタリア・トスカーナ州よりイタリア人デザイナーを2名招聘し、京都の伝統工芸産業グループとコラボレーションし新商品を開発する取り組みに、通訳サポーターとして言語学科イタリア語専修の学生7名が協力しました。

京都府知事とイタリア人デザイナーとの対談時の模様

対談で通訳を務める西本くん(写真右)

対談で通訳を務める村上さん(写真中央)

イタリア人デザイナー送別会
■活動期間
平成18年9月12日〜12月15日
■主な活動内容
- コラボレーション、成果発表会時における通訳サポート
- 資料の翻訳
- イタリア人デザイナー送別会の企画 等
■京都府のイタリア若手デザイナー招聘事業におけるコラボレーションの内容
担当 | グループ名 | コラボレーションの内容 |
---|---|---|
イタリア人 デザイナー エレナ ロッシ氏 |
京都絞栄会(こうえいかい) | 京都絞栄会(こうえいかい) 京鹿の子絞技術とイタリアのテイストを組み合わせた洋装品の開発。 |
京都伝統工芸専門学校 | イタリアのデザインと京都の伝統素材を組み合わせたアクセサリーの開発。 | |
イタリア人 デザイナー アレッサンドラ オルランドーニ氏 |
京都伝統産業青年会 | イタリアのデザインと京都の陶磁器技術の融合によるテーブルセットの開発。 |
北山杉和会(しんわかい) | 洋風空間向けインテリア商品としての照明器具の開発。 | |
京都工芸繊維大学 | 中野准教授研究室 (グラフィックデザイン) |
京都絞栄会と学生が共同で新商品開発に取り組み、エレナ氏とデザインの競演を目指す。 |
山本教授研究室(プロダクトデザイン) | 北山杉和会と学生が共同で新しい形状の加工に挑戦し、アレッサンドラ氏とデザインの競演を目指す。 |
上記共同制作時以外に、京都府知事とイタリア人デザイナーが対談する場面でも学生が通訳を務めました。
■通訳サポートを務めた学生の感想
西本 正太(イタリア語専修4年次)
京都の伝統産業を世界に発信するこのプロジェクトに関わる事が出来たことを、京都で学ぶ学生として本当に嬉しく思います。京都産業大学で4年間学んだ集大成をこの場で発揮できたと思います。
この通訳の仕事がこの先も後輩に引き継がれ、この先も京産大生が社会に貢献できることを願って今回の通訳の仕事を終えたいと思います。
最後にこの機会を与えてくださった京都府職員、京都伝統産業の職人さん達、イタリア人デザイナー、裏でサポートしてもらっていた小林先生、外国語学部事務室の皆さんに心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
西山 真生子(イタリア語専修4年次)
大学に入学し、京都に住むようになったが、伝統工芸の知識は少なかった。そのため、通訳サポーターを始めた頃はとても不安だった。しかし回を重ねるごとに不安は消え、新しい知識を得ることへの喜びが大きくなった。作品ができあがった時の感動は今もよく覚えている。
大学で4年間学んだイタリア語を通じて日本の伝統工芸や京都について色々なことを学ぶことが出来た。通訳サポーターをやって本当によかった!
小西 絵梨(イタリア語専修4年次)
私は留学を経験していなかったので、この企画に興味はあったものの語学力に自信はありませんでした。
それでも、Elenaや職人さんたちは優しく接して下さり、絞りの体験もさせて頂きました。普段の生活の中ではなかなか触れることのない伝統産業に触れることができ、色々な方と知り合い、お話をすることもできました。そのことによって、自分の世界が広がったような気がします。本当に良い経験ができました。
藤井 麻由(イタリア語専修4年次)
私はエレナの通訳サポーターとして、主に絞り工芸館でのコラボレーションに参加しました。専門的な用語が多く細かいニュアンスをなかなかうまく伝えられずにエレナや工芸館の方々に迷惑をかけた事もありますが、なんとかお互いが満足する作品ができました。
この企画を通して、語学において新しい発見がたくさんありました。さらに、日本にはない色使いやデザインに触れ、普段は決して見ることができない物作りの過程を見ることができ毎回とても楽しく参加することが出来ました。今後もこの企画を通して得た知識や出会いを生かしていきたいと思います。
佐藤 勇祐(イタリア語専修4年次)
今回、京都府のイタリア人デザイナー招致事業にともなう通訳サポーターを経験した事はとても良い社会勉強になりました。普段の生活では見ることの無い京都の伝統工芸品が生産される場に立ち会えたり、また生産者の方と直接会って話したりと大変貴重な経験でした。また来年から就職し働くにあたっても「働く」ということを改めて考える事ができました。通訳の面では相手の言いたい事を正確に理解し、通訳することが想像以上に難しく、大変に苦労しましたが、今回の経験は少なからず自分と自分のイタリア語力を成長させるいい機会になったと思います。
田中 翔(イタリア語専修4年次)
通訳サポートを行った感想としましては何より大変だったという事に尽きます。語学力はもちろんの事、通訳する内容に対しての専門知識の不足がコミュニケーションをとる上での小さくない壁となりました。しかし言うまでもなく普通ではなかなかできない事を経験する事ができましたし、様々な人々と関わり協力し合わなければならないので社会に出るためのまたとない予行演習になったと思います。何よりこのような大変な仕事につきもののやり終えた後の達成感は格別でした。
村上 里絵(イタリア語専修4年次)
二ヶ月間、デザイナーと京都の伝統職人の方の通訳サポートをして、とてもたくさんのことを学びました。やはり初めての経験だったので、通訳がうまく行かないこともありましたが、普段あまり見ることができない京都の伝統工芸の工房に行き、職人の方の仕事に対する熱意を感じることができました。もちろん自分の語学力を再確認するいい機会にもなりました。この経験がムダにならないようにこれからもイタリア語の勉強を続けていきたいです。