外国語学部創設40周年

外国語学部創設40周年を迎えて

外国語学部長 田中 義晧

 京都産業大学開学の2年後、1967年(昭和42年)に外国語学部が創設されて今年ではや40周年を迎えました。人間でいえば、40歳は論語でいう「不惑」の年となります。この機会に、学部の来し方行く末に思いをめぐらすことも無意味なことではないでしょう。

 

 この40年間、外国語学部は高度な語学運用能力と国際社会や異文化への理解を身につけた有為な人材を社会へ送り出してきました。これまでの本学部の卒業生総数は約15,000人にもおよび、国の内外、各界で活躍しています。8つの専攻語を学べ、優に単科の外国語大学に匹敵するスケールをもち、しかも総合大学の外国語学部として経済、経営、法学部など他学部の授業科目も学べるという利点が社会的に高い評価を受けてきました。

 

 グローバリゼーションが進展する今日、国際協力や異文化理解を進めるためには、やはり「言葉のハードル」を乗り越えなくてはなりません。だが今日、語学教育を担う外国語学部の在り方も大きな転換期に来ています。1967年の学部創設当時、今日のような留学の一般化、CNNニュースの登場、カタカナ英語の氾濫、語学学校の乱立など、これほどの外国語を学ぶ環境の激変ぶりは想像されなかったでしょう。この意味で、「外国語教育」というコンセプト自体、今やその意義を問われているとも言えます。

 

 こうした内外環境の激変のなかで、今後は一層グローバル・リテラシー(国際対話能力)の涵養が重要となってきます(「21世紀日本の構想」懇談会報告『日本のフロンティアは日本の中にある』(講談社、2000年)。グローバル化が進む今日、情報を自在に入手・理解でき、自分の意思を明確に表明できる「世界へアクセスする能力」や国際人として「世界と対話できる能力」がますます必要とされます。こうしたグローバル・リテラシーと透徹した国際社会への理解をもった人間だけが21世紀の「地球社会」で活躍しうる、と言っても過言ではありません。こうした認識から、外国語学部は今後も引き続きグローバル・リテラシーの陶冶に努め、国際社会への深い理解と問題解決への行動力を兼ね備えた人材を社会へ送り出したいと考えています。

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