文化学部では、2012年度から、海外における文化研修を授業計画に含む「国際文化研修」を開設しました。

　この科目は、海外研修において、英語学習を集中的に実践するとともに、研修先大学の現地学生との交流や文化施設でのフィールドリサーチなどにより、現地の現状と歴史的・文化的背景について理解を深め、国際交流・国際相互理解のあり方を実践的に学ぶことを目的としています。

　今年度は、6月上旬から事前学習を行い、9月1日からの約2週間、インド（ヴィドヤー・プラサーラク・マンダル大学：VPM大学）とハワイ（ハワイ大学ヒロ校）での海外研修に学生たちが参加しました。

　参加学生の体験談と担当教員の声をお届けします。

インド参加学生　文化学部国際文化学科3年次生　川�ｱ翔太さん

　インドはとても雄大な国で、一歩踏みしめる度にその偉大さが感じられる国でした。特に、夜の市場を歩いた時の感動は今でも忘れられません。日本のようにまぶしすぎる街灯はなく、うっすらと浮かぶような心細い電灯が市場を彩っていました。しかし、人々の活気は日本の比でなく、うす暗い市場を盛り上げようと、とてもキラキラしていました。他にも休むことのない渋滞やエンジン・クラクションは、まさに人々の力の源であり、見ているだけで力をもらえるような気分になりました。
　インドの人々は、『マヌ法典』等の教えもあってか、とても親切で、遠方から来た我々を快く迎え入れてくれました。
　その一方で、私たちは貧富の差というとてもシリアスな問題も目の当たりにしました。バスに乗れば、まだ５歳ほどにも満たない子供がお金を要求してきたり、観光地を歩けば、花や地図など様々なものを売り歩いていたりしました。世界にはこんなにも貧しい人々がたくさんいるということも学びました。
　インドでの経験は、私に生きる力をたくさん与えてくれたと同時に、様々なことを勉強する機会となりました。この経験を活かして、がんばって生きていきたいと思います。

インド担当　矢野道雄 文化学部教授

　わたしはインドへ行くたびに新しい発見をしますが、今回はとくに学生諸君と一緒に授業に出席し、生活を共にしたので、VPMの先生たちの丁寧で熱心な教えかたに驚き、学生と教職員のhospitalityにも感銘を受けました。参加した学生たちが先方の期待に十分に応えたかどうかは心配ですが、この経験を生かして一人一人がこれからの人生を通じて応えてくれることを期待しています。

ハワイ担当　ゴーベル・ピーター 文化学部教授

　ヒロの良いところは、歴史があり真のハワイ文化を知ることができる町であるということです。ヒロの町に滞在すると、人々の“アロハスピリット”やハワイ独特の文化を感じることができます。ハワイへの旅行者のほとんどは“ビックアイランド（ハワイ島）”まで足を伸ばすことはありません。今回の研修によって学生達は自然の力や偉大さを目の当たりにし、それがハワイの文化や歴史にどのように影響を与えてきたのかを知ることができました。この研修で得たことは今後も長く彼らの中で生き続けることでしょう。