中世欧州音楽の世界−ラルバ(L'ALBA)コンサートーを開催
5月7日(水)、11号館11403教室において、来日したオランダの中世音楽アンサンブルラルバ(L'ALBA)<http://www.lalba.nl/>のインタビューを交えたレクチャー・コンサートが行われました。
聴覚文化セミナーの一環として、また音楽文化論A(担当:竹内茂夫 准教授)の特別講義として催されたもので、14時30分から16時30分まで、約30名の参加者が美しい音楽に耳をかたむけました。
ラルバの歌手である夏山美加恵さん(写真上) は竹内准教授のオランダでの在外研究員からの友人であり、中世単旋律音楽を専門としてオランダとベルギーを中心に活動しています。今回は歌とともに時に弦楽器ハーディ・ガーディを弾かれました。男性メンバーであるご主人のルネ・ジャニス=フォルジャさん(写真下)は中世の楽器の専門家として、今回はアラブ・リュートとハーディ・ガーディを演奏されました。フォルジャさんは、先頃言語学の博士号を取得した研究者でもあります。
2人は、中世の宗教曲(グレゴリオ聖歌、ヒルデガルト、聖母マリアのカンティガ)や世俗の愛の歌(南仏のトルバドゥール、北仏のトルヴェール、スペインのセファルディー)を歌い演奏されました。中世音楽を生で聴く機会は滅多にありませんので、音楽に興味のある方々だけでなく、中世欧州史に興味のある方々にとっても、とても有益なひと時となりました。


【曲目一覧】
- ローマ(グレゴリオ)聖歌より:奉納唱〈アヴェ・マリア Ave Maria〉
- ビンゲンのヒルデガルト (1098-1179):聖母のための詩篇交唱〈おお芽吹く若枝よ O Frondens Virga〉
- ジョフレ・リュデル・デ・ブライヤ (c.1130-1148):〈5月の陽が長くなる頃 Lanquand li jorn son lonc que mai〉
- ゴティエ・ド・コワンスィ (1277-1326) :〈ここにおいて共に聖母を称えよう Entende tuit ensemble〉
- 《セファルディーの歌》より:〈高い塔の間をさまよって Camini Por Altas Torres〉
- アルフォンソ 10 世賢王 (1221-1284):《聖母マリアのカンティガ集》より第 1 番〈これより私は 歌いたい Des oge mais〉(CSM1)
- アンコール 《セファルディーの歌》より:〈夜よ、美しい夜よNoches, Noches, Buenas Noches〉