Vol.095 硬式野球部 主将 福山 大貴さん、学生コーチ相原 宏行さんインタビュー

春季リーグでは大逆転勝利で優勝を果たし全日本大学野球選手権に出場。
秋季リーグでは神宮出場は逃したもののリーグ2位。
今シーズンを支えた主将の福山大貴さん、
学生コーチである相原宏行さんにお話を伺いました。

リーグ最終戦から1ヶ月が経ちました。いま振り返ってみていかがですか。

主将 福山 大貴さん(法・4年次)学生コーチ 相原 宏行さん(法・4年次)

福山)連覇することができず、結果として悔しさが残る最後のシーズンでしたが、最後終わった時にはすっきりとしていて、やり切ったという気持が大きいです。今まで小中高と野球はトーナメント戦が多く、最後は負けて終わりという場合がほとんどでした。そんな中、野球をやって来て勝って終われることができたので少し不思議です。4年間、良いことも悪いことも同じくらいあって本当に充実していました。

相原)4年間やってきて春季リーグで優勝、2連覇を目指してやってきた秋季リーグだったので、悔しい気持ちもあります。しかし、大学野球4年間を通して最後はしっかり自分たちのやってきたことを出して勝って終わることができたので良かったです。自分は学生コーチという立場で野球人生の中で一番よく怒られたシーズンでした。しんどいこともありましたが、人間的な部分など社会に出てから活きる大事なことを学べたと思っています。

昨年のチームから投手陣が一変しました。苦労したことはありましたか。

福山)(捕手をしていて)要求した球が来ないこともありました。だからこそ投手の良いところを引き出していくことの大切さを学びました。自分の苦労よりも投手陣の成長が印象に残っています。今は投手陣の成長に感謝しています。

練習前のウォーミングアップの精度をあげることを意識していたとお聞きしました。

福山)4年次生の中で、練習前のアップの種目が多く、時間も長くかかるので楽な方に流れているという話が出ていました。そこで2月のキャンプの時からフィジカルリーダーの堀井勝貴を中心に、全力でアップをすることをチーム内で決めました。アップ中も厳しい声が出ていて、4年間で一番精度の高いアップを行えたシーズンだったと思います。

春季リーグの大逆転優勝は感動しました。プレーしている選手はどのように思っていましたか。

福山)本当に全員が最後まであきらめませんでした。最終節は初戦を大敗して、あと1敗したら終わりという中、次の試合も序盤に得点を許していましたが、まだあきらめていませんでした。みんなのあきらめない姿勢、気持ちがすべてのはじまりだったと思います。

相原)春季リーグはチームに対する前評判があまりよくありませんでしたが、結果として、優勝決定戦まで持っていくことができました。初戦で大敗して1敗もできないという状況の中で行われたミーティングのときに、気持ちの切り替えはすでにできていて「こっから3連勝したらいいんや」という気持ちがみんな強かったです。ミーティング後、もしかしたら優勝できるのではないかと思っていました。

学生コーチは具体的にどのような仕事をされるのですか。

相原)スタッフの一員で監督やコーチの考えていることを理解して選手に伝えることです。練習の中ではノックを打ったり、次の指示を伝える役割になります。

学生コーチになった理由は何ですか。

相原)高校3年間は広島の強豪校に入学し、寮に入って選手として野球に取り組んでいました。3年間でベンチに入れることが一度もなくて悔しい思いもあったのですが、3年間強豪校で野球をやったことは勉強になりました。高校3年生の夏、メンバーから外れたあとも自分にできることは何かと考え、サポート役をするようになってやりがいを感じるようになりました。大学でも野球をしたいと思っていたところに学生コーチという存在を知って、高校3年間の悔しさとサポートに回った経験も含め、野球に携わりたいという思いから入部を決めました。学生コーチは簡単に務まるものではなく、長い仮入部期間を経てやっと学生コーチになれることができました。

学生コーチとして選手に伝えるときに意識していることはありますか。

相原)メンバーであったり、メンバー外であったり選手一人一人立場が違います。特にメンバー外の選手はリーグ戦に入ってから試合に出ることができないという思いからよくない方向に向いてしまうこともあります。だから選手一人一人にかける声のかけ方を変えていました。厳しい言葉だけではなく、時には褒めることも大事だと思っていました。でも一番意識していたのは見返りを求めないことです。自ら学生コーチをやりたいと入ってきているのもあるので自分の立場上、見返りを求めてやっていたら学生コーチは務まりません。自分がチームにどうやって貢献するかということを考えていました。

最後の試合のウイニングボールは相原さんがもっているとお伺いしました。いまはどうされているのですか。

相原)大貴(福山)に日付など書いてもらって部屋に飾っています。

福山)試合が終わった時に審判の方に「1年間お疲れさん。ええチームやったな。」と言っていただいてボールを貰って、優勝したわけでも、投手が初勝利したわけでも完封したわけでもなかったので、相原に渡そうと思いました。毎日、一緒に野球部の活動をしているのに、4年間絶対に試合に出ることはない立場。気持ち的に難しかったと思います。彼の力なしに今のチームはないので、持ってもらおうと思いました。

福山さんは社会人でも野球をやられるとお聞きしました。一言お願いします。

福山)技術的に負けることがあっても、それ以外の部分でチームに必要とされる選手になりたいです。このチームで4年間たくさんのことを学ばせてもらったので、それを活かしながら大学の名前も背負って頑張っていきたいと思います。

後輩へ伝えたいことはありますか。

相原)大学の後輩は、今まで野球人生で出会った人たちの中で、一番かわいいと思っています。今の4年次生の人数が多かった分、新チームは人数が減りました。だからこそまとまりを大事にしてほしいです。また自分たちから教わったものは受け継いでほしいですが、それぞれの学年によってもチームカラーは絶対にあると思います。だからこそそれが消えてしまわないようにしてほしいです。

福山)何かを目指して戦うのは楽なことではないのですが、やりきった先には新しいものが見えてくると思います。自分に挑戦することが大事だと思うので、殻を打ち破って頑張ってもらいたいと思います。


試合終わりのユニホーム姿とはまた違った雰囲気で取材に応えて頂きました。春季リーグでは選手全員の決してあきらめない挑戦者としての気持ちが大逆転優勝につながりました。4年次生の背中を見て挑戦することを学んだ下級生がV奪還へ邁進しています。

(2016.12.14)
【記事:体育会本部編集局 石丸 一真(法学部・2年次)】 【写真提供:体育会本部編集局】

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