Vol.079 自転車競技部 中井 路雅さんインタビュー

「第84回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース」男子U23部門で、
優勝された中井 路雅さんにお話しを伺いました。

中井 路雅さん(経営・3年次)
6月27日(土)、栃木県那須町で行われた「第84回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース」男子U23部門で、見事、創部初の優勝をされた中井 路雅さんにお話しを伺いました。
今大会は、「2015年ロード世界選手権自転車競技大会代表候補選手選考参考大会」に位置づけられている重要な大会です。

全日本選手権での優勝、おめでとうございます。

ありがとうございます。
まだ、信じられない気持ちですが、このように祝福の言葉をかけてくださったり、メディアなどから取材されたりして、徐々に実感してきています。

—現在、プロとして活躍されている木村 圭佑さん(2014年・経営卒)、吉岡 直哉さん(2014年・法卒)でも成し得なかった快挙ですね。

全日本大会優勝者に送られるチャンピオンジャージ
先輩方は、在学時代からセンス、実力ともに別格の存在でした。
一方、自分は、高校から自転車競技に取り組みましたが、全国大会での優勝には縁がありませんでした。今年に入ってからも、調子が良い方ではなかったので、初の全国大会優勝が「全日本」という日本最高峰の大会ということに驚いています。

—自転車競技を始めたきっかけをお聞かせください。

父がトライアスロンをしていて、そのトレーニングの一環でシクロクロス(オフロードで行う障害物レース)をしているのがおもしろそうだと思い、一緒にやってみたのがきっかけです。

トラックレースとロードレース、どちらの方が向いていると思われますか?

ロードレースです。
トラックは、パワーが重要なポイントになります。自分は、小柄でパワーがある方ではありませんし、シクロクロスをしていたこともあり、心肺機能が強く長距離に向いているようです。また、戦略で補う部分が大きいロードの方が可能性を感じてます。
取材を受ける中井 路雅選手

「戦略」というと、どのような事ですか?

例えば、今回のレース展開は、序盤がとても速いペース、中盤で全体的にスピードが落ちて、最後にまた速くなりました。周りの様子を見ながら、自分の位置取りやペース配分を考えて対応していきました。また、当日は天候が悪く路面が濡れていて、落車をする人が多くありました。順位の入れ替わりが激しかったので、落車しないよう気をつけました。
もともとセンスが良く自然と戦略が立てられる人もいますが、自分は、木村先輩、吉岡先輩などセンスの良い方々を参考して、自分なりに考えています。

自転車漬けの毎日ですね。

自転車競技は、費用も高くスポーツです。弟も本学の自転車競技部に所属していて、両親の負担はかなり大きいと思います。アルバイトが出来ればなぁと思うこともありますが、自転車の方が疎かになってしまうのではないかいう心配もあります。金銭的には少し補えても、自転車に集中できる環境を作ってくれている両親が望むことではないので、今は、学業の次には自転車の事を第1に考えようと思っています。

自転車に乗るということ以外、競技について取り組んでいることはありますか?

今後は、必要になってくると思いますが、まだ、あまりウエイトトレーニングをしていません。バランス感覚を養ったり、体幹を強くする程度にして、まず基本的な身体作りをしています。
その他、食生活にも気を配るようになりました。
体重コントロールもしつつ、しっかりした身体作りをするために、バランスの良い食事が不可欠だと思って、出来るだけ自炊をしています。実家に帰った時には、バランスが良いだけでなく心のこもったご飯を作ってもらえるので、本当に感謝しています。

最後に、今年の目標を聞かせてください。

今回、全日本選手権を制したことにより、わずかに「世界選手権出場」の可能性も出てきました。夢のような大きな舞台で戦ってみたいという思いはあります。その為には、8月の全日本大学対抗選手権(インカレ)で良い成績を残す必要があります。
またチームとしては、そのインカレの結果次第で、来年の「ツールド北海道」の出場権を獲得することができます。 個人としても、団体としても、大切な一戦となる「インカレ」に向けてるので、気持ちを引き締めて臨みます。

そして、将来は「プロ」として活躍したいと思っているので、応援、よろしくお願いします!


本当に「全日本選手権」を制したのか?と思うほど、穏やかで控えめな中井さん。
大切なレース前でも、あまりピリピリとした空気を出さないが、ずっと自転車のことばかり考えているということです。きっと、人との競走に勝ちたいというよりも、自分自身で納得いくレースをしようと真摯に練習した結果が、今回のような快挙につながったのではないかと思います。

(2015.07.07)

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