Vol.031 ラグビー部 元木 由記雄コーチ インタビュー

2019年ラグビーW杯のアンバサダー(広報大使)に就任され、
また今年4月中旬から本学ラグビー部を指導されている
元木 由記雄コーチにお話を伺いました。

アンバサダーについて教えてください

元木 由記雄コーチ(ラグビー部)
日本代表経験者の中から出場数上位者がアンバサダーとして宣伝を行います。47都道府県を回って、ラグビースクールや講演会を行ったり、記者発表の時に行ったようなワークショップなどを企画しています。ファンの方の意見を聞く機会を設けたところ、全員で歌える歌を作って欲しいとか、もっとマスコミに出てラグビーの注目度を高めて欲しいなど、たくさんの意見をいただきましたので、協会の活動の参考にしていきたいと思います。

アンバサダーとしての意気込みを教えてください

“2019年W杯日本開催の成功”という重大な責任があります。W杯は、国全体が盛り上がります。ただ、過去のW杯開催地を見ると強豪国での開催が多く、ラグビーが根付いている国です。日本もラグビー人気を上げて盛り上げていくことがカギとなります。昔は、本学対同志社大学の試合は会場が満員になったと聞いています。先日の花園で行われた日本対ウェールズの試合も満員になったので、いろんな努力をしてラグビーへの注目度を高めていくことが重要だと思います。

本学のコーチに就任して3ヶ月がたちました。指導してみて感想をお願いします。

選手はとてもよくやっていると思います。春先はとてもハードな練習に取り組み、徐々に選手の意識も変わってきたと思います。練習をやらされているのではなく、自らやるチームにしていきたいと思って指導してきました。3ヶ月で土台が出来たと思うので、シーズン開幕までに底上げをしていきたいです。

コーチ就任当初、ラグビー部に感じたことは何ですか?

以前から、練習量が多いというのは聞いていました。同じ量でも意識の違いで練習の成果は変わってきます。その意識を変えるため、毎回何か問題があれば伝えるようにしました。ラグビーの練習は、とても苦しいものですが、だからと言って、さぼったり周りを裏切ったり、規律を守らなかったり、特にプレー中に15人グラウンドに立ちますが、その時に手を抜くことはラグビーとして成立しません。部員全員で戦うために、規律を守るように常に言い聞かせてきました。

本学の印象を教えてください。

とても良い練習環境だと思います。クラブハウスや、グラウンドがとてもいいです。ここなら、のびのび練習が出来ると思います。

改めてコーチ就任までの経緯を教えてください。

コーチとしての活動は、U-20の指導や、神戸製鋼でもやっていましたが、昨年は一度も現場に立つことがありませんでした。今年は現場復帰をしたいと思っていた矢先に、本学ラグビー部の大西 健 総監督からコーチの話を伺って喜んで引き受けました。

母校ではない大学のコーチに就任するという違和感はありませんでしたか?

違和感は特になかったです。出身校に対するこだわりは、あまりありませんでした。

今の大学生と、元木コーチの大学生時代で変化はありますか?

僕らの時代とは、違うこともあります。良い悪いではなく、その時代、時代で違うものだと思います。僕らはその時代に合っている指導方法をしていかなければなりません。今の学生は、練習でも理由が分からないとやりませんが、理由が分かれば、キツイ練習でも取り組むので良いと思います。しかし、ただ論理的に進めれば良いというわけではないので、練習の中でうまく組み合わせていく必要があります。

これまでオープン戦を戦った感想をお願いします。

良いゲームも、悪いゲームもあります。継続して良い試合ができておらず、少し波があるように思えます。怪我人も多く出てしまったのは少し誤算でした。もっと練習を重ねることで波をなくし一定に保てるようにしたいと思います。精神的にも安定していかなければなりません。
また、スクラムやモールが原因でゲームが安定していなかった部分もあります。

1年次生の起用が目立ちますが、期待を寄せる選手はいますか?

高原 慎也(経営・1年次)、森田 慎也(経営・1年次)、真野 拓也(法・1年次)、李 智栄(経済・1年次)は次世代のリーダーになりうる選手で、とても楽しみにしています。上級生には全員期待をしています。

元木コーチも学生時代主将を務められましたが、今の主将三原 亮太さん(経営・4年次)はどのように映っていますか?

とても良いです。当初は少し遠慮している部分もありましたが、キャプテンとしての責任感が芽生え、最近は厳しいことも行い、しっかりしてきました。キャプテンになると、周りの選手には理解されないこともありますが、よくやってくれています。チームとして、勝つためには単に仲が良いだけではいけません。また、チームの成長=キャプテンの成長であると考えています

シーズンに向けて現状はいかがですか?

春先の試合では、モールにおいては、良い形で攻め込まれる場面も見られました。しかし、セットプレーが安定していません。それは言わなくても選手たちが良く知っていると思うので、改善するように選手が取り組んでくれていると思います。
良いメンバーが本学にはおり、攻撃ではNZから帰ってきた増田 匠(経営・4年次)、山下 楽平(経営・4年次)によって周りも生きてくると思います。バックスは、三原 亮太、山本 耀司(経済・4年次)もいるので、接点が良くなればいいチームになる可能性はあります。

ウエイトにも課題があると思います。それに対してどのような修正を行っていますか?

毎月、測定を行い、それに対して目標を決めてクリアしていくという方針をとっています。すぐに体は大きくなりませんが、ご飯をたくさん食べてほしいです。ウエイト、睡眠、食事はとても大切です。グラウンドの外でも、もっと頑張らなければなりません。 私が学生だった頃、明治大学では、もともと体の大きい人が入部してきましたが、本学はそのような状況ではありませんので、在学中に体作りを行うことで強豪大学に勝利していくというスタイルで行こうと思います。

大西総監督が以前「帝京大学に勝ちたい」とおっしゃっていました

それにはとても共感しています。日本一になりたいです。それでも段階があるのでまずは関西リーグで優勝したいです。

元木コーチが明治大学在学中に、本学と対戦した時の印象はありますか?

当時の明治大学は重戦車という愛称がありましたが、京都産業大学にスクラムトライを許しました。その時は、とても動揺しました。

これからシーズン開幕までにどのようなことをしていこうと考えていますか?

夏合宿では、ゲームをやっていこうと思います。夏合宿までに土台をしっかりさせ、また、怪我から復帰する選手もいるので、合宿を通して出た課題を帰ってきて修正していきたいと思います。

シーズンに向けて目標をお聞かせください。

ベストの状態で臨みたい。毎試合で得るものがあって、右肩上がりでシーズンが進むといいと思います。私も毎試合全力、一日一日全力で臨みたいと思います。


(2013.07.19)
【記事:体育会本部編集局 佐藤 孝樹さん(法・2年次)】
【聞き手:体育会本部編集局 岡田 賢さん(経済・4年次)】
【写真:体育会本部編集局 峯松 和成さん(法・4年次)】

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