060628 4年次・森本洪太訳

2006年6月28日付クダウラタン・ラクヤット紙より

チャンディ・プランバナンの修復はデータ収集の段階である

ジョグジャカルタ(クダウラタン・ラクヤット紙)


ジョグジャカルタの古代遺跡保護庁長のアグス・ワルヨ博士によると、先日の地震で壊れたチャンディ・プランバナン歴史文化保護区の修復は、データ収集の段階にあるという。博士は「軽率な行動をとるよりも、まず始めに十分に研究すべきだ」と説明する。しかし、そのチャンディは、しっかりと立っている。


「プランバナンはジョグジャカルタの代表的遺跡であるから、十分に注意が払われなくてはならない」と博士は語る。


クダウラタン・ラクヤット紙の記者が目にしたように、その現場にはデータ収集を行っている作業員が何人かいる。石の残骸を集め、その石は様々な場所に合わされる。割れたり、くずれたりした石にはマークが付けられ合わせられる。将来、すべての石が元の場所に戻るように。
博士によると、崩れたチャンディはブラフマ、シヴァ、ヴィシヌ、ガルーダ、アンサ、ナンディ、それにアピットを祭っている。その他に、西側の1面のアーチ、それに南側の3面のアーチが崩れた。一方、チャンディの屋根では、一部は崩れてチャンディの下まで落ちたし、一部は屋根に引っかかった状態である。チャンディの土台はひび割れているので、やがて、塀は崩れ落ちるだろう。


「壊れただけで、チャンディは今でも立っているのだから、観光客はその立派な歴史文化保護地区をみることができる」と博士は言う。
しかし、危険なために観光客はまだ第一ゾーンに入ることが出来ない。観光客は有刺鉄線の付いた塀が建てられた、安全な第二ゾーンまで入ることが許されているだけである。博士によると、落下したチャンディの石は、15メートルも飛んでいったということである。
「とりあえず、当局は観光客がより近くでチャンディを観ることが出来るように安全なところにステージを造る予定だ」と博士は言う。
観光客がいつチャンディに近い第一ゾーンに入ることが許可されるのかについては、BGMからのその地域が地震から安全か、そうでないかの決定を待っている状態である。やがて、BGMが安全だと発表した時、古代遺跡保護庁は当局と一緒に修復活動の妨げになることなくチャンディを観ることが出来る観光客のための特別なコースを作る。
やがて、考古学的な見地からだけでなくチャンディの再建をするために、土木技術を含む様々なサイドからの修復が行われるだろう。
「チャンディは壊れているけれども、しっかりと立っている」と博士は断言した。


博士によると今、ジョグジャカルタ古代遺跡保護庁は歴史文化保護区全体のデータ収集を責任をもって行っている。地震で崩れたチャンディをいくつか見ることが出来るが、それは今回の地震ではなく、昔の地震によって崩れたものだ。というわけで、壊れたチャンディの問題は今に始まったことではない。


(2006年7月21日、4年次・森本洪太訳)

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