060606 3年次・仲井友里恵訳

2006年6月6日付コンパス紙より

こんなにも地震の影響が大きいのはなぜか?

5月27日に起きた地殻変動による地震は、ジョグジャカルタ、中部ジャワの住民たちの心に今もなお恐怖を残している。そして彼らはそれぞれの方法で対処している。Wahyuという名のSlemanに住むある公務員は、地震以来家族と共に家の床で寝ることにしている。それは、寝ている時でも地震の揺れをより感じやすく、すぐに目を覚まし、急いで家の外へ避難することができるようにである。危険の脅威は当然まだみられる。余震による被害はまだずっと続いているのである。大きな亀裂の入った状態のままで残されている家々、それは人々に再び地震の恐怖を思い起こさせる。


余震は6月3日土曜日の未明、4時間の間に2度起きた。マグニチュード3前後であったが、東ジョグジャカルタのSapenで死者が一人出たと発表された。地震に対する建物の耐久度は、多くの犠牲者を生み出す原因の1つであることは言うまでもない。では、他にどのような原因が考えられるであろうか? その災害の引き金を引くいくつかの要因は、地震学、地球物理学、そして建築学の専門家たちの分析によると、建築構造や建築材料以外に、地震の型、地震の震源場所、地層の種類や構造、住宅の位置および地震発生時の住民の状況、避難の過程、さらには犠牲者への対応まで、さまざまである。


エネルギー・鉱物資源省が発行した、活断層所在地の地図によると、特に重要視されている活断層であるSesak Opakの東側の地下に1kmから4kmまで小さな割れ目が74ヶ所ほどみられる。主な活断層の末端で、最初の地震が起きた後、その活断層に沿って何ヶ所かに集中して165回もの余震が起こっただけではなく、Bantul東部での地震をも生じさせたのである。このことは、インドネシア科学院地球科学研究センターの地震専門家 Danny Hilman が表明している。地震による被害の大きさは、Dannyによると、その地域の地下の岩石の構造が、くぼみや盆地から成るためだという。Bantulで先週行われた、Pariatmono博士を団長とする、科学技術調査省と科学調査応用庁の合同チームによる、地震被害緊急調査結果から結論がいくつか出されている。


大きく崩壊、破損した住民の家は、鉄筋構造ではないことがわかった。”一般的に、調査した建物は、3mの壁ごとに鉄筋を入れるという耐震基準に則っていなかった”と、耐震構造においての専門家でもある Pariatmono は解説している。そこの建物や家は、築30年以上の古いものが多い。その住民の家々は、煉瓦または砂と石灰石を混ぜたものだけで建てられたものである。その地域の経済段階や住民の知識水準を考慮すれば、この状況は理解できるであろう。彼らは、活断層が存在する地域に自分たちが住んでいることさえ知らなかったのである。その外の要因として考えられるのは、地震が多くの住民がまだ家にいた5時54分に起きたということであろう。


(2006年6月25日、バンドゥン・パジャジャラン大学留学中、3年次・仲井友里恵訳)

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