060614 4年次・森本洪太、4年次・井村糸芳共訳

2006年6月14日付コンパス紙より

ジョグジャジャカルタ市民は復興のために1つにならなくてはいけない
スルタン、ハメンク・ブウォノ10世は王宮でマリジャン氏を出迎えた

6月13日火曜の夜、キレン王宮にて、ハメンク・ブウォノ10世はムラピ山の山守のマリジャン氏を出迎えた。マリジャン氏と彼の家族の何人かはジョグジャの宮廷の召使としての完全なジャワの正装をしてスルタンの呼び出しに応じて王宮に詰め掛けた。


スルタンとマリジャン氏の会見は10分くらいの短いものだった。彼ら二人は非公開で東側の客間で話し合いを行った。スルタンとの会見が終わったあと、マリジャン氏は長い間待ち続けていた多くの記者に対するコメントは特になかった。家族の一人は「ここに来たのは王宮側から呼ばれたからだ」と言った。


実際のところこの日の昼に、マリジャン氏はジョグジャのクパティハンの知事公邸でスルタンに会っていた。スルタンは特別、あるいは機密の内容の事柄の話し合いはなかったと言った。
更に、そのマリジャン氏がやってきた目的は、その日の昼にクパティハンの役所に来たジョグジャカルタ特別州政府の公務員達と一緒だ、ということも加えて述べた。


「私たちはバントゥル県でジョグジャカルタ復興活動を展開する予定だ。そこで、ジョグジャカルタ特別州政府の公務員の他に、私はムラピ山の山守のマリジャン氏、それに、パランクスモ海岸の海守のタルウォノ氏を、一緒にバントゥル県に出発するために招いた」とスルタンは言った。


記者たちが質問したとき、マリジャン氏は終始無言だった。クパティハンにいる間、マリジャン氏は一人終始無言で、家族とも一言も喋らなかった。


スルタンに会う前、マリジャン氏の家族は椅子に座っていた。


あるマリジャン氏の家族の一人は、そのムラピ山守の王宮への訪問はスルタンの招待があったからだ、と述べた。ジョグジャカルタの王宮の一人の召使として、マリジャン氏はその招待を引き受けなければならなかった。


相互扶助
「先ほど、マリジャン氏は、ンガルソ・ダルムの一行と一緒に出発させてくれるようにお願いした。クパティハンに来る前に、私たちはまず始めに王宮に行った。しかし、ンガルソ・ダルムはすでに王宮から出発していた。私たちは一体何をしに来たのか」と家族の一人は言う。


ハメンク・ブウォノ10世はバントゥル県に出発する前に、地震の後のジョグジャカルタが復興するために、ジョグジャカルタ特別州が一つになるように全ての市民に呼びかけた。


種族、宗教、人種を問わず、すでにジョグジャカルタ市民の特徴となっている相互扶助の精神を加えた密接な団結は、強力な武器になり、それにより、ジョグジャカルタは将来様々な面でより発展することがきる。


知らせを受けた何人かの地元有力者は、スルタンとマリジャン氏の会見は大きな意味を持つと述べた。「その出来事は明らかに、やり方は違うかも知れないが、スルタンとマリジャン氏は常に一体であり続け、さらにジョグジャカルタを救うという同じ目標を持っているということを示している」とロイ・スルヨ氏は述べた。とても傷ついている今のような時こそ、ジョグジャカルタ全市民は状態をより良い状態にするべきだ、とも述べた。


(2006年6月23日、4年次・森本洪太、4年次・井村糸芳共訳)

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