アメリカ留学を通して経験したこと及び学んだこと

海外留学特別奨学金報告書

交換留学生のために開かれたイベントにあったフォトブースで撮った写真
氏名 梅森 由萌香
学部学科 外国語学部英語学科イングリッシュキャリア専攻
渡航先 ストーニーブルック大学(アメリカ)
渡航期間 2022年8月〜2023年5月

長期留学のきっかけ

私は中学の時から英語が“得意”でした。テストでいい点が取れるので楽しくて、高校の時には1週間だけでしたがフィリピンに語学研修にいき、そこで初めて自分が英語を全く話せないことに気づきました。日本では英語を話すことが日常的にまずなかったので、テストで点が取れるから話せると思いこんでいましたが、それは違うということを思い知り、何か違うことをしないと話せるようにならないことに気づきました。
その時は、大学では英語を勉強したいとすでに決めていた時だったので、このままでは大学で授業についていけないかもしれないという焦りと英語が話せたら楽しいだろうなというモチベーションで自分なりにインターネットに上がっている動画を見たり海外のドラマなどを英語字幕で見たりと工夫して勉強し始めました。気がついたら勉強ではなく趣味のような感覚で日常的に英語を使うようになり、それが楽しくなって英語がある程度伸びていました。
しかし、やっぱり友達と遊ぶときだけ、授業の時だけ少し英語を使うだけでは自分的に限界があるなと思ったのと、英語圏に行って過ごすといやでも英語が伸びそうだし、それに加えて異文化に触れられて視野が広がると思ったので長期留学がベストだと思い決意しました。アメリカを選んだのは単にアメリカ英語が好きだったのと、ニューヨーク州にストーニー・ブルックがあり、世界でいちばん有名な都市だというのもあり、感覚的にいちばん刺激があって楽しそうだと感じたのでそこにすることにしました。

留学に向けて

在学中に留学したいという気持ちは1年次からあったので、すぐに国際交流センターの前に置いてあったパンフレットをもらって、隅々まで読み、わからないことは質問するようにしていました。国際交流センターの方たちはみなさんとても親切で、その上に私の立場に立ってどの留学先が合いそうだとかを一緒に考えていただいたりしました。多分私が学生の中で一番滞在時間が長かったのではないかと思うぐらい通っていましたが、そのおかげでたくさんの情報を集められたので良かったと思います。そしてすぐにIELTSやTOEFLが必要ということがわかったので、グローバルコモンズにおいてあるIELTSの過去問を何度も解きました。グローバルコモンズのスタッフさんたちもすごくフレンドリーで、勉強の進み具合を聞いてくださったり、英会話の練習に付き合っていただいたりしたのでテストの準備はほぼ大学内で完結していました。IELTSは学内で開催されたもので6.0を取得して満足していたのですが、イギリスにもし行きたいとなった時のことを考えて夏休みに急遽東京でIELTS UKVIを受けました。それでは6.5にスコアが上がったので嬉しかったですし、最終的にイギリスを選びませんでしたが、ストーニーブルック大学への条件がIELTS6.5以上だったので夏休みに受けることにして本当に良かったと思いました。安いテストではないのでできるだけ早くから対策をして余裕を持ってテストを受けるのがベストだと思います。

アメリカでの生活

ストーニー・ブルックはNY州にありますが、NYといって想像するいわゆるNYCと電車で2時間離れているところに位置しています。平日は大体キャンパス内で過ごし、週末に気が向いたらNYCにLIRRという電車を使って行っていました。往復約30ドルするので安くはありませんが、行く価値はやはりあるところです。NYC内では地下鉄やバス(夜や早朝はUberを使った方が安全)があり、比較的歩いていろんなところに行けるエリアもあるので良かったです。逆にキャンパスにいるときは車を持っている友達にお願いするか、週末に出ているシャトルバスを使わなければどこにも行くことができないのが少し不便でした。
NYC
キャンパスの様子

学生寮

シャワー、トイレ、キッチン、ダイニングテーブル、ソファ、エアコン、冷蔵庫など生活に必要なものは基本全てありました。ウォーターフィルターや洗濯用洗剤(洗濯機と乾燥機は各階に2つずつある)などは、私はルームメイトとシェアをするなど、工夫していました。
留学中に住んでいた寮

食事

キッチンがあったので基本は週末に食材をまとめ買いして、自炊するようにしていました。時間がないときや、他のものが食べたいときはキャンパス内にあるお店や食堂なども利用しました。ミールプランも用意されているので料理が苦手な人はそれを上手に使っている人もたくさんいました。

留学先の授業

交換留学生はどの学部にも属さず、基本どの学部の授業も履修可能でした。私は英語で大学レベルの授業を受けるのが初めてだったので、自分の興味のある科目の入門科目を中心に履修登録をしました。京産で受けた授業の雰囲気とアメリカで受けた授業の違いは学生の参加度でした。アメリカではGPAを気にしている学生が日本の学生より多いからなのか、積極的に手を挙げて発言をすること、教授に質問を遠慮なくするところに最初は驚きましたし、少し萎縮しました。私は少し人見知りのところもあるのですが、一度いい友達ができたら授業に行くのが苦ではなくなり、心の支えにもなるなと感じました。とにかく授業中は異文化を肌で感じる機会が多くすごく刺激にもなりましたし、同じ世界にある国なのに日本とはこんなにも違うのだなと驚きました。現地の学生とも多少仲良くはなりましたが、私がいちばん友達を作ることができたのは留学生のために開かれている授業でした。やはりアメリカ国外から来ていて一人で留学しているとなると、お互い分かり合えることが多いからなのだと思います。私自身いろいろな国の友達ができてお話ができたのでとてもいい経験になりました。
私がいちばんためになったと思った授業は黒板を写すような授業ではなく、実際に手を動かす授業でした。演劇の授業と映画制作の授業がこれにあたるもので、授業の大半の時間はグループでディスカッションをしたり、作品制作を進めたりしていました。作業をしているときに教授に直接質問ができるので効率的ですし、学んだことがとても頭に入りやすい形の授業だなと感じました。
演劇の授業の最終プロジェクト

クラブ活動

アメリカの大学はクラブ、サークルの量がとてつもなく多いです。授業が始まって間もない時にクラブ活動の勧誘フェア的なものがキャンパス内であり、たまたま一人で歩いていたら“Japanese student organization”という日本の文化に興味がある人が入るクラブの人がチラシを配っていたので話を聞いて、入ることにしました。全員アジア系アメリカ人で、中には日本語を話せる人や、幼い頃にアメリカに引っ越してきた純日本人もいるクラブでした。クラブのグループチャットもあり、現地生が買い物に行きたい人に車を出してくれたり、普通にクラブ活動外でも仲良かったりと友達作りにはクラブに参加するのはいいことだと思いました。しかし振り返ってみると、趣味やスポーツのクラブを選ぶ方が興味を持って新しいことが学べたのかなと思ったりもしています。クラブ活動は複数入ることが可能なので、色々試している人もたくさんいました。

旅行

私は留学中にアメリカ内はボストン、ワシントンDC、LA、マイアミ、テキサスに行きました。行くところによって雰囲気が違っていて、NYCではあまり知らない人とは話しませんが、LAがスモールトークの連発でした。テキサスへはクリスマスに友人の家にステイするために行きました。友人の家族が私のことを家族の一員のように扱ってくれて、映画で見るようなキラキラしたクリスマスでした。留学の中でこれはいちばん心に残っている思い出の一つです。
友人宅でのクリスマス

留学の成果と今後について

今回の留学では語学力はもちろん、アメリカの人たちのものの考え方などを総合的に学べました。日本では直接的に発言すると失礼と取られてしまうことがあることでもアメリカでは逆にはっきり言わないと誰も汲み取ってくれないこと、嫌なことははっきり断らないとなんでもやってくれる人だと勘違いされたりすることなど、本当に日本の文化と真逆と言ってもいいのではないかと思うことばかりで精神的にも鍛えられたと思います。この経験のおかげで、これから国際的に人々と関わるときの自信になると思います。そのほかにも自分の気持ち、感情を面も出していい、周りに頼ることは弱いことではなく勇気のいるすごいことだということも学んだので、家族や友人と接する中でも積極的にお互い心の中を素直に打ち明けられる関係性を少しずつでいいので築いていこうと思えるきっかけにもなりました。また、一人でいろいろの場所に行って旅行をしたことから、日本の外に行くのはそこまでハードルの高いことでないこともわかりました。これからもっと自分の言ったことのないところに行くのが楽しみです。卒業後は、異文化の理解、語学など、自分が留学中に身につけたこと、アメリカと日本の文化の違いなどを世界の人に知ってもらえるような事業をしたいと思っています。4年次の秋学期、大学生最後ですがしっかり授業をこなし、学びを深めていこうと思います。
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