05
京都文化学研究科(通信教育課程)
京都文化学専攻
仕事をきっかけに院進へ。世界と京都のつながりを明らかにしたい。
瓜生 朋美
Tomomi Uriu
02
Shotaro Yamada
先端情報学研究科
先端情報学専攻 博士後期課程1年次
※掲載内容は令和5(2023)年10月現在
小学生くらいのころから、なんとなく今の研究テーマで活動したいと考えていました。というのも、ちょうどその頃、私の祖母が白内障の手術を受けたからです。当時から眼鏡やコンタクトといった視力矯正用の道具はありましたが、視覚障害を根本的に治療する方法はほとんどありませんでした。そうした経験から眼鏡に変わる道具を作るにはどうすればいいのかと考えるようになり、より専門的な知識を身に付けられる大学院に行ってみたいと考えるようになりました。
最も大きな決め手は、現在の指導教官の方のもとで博士号の取得を目指したいと考えたからです。研究者は研究室にこもって黙々と作業をするイメージがありますが、実際はむしろ、教員や研究員の方々、同年代の学生たちと協力して研究を進めることがほとんどです。その指導教官の方は常日頃から学生とのコミュニケーションを大切にされる方なので、研究者になる上で重要な振る舞い方や考え方を学べると感じ、配属を決意しました。
現在、世界には日常生活に支障が出るくらいの視覚障害を患っている人が2億5千万人ほどいると推定されています。そして、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの普及などから、今後も視覚障害者の人口は増加すると予想されています。しかし、触覚や聴覚などに比べると視覚に関係する神経細胞は脳内の様々な場所に様々な性質で存在しているため、義手や義足、補聴器などといった他の器具より技術開発や実証研究が難しいという課題があります。私はそうした問題を解決するために、「人工視覚」というテーマで研究を進めています。具体的には、自作した電極を使ってマウスの脳活動をどれくらい継続して観察できるかを確かめると同時に、得られたデータからどれくらい正確に視覚に関する情報を取り出せるのかを検証しています。将来的には、眼球のようなタイプや脳に埋め込むタイプの器具の開発、そしてそれらを活用した視覚障害の治療法の解明といった、新技術の開発に従事したいと考えています。
実は、私の研究テーマはあまり日本では研究されていません。ですので、博士号を取得した直後はより盛んに研究活動が行われている場所、特に海外の研究室や研究機関などへ留学に行きたいと考えています。そして将来的には日本に戻り、大学で教鞭を執りたいと考えています。というのも、私自身が人に何かを教えたり議論したりすることが好きなので、学生や他の教員の方々と協力しながら研究活動に専念できればと考えています。
基本的には朝から実験を行い、午後は実験の続きやデータ整理、調べ物などをしています。博士後期課程では授業を履修する必要がほとんどないので、その分、新しい機材の作成や論文の読解などに時間を使用しています。ただ、一つ一つの作業を完了するまで時間がかかることが多いので、ほとんど毎日、夜まで学校にいます。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
1時限 | 実験 | 実験 | 実験 | 実験 | 実験 |
2時限 | 実験 | 実験 | 実験 | 実験 | 実験 |
3時限 | 事務作業 | 事務作業 | 事務作業 | 事務作業 | 事務作業 |
4時限 | 機材開発 | 論文&教科書読み | 機材開発 | 論文&教科書読み | 勉強会 |
5時限 | 機材開発 | 論文&教科書読み | 機材開発 | 論文&教科書読み | ミーティング |
それ以降 | 論文&教科書読み | 論文&教科書読み | 論文&教科書読み | 論文&教科書読み | 論文&教科書読み |
平日は朝から夜まで学校で研究しています。また、週に1、2回ほど他研究室の学生と勉強会を開いて教科書や論文の読解をしています。休日にまとめて買い物を済ませています。