Pick upゼミナール

「知人のバッグを持ち帰った」 窃盗罪が成立する条件を考察

岡本 昌子 ゼミ

議論を積み重ね、ロジカルな思考力を身に付ける

刑食事法の中でも、特に刑法解釈学を学ぶゼミです。「人を死亡させた」「人の物を盗んだ」という行為も、状況やそれに対する評価の仕方で罪名は大きく変わります。授業では毎回1つのケースについて、ど のような罪名が成立するのかをグループで調べて発表します。
例えば、Aさんが自動販売機で飲み物を買っている隙に、自動販売機近くのテーブルに置かれたAさんのバッグを持ち帰れば窃盗罪ですが、Aさんがバッグを置いたまま別のフロアに行き、10分後に現れたBさんがテーブルの上のバッグを持ち帰ったケースならどうでしょうか。バッグの形態や置かれた状況はどうだったか。後で警察に届ける気持ちがあったか。
故意と過失の境界線も見定めなければなりません。刑法解釈学はロジックの積み重ねが最も色濃く出る学問の一つ。学生は議論を通して論理的な思考力と多面的な見方を実践の中で学びます。

学生自身の出身地の課題を掘り下げ、それらを解決する法政策を提案

焦 従勉 ゼミ

自ら問題を発見し、解決策を提示する

食品ロスや海洋プラスチック問題、あるいは地域限定の町おこしなど、昨今のメディアをにぎわす政策を研究するゼミです。
学びの柱としているのが「環境」と「地域」。特に盛り上がるのは、学生自身の出身地の身近な問題や政策を掘り下げるケースです。例えば、香川県は交通事故率が全国でも突出して高かったのですが、その改善策 を調査したり、大阪のヒートアイランド現象を防ぐための対策を分析したり、鳥取県倉吉市の町並み保存の政策を提案します。学生にとっては身近でありながら、「環境や地域をより良い未来につなぐ」という法政 策の原点を見つめ直す学びになるでしょう。法政策を考える上では、法律の解釈とは違い「自ら問題を発見し、解決策を提示する」という姿勢が不可欠です。このゼミでは日常の課題に目を凝らし、法律や政策を駆 使する力を身に付けていきます。

窃盗犯との通報あり。臨場した警察官は、 被害者宅前にいた男を現行犯逮捕できるか。

奥谷 千織 ゼミ

さまざまな角度から事件の問題点を検討する

ゼミでは、刑法と刑事訴訟法を取り扱います。どのような行為がどんな罪に当たるのかを定めた法律が「刑法」、犯罪と犯人を認定し、刑罰を科す手続きを定める法律が「刑事訴訟法」です。
ゼミは、毎週出題される課題について各自が事前に解答を作成し、質疑応答形式で進めていきます。例えば「アパートに1人暮らしの学生が帰宅したら、自室を物色中の見知らぬ男を発見。交番に走って通報し、警察官と一緒に戻ったら男は部屋の前にいた。この場合は、その場で現行犯逮捕することはできるか?」という課題。ゼミ生は「現場の状況」「被害者の証言」「被疑者の自白」など逮捕するために必要な条件を探り、また、きちんと法に基づいた逮捕であるかを、専門書や事例を参考に自分なりの答えを考察します。課題を繰り返すことで、事件の問題点を発見し、解答を導く力を身に付けます。

刑法ゼミの熱いバトル
「刑法討論会」

法学部の刑法をテーマとする4つのゼミ対抗で行われるイベント。事前に出題される架空の事件について、その行為がどのような罪に当たるのか、その根拠は何かを各ゼミの代表者がプレゼンテーションし、教員の審査と聴講者の投票によって優勝が決まります。例えば「Aが殺し屋に殺人を依頼したが、殺し屋が誤って別人を殺害してしまう。依頼者であるAと殺し屋はどんな罪に問われるか?」といった難問が出題され、会場では鋭い質問が飛び交う白熱のバトルが展開。教員のアドバイスなしに学生だけで準備を進めるため、苦労も多い分、大きな達成感を得られます。

舞鶴市が抱える問題を検証。 それらの具体的な解決策とは?

山田 啓二 ゼミ

地域の問題を実感して法政策に取り組む

ゼミのテーマは、現場から法政策を学ぶことです。2019年度は、本学と包括協定を結ぶ京都府舞鶴市を舞台に「子ども農山漁村体験プログラム」の開発を目的としたフィールドワークを実施しました。
これは、地方活性化の政策として中学生向け「教育旅行のモデルコース」を提案・実践するもので、国と連携して進めている事業の一環でもあります。人口減少の影響で整備できない荒れ地や大量のプラスチックごみで埋め尽くされた海岸など、学生が実際に現地を訪れ、舞鶴市が抱える問題を肌で感じ、課題を見つけ出します。現場から見えてくる少子高齢化や環境、エネルギー、歴史といったあらゆる問題と向き合い、解決策を考えながらモデルコースを組み立てていきます。
実感なき政策は意味を成しません。現場に触れて政策を組み立て、それが実行されるまでをゼミ活動を通して体験できます。

ゼミ同士で競い合う
「政策立案コンテスト」

毎年秋に開催される、学生団体「法学部ゼミ連絡ネット」主催による「政策立案コンテスト」。法律系・政治系・政策系にかかわらず全てのゼミが参加可能で、例年約20チームがエントリーします。テーマの制限はなく、学生自身がテーマを決定して政策提言を行います。例えば「放置自転車」という都市問題の解決方法を考える場合、条例を作るためには地方自治法の知識が不可欠で、さらに自転車の所有権に関しては民法、自転車事故の問題には刑法や保険制度への理解も必要です。コンテストへの参加と議論を通じて、法律知識の実践的な使い方を身に付けます。

社会保障法・ 労働法の 基礎研究

高畠 淳子 ゼミ

バランスの取れた問題解決能力を獲得する

毎年扱うテーマはさまざまですが、社会保障法と労働法の両方の視点から、働き方改革やLGBT問題、障害者雇用など、なるべくタイムリーな課題を取りあげるようにしています。ゼミの進め方は、まず文献を読み込んでしっかりと内容を理解し、必要があれば企業や行政の担当者などにお話を伺い、それを踏まえてグループで調査や議論を行って成果報告をする。社会保障法と労働法は普段あまり意識することはありませんが、社会に出れば必ず関わってくる身近な問題を扱う分野です。労働者と経営者、貧困層と富裕層、弱者と強者、双方の価値観を理解した上でバランスの取れた解決法を見いだせるような、偏りのない思考のできる人材を育てる場になればと考えています。

ゼミ同士で切磋琢磨
「政策立案コンテスト」

毎年秋にはゼミ代表の学生団体「法学部ゼミ連絡ネット」主催による「法学部政策立案コンテスト」が開催されます。法律系・政治系・政策系に関係なく全てのゼミが参加可能で、例年20 近いチームがエントリー。テーマについても制限はなく、学生自身がテーマを決定し政策提言を行います。例えば「放置自転車」という都市問題の解決方法を考える場合、条例を作るためには地方自治法の知識が欠かせず、さらに自転車の所有権に関しては民法、自転車事故の問題には刑法や保険制度への理解も必要となります。コンテストへの参加と議論を通じ、法律知識の実践的な使い方が身に付くイベントです。

消費者契約の視点から民法(契約法)を学ぶ

坂東 俊矢 ゼミ

リアルな“人”の視点から民法を考える

私のゼミではあくまで生活者(消費者)の目線にこだわって、民法に関する裁判例や理論、関連する立法などを勉強します。法律は合理的な判断をする人間を想定して作られていますが、実際には常に人が合理的な判断を下せるわけではありません。例えば未成年や高齢者のように、判断力が未熟であったり衰えている人たちもいます。そのために彼らは不利な契約で被害を受けることもあれば、違法行為を犯して責任を問われてしまう場合もあるでしょう。そういうときに民法はどんな役に立てるのか、実生活の中で普通の人が民法を活用していくためには何が必要なのか──?実社会に生きるリアルな“人”を想定して「普通の人の視点から民法を考えよう」というのがゼミのテーマです。

刑法ゼミの熱いバトル
「刑法討論会」

刑法討論会は法学部の刑法をテーマとする四つのゼミ対抗で行われるイベントです。事前に出題される架空の事件について、その行為がどのような罪にあたるのか、その根拠は何かを各ゼミの代表者がプレゼンし、教員の審査と聴講者の投票によって優勝が決まります。
例えば、「A が殺し屋に殺人を依頼したが、殺し屋が誤って別人を殺害してしまう。依頼者であるAと殺し屋はどんな罪に問われるか?」といった難問が出題され、会場では鋭い質問が飛び交う白熱のバトルが展開。教員のアドバイスなしに学生だけで準備を進めるため、苦労もありますが達成感もひとしおです。

社会安全学・警察学

浦中 千佳央 ゼミ

社会の安全・安心を実現するために防犯から食の安全までを多彩に研究

複数の学問領域を
横断するユニークな
研究手法

「社会安全」を安全・安心な社会を実現する学問と捉え、日常生活にまつわる事柄から国際テロやサイバー攻撃まで、幅広くその施策を考察します。研究にあたっては、複数の学問領域を横断します。例えば再犯防止の政策なら法学に加え、再犯率の高い犯罪を調査する統計学、社会情勢との関わりを検討する社会学、犯罪者の健康状態を知る公衆衛生学など、複数の要因が関係するからです。こうしてひとつの問題を巡り多様な知識を身につけながら問題の本質に迫ります。

警察・消防などの
公安職に高い就職実績

このゼミの大きな特色は、警察・消防をはじめとする公安職や一般公務員への就職に高い実績をあげていることです。公安職志望者は犯罪対策や防災・減災の研究成果を面接時のアピール材料にするとともに、入職後はその知識を活かして活躍しています。一方、民間企業を目指す学生も多く、食品の安全や化粧品の安全などのほか、時流を反映したフェイクニュース対策など、ゼミ生たちは自らの興味・関心と進路に応じた研究を自由に展開しています。

進路につながる知識に加え
人前で話す力も身につく

法律学科3年次 林 弘人さん

毎回、社会安全を題材にさまざまなテーマが取り上げられ、皆で議論するスタイルなので仲間の意見に教えられることも多く、視野が広がるのが魅力です。プレゼンテーションも重視されていて、定期的に個人発表とグループ発表が行われます。私が目指している消防官という職業に関係する犯罪防止や危機管理の知識が身につくことに加え、人前で話す力もこのゼミで鍛えられました。

被害者学・被害者政策

新 恵里 ゼミ

現代日本の喫緊の課題である被害者支援について学外活動などを通して実態を理解し、研究していく

被害者支援の
しくみについて
実際の事例を基に考察

犯罪被害者への救済制度といった社会的支援について学びます。この分野は社会的要請が高かったにもかかわらず、日本ではほかの先進国と比較して法的にも政策的にも整備が進んでいませんでした。その経緯を踏まえながら、現在の被害者支援に関する法制度・システムの問題点や課題、そして将来の被害者支援のあり方について、官民で行われている事例を題材に考察します。そのため刑務所見学やイベントへの参加といった、学外活動の機会が多いことも特長です。

加害者の「被害者性」にも
着目し「見えにくい」
社会課題に挑む

被害者支援では、「新たな被害者をつくらない」という観点から、「再犯防止」のための取り組みも必要となります。そこでは幼少時の被虐待経験など、加害者に潜む「被害者性」についても考慮しなければならず、これらを踏まえた加害者更生のしくみについても学びます。犯罪被害者への社会的支援は、現代日本が抱える「見えにくい」喫緊の課題のひとつです。警察官など公務員を志望する学生だけでなく、あらゆる学生に関心を持ってもらいたいと思います。

制度やしくみだけでなく
「心のケア」の重要性も実感

法律学科2年次 山口 茜梨沙

このゼミでは、被害者支援における「心のケア」も重視しています。例えば、恒例行事のひとつである「生命のメッセージ展」のボランティア活動では、事件の当事者に寄り添うだけではなく、被害者問題について深く考えることができました。また、刑事施設・少年施設に参観をし、専門的な知識を学ぶと同時に、刑事政策を考える上での大きな手助けになっています。

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