上野 達也

UENO TATSUYA
法学部 教授
学位
学士(法学)
専門分野
民法

研究テーマ

消費者法の展開が民法の体系にどのような影響を与えるのか?

高校生に向けた研究内容の紹介

大学に入学する際には多額の入学金や授業料を支払いますが、「実際に入学するわけでもなかった大学になぜこれほど多額のお金を払わなければならないのだろうか」と疑問に思った人もいるでしょう。実はこれは裁判でも争われた問題で、授業料(入学金は除く)を学生に返還するよう大学に命じる判決が出ています。その判決の根拠となっているのが、消費者契約法です。問題はここからです。皆さんは、すべて納得した上でお金を支払ったはずです。それなのになぜ、お金を返してもらえるのでしょうか?なぜ、約束したことを守らなくてもよいのでしょうか?私は、この「なぜ」を明らかにすること、そしてそれが法体系においてどのように位置づけられるのかを明らかにすることを目的として研究活動を行っています。

ゼミナール/研究室のテーマ

民法の思考様式

自分の身の回りで「これはおかしいのではないか」と感じた問題について、法的に分析した報告を行います。報告担当者は事前に教員のチェックを踏まえたレジュメを作成し、報告後は他の参加者の質疑応答に対応するという形式でゼミを運営します。

ゼミ/卒業研究の紹介

私のゼミでは、教員が受講生の方達に対して「これをしろ」ということは特には言いません。民法という法律は、我々の日常生活の様々な場面において関係する最も身近な法律ですので、その法律に関心があって集まる受講生の方達の関心も千差万別です。様々な関心を持った方達が集まるこのゼミという場をどのように利用するか?これを集まった受講生の方達自身に決めてもらいます。受講生の方達が持つ関心が民法とどのように関わるのか、という点について私からサポートしつつ、受講生の方達が主体的にゼミを動かしていく、というのが理想です。

プロフィール

親が金融機関勤めだったため、4~5年ごとに引っ越していました。生まれは愛媛県で、埼玉県、鹿児島県、石川県と引っ越し、大学で京都に来て以来、現在まで京都に住み続けています。ですので、「どこが地元か?」と聞かれてもいまいちピンときませんし、残念ながらどこの方言もしゃべれません。引っ越す度に様々なカルチャーショックを受けてきましたが、そのおかげでいろいろなことを「面白がれる」ようになりました。
最も好きなテレビ番組は「水曜どうでしょう」です。「面白がる」ことの究極がこの番組ですね。

高校生へのメッセージ

大学で皆さんに実行して欲しいのは、「自分の世界を広げる」ことです。京都産業大学には、様々な地域から、様々な考え方を持った人達が集まっています。同じ高校出身の人たちだけで集まるとか、同じ趣味を持った人たちだけで集まる、というのは非常にもったいないです。自分とはまったく違う世界の人、自分とはまったく考え方の違う人と交流することで、それまで自分の見えていた世界がどれほど狭いものであったか、自分の見えていなかった世界がどれほど広いものであったか、ということを実感して欲しいです。