
木村 成介
- 学位
- 博士(理学)
- 専門分野
- 植物生態進化発生学
研究テーマ
高校生に向けた研究内容の紹介
自然界にはいろいろな形をした植物が生育しています。葉っぱひとつをとってみても、丸いものからギザギザのものまで様々です。移動することができない植物は、周囲の環境に適応するために多様な形に進化してきたと考えられます。私たちは、植物の葉の形に着目し、植物と環境の関係を明らかにしようとしています。特に、水草や水陸両生植物が環境によって葉の形を自在に変えるしくみ(異形葉性)について、最新技術を駆使して研究しています。
最新機器を用いて植物の形が持つ多様性の神秘に迫る
植物の葉の形に注目した研究を進めています。たとえば、生育環境に応じて葉の形が変化する植物「ロリッパ」。陸上では効率良く光合成を行うために丸い葉が、水中では水の抵抗を弱めるために針状の形の葉が発生します。このような変化には、DNAのはたらきが関係しています。研究室では、今まで10年以上かかっていたDNA解析をたった2、3日で遂行する「次世代シーケンサー」などを用いて実験を進め、変化が生まれる原因を追究。植物の品種改良などにつながる研究を進めています。研究過程においては企業や他大学と連携をとる機会も多く、実社会ではどのような能力が求められるのかを肌で学ぶことができます。生命科学の専門知識とともに社会への意識を育むことで、研究職や教育現場など、あらゆるステージで活躍できる人材を育成します。
環境によって姿を変えるロリッパの葉
(左)空気中25°C、(中央)空気中20°C、(右)水中
ゼミナール/研究室のテーマ
植物と環境の関係についての研究/ サイエンスコミュニケーション・理科教育
移動することができない植物は、環境の変化を機敏に感じ 取り応答します。環境変化で葉の形を変える植物などに着 目して、植物と環境の関係について研究しています。また、科 学の楽しさを伝えるサイエンスコミュニケーションや、理科 教育についての研究や実践も行っています。
ゼミ/卒業研究の紹介
特別研究では、一人一人が独立した研究テーマに取り組んで卒業論文を執筆し、また、卒業研究発表会で論文の内容を発表します。研究テーマは多岐にわたっていて、扱う植物も多種多様ですが、すべて植物の形や環境に関わるテーマです。1年半かけて研究に取り組むことで、生命科学の専門性を高めるだけでなく、課題を発見し解決する力を養います。