警察法第53条の2第2項に基づき、警察署の業務運営に民意を反映させるための「警察署協議会」の委員に、本学法学部 服部 達也 教授のゼミ生である、法律学科 社会安全コース3年次生の村山 凛(むらやま りん)さんが数少ない大学生層からの委員に任命されました。

これは本学としても大変名誉な事であり、村山さんには今後大学生として、また若年女性という立場・目線から協議会委員の活動に参画してもらい、あるべき警察の姿などについての提言を積極的に行ってもらうことを期待します。
1. 「警察署協議会委員」とは
警察署協議会は、平成11年から12年にかけて警察の不祥事が続発したことを受けて、国民の信頼を回復するために国家公安委員会と警察庁が策定した「警察改革要綱」に基づき発足したものです。
各警察署ごとに警察署長が、警察署の業務運営に民意を反映させるため、住民の代表から意見を聴取するとともに、警察署の業務運営についての相互理解を深めることを目的とするもので管轄区域内の住民の中から、社会的属性等を考慮して委員の委嘱上申を警察署長が行い、各都道府県の公安委員会が委嘱します。
委員は、非常勤特別職の地方公務員となり、任期は2年です。
京都府警察では本年度、合計269名の委員が委嘱されましたが、そのうち大学生は12名(男子5名、女子7名)であり、本学からは村山さんのみが任命されています。
村山さんは北警察署担当の協議会委員11名の中で最年少で、かつ唯一の大学生層から任命された委員となります。

2. 本学法学部生の村山さんが選ばれた意義
北警察署松居寛署長は、「警察署協議会が警察業務に関する諮問機関としての所期の機能を発揮してもらい、この制度が奏功していくためには各年齢層や職業層から幅広く委員を選出することが重要。」と語っておられ、また、同署 上田 幸則 副署長は「警察の考え方はややもすると偏りがちになるおそれがあるので、村山さんのような若い学生さんから、『こういう考え方もあるのか。』と我々警察官が気付くきっかけとなるような意見を示してもらうことを期待している。」と述べられるなど、協議会委員としての村山さんの存在と今後の活動に対して大いに期待されていることが伺えました。
それとともに、同署 竹内 範男 警務課長からは「北警察署管内には、京都産業大学・立命館大学・佛教大学・大谷大学の4つの大学があるため、北区住民には大学生も多いので、村山さんには北区在住の大学生の代表としての立場からの斬新な提言をいただくとともに、大学生が自転車盗等の被害に遭うことも少なからずあることから、協議会委員として体得した知見に基づいて、大学生の防犯意識の向上等に寄与してもらえるような発信、フィードバックを大学のゼミ等で行ってもらえたらありがたい」というお言葉もいただきました。
3.今後の村山さんの活動に期待すること
村山さんは今回の警察署協議会委員の委嘱を受けたことについて、「今回このような役職に就かせていただけることに感謝しております。北区の住民であり、大学生として、市民の声を丁寧に伝えるとともに、警察の活動についても多くの方に理解してもらえるように努めていきたいと考えております。市民と警察との橋渡し役として、双方の円滑な連携に貢献できるよう誠実に、そして前向きに取り組んでいきます。」と、その意気込みと決意を示しています。
そして、村山さんは現在、法学部法律学科社会安全コースに所属する学生として、服部教授のゼミや社会安全フィールドリサーチ服部クラスで、「犯罪者・非行少年の再犯・再非行防止のための社会復帰支援の在り方」を学ぶとともに、そのためのフィールドワークにも積極的に参加していることから、今後の警察署協議会委員としての活動におかれても是非、その視点からの提言も行ってもらうように本学法学部としても多いに期待するところです。
非常勤特別職の地方公務員としての活動と学業との両立も大変でしょうが、この栄誉ある業務に本学学生の代表として頑張って取り組んでいってもらいたいと思います。