【理学部】数理科学科の重川 一郎 教授ならびに志賀 啓成 教授による最終講義開催
2024.02.26
2024年2月7日(水)に二人の退職を記念し、「数理科学科談話会 重川 一郎 教授ならびに志賀 啓成 教授 最終講義」を開催しました。
「これまでの研究を振り返って — 確率論とともに」重川 教授
重川 教授は「これまでの研究を振り返って — 確率論とともに」という題目で最終講義を行いました。
はじめに、専門である確率論の中で自身が長く携わられたテーマであるMalliavin解析や対数Sobolev不等式等の無限次元空間上の解析について、図を交えつつ丁寧に解説しました。
さらにこれまでの研究活動を振り返り、Paul Malliavin先生やLeonard Gross先生等の研究者の方々との個人的な交流や、かつて参加されたシンポジウムの様子を、当時の写真とともに回想されました。
最後に、重川 教授が近年精力的に研究されている1次元拡散過程についての話がありました。
「1次元の対象は高次元の対象と比較すると徹底的に調べ尽くされていますが、まだ研究したいことが多くあります」と今後の自身の研究活動についての話をされ、最終講義の結びとされました。
「5年間を振り返って」志賀 教授
続いて、志賀 教授は「5年間を振り返って」という題目で最終講義を行いました。
最終講義の前半では、着任時よりの本学の印象や、取り組まれた教育について話がありました。
特にコロナ禍における学生指導にあたりどのように配慮されたかについて、実際のゼミの模様を映像を交えつつ紹介され、参加者は志賀教授の教育に対する熱意の大きさに感銘を受けていました。
一方で最終講義の後半は、着任以降進められたCantor集合のモジュライ空間の研究について話がありました。
志賀 教授は一般化Cantor集合といわれる概念を図を用いつつ紹介し、そのモジュライ空間の性質を専門である複素解析学の観点より丁寧に解説しました。最後に、一般化Cantor集合のモジュライ空間の測度に関して最近得られた結果ならびに予想をそれぞれ紹介し、最終講義の結びとされました。
重川 教授、志賀 教授の末永いご多幸を心よりお祈りします。