ピックアップ特別研究

数理科学科

数学における重要な研究対象であるゼータ関数
学ぶほどに増していく研究意欲を実感

気がつくと数字と方程式がびっしり並んでいる愛用のノート
ゼータ関数の研究を通して自分自身も成長を続けていける

高校時代、テレビ番組を通して知った「リーマン予想」。そこに関係するゼータ関数に対し、数学の奥深さのようなものを感じたことが、ゼータ関数の研究に取組むきっかけとなりました。現在は専門書などを読みながら学んでいますが、すぐには理解できず、数週間悩むこともあります。ですが、一つひとつの定義を吟味し、考え抜いてようやく理解できたときに、学力の向上と研究を続ける喜びを実感できます。研究内容について発表・討論する機会が多いことも、学力の向上と、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の向上に役立っています。学外での発表・討論活動では「研究集会」が刺激的でした。京都産業大学で開催されることもある、全国のゼータ関数の研究者が集まる会です。発表内容の学力水準は大学院生以上といわれていますが、理解できればその分自分の自信につながりますし、わからないところは後で調べるようにしています。大学院に進む予定の私にとって、貴重な人脈を広げる機会にもなりました。将来は高校の数学教員になり、研究活動で身につけた力を教育現場に還元していきたいと思います。

数理科学科  4年次
山村 奎太さん
※掲載内容は取材当時のものです。

3次元空間内にある輪「結び目」。その豊かな現象に思考を巡らせる

見た目は異なる形状だが、「ほどける」点で一致している不思議
「ほどける」か「ほどけないか」で分類

私が初めて「結び目理論」を知ったのは、3年次の研究室紹介の時でした。暮らしに身近な結び目が数学に通じていることに興味をそそられたのを憶えています。ここでいう結び目とは3次元空間内に存在する輪の形であり、切らずに曲げたり伸ばしたりして形を変えた結び目は、見た目が違っても「同値の結び目」と呼びます。それらは輪ゴムのように単純な形に変形可能な点で共通しており、「ほどける」結び目と呼ぶこともできます。一方「ほどけない」結び目も存在し、それがほどけないことを明らかにするために用いるのが「結び目不変量」です。結び目が形を変えても変わらない量を表し、例えば結び目Aをカットすることなく、まったく別の形をした結び目Bに変形できるなら、AとBの結び目不変量は同じということになります。

所属している研究室の山田修司教授からアドバイスをいただき、研究に深みが増す
平面を立体的に捉えようとする面白さ

結び目理論は近年、さまざまな分野への応用が期待されています。例えばらせん構造を持つDNAの中には、1本の紐とみなすことで結び目になるものがありますし、宇宙を三次元の曲がった空間とみなすことで、「宇宙の形」を説明できるかもしれません。公式から解答を導くだけの数学があまり好きではない私にとって、平面に描かれた結び目を立体的に捉えようと知恵を働かせるこの研究はとても楽しいものです。研究活動はテキストを読み進めていき、理解した内容を先生や他の学生に講義する形式です。途中式をはじめ簡略化されている部分まで推測して理解することで、物事をさまざまな視点から解明する力が身につきます。また数学が得意ではない人にも理解できる解説を心がけることで、プレゼンテーション能力が向上している実感もあります。

数理科学科 4年次
末永 瑞希さん
※掲載内容は取材当時のものです。

物理科学科

グラフェン積層系のエネルギーにおける魔法角の研究

蔵書が豊富で検索しやすい図書館は、研究活動の頼もしい味方。開放感あふれる明るい雰囲気もお気に入り
回転角度で変化するモアレパターンとエネルギーの落ち込みとの相関関係を探る
グラフェンという炭素原子の結合したシートを2枚重ね、回転させると分子間相互作用エネルギーが生じます。その回転角度とエネルギーの変化をグラフに表すと、エネルギーの落ち込みが周期的に観察できます。その時の角度は魔法角と呼ばれ、私の研究ではそれがなぜ起こるのかについて考えています。
一方、シート表面にはモアレと呼ばれる模様が現れ、回転角度によってさまざまなパターンが生じます。私は魔法角と、魔法角が出る際のモアレパターンとの相関を探ることから原因究明に取組んでおり、それがわかればグラフェンという素材の特性も明らかになり、産業界の発展に貢献できるのではないかと考えています。

物理科学科 4年次
作田 真央さん
※掲載内容は取材当時のものです。

Dynamical Matrixによるフォノン分散の理論計算

ダイナミカル・マトリックスという計算方法では、パソコンや電卓ではなく、「手」と「頭」をフル回転させる
量子力学による物理計算に取組み次世代技術への可能性を追究する
量子力学を用いて物理計算を行う理論物理学に興味があり、この研究室を選びました。内定先は産業分野の調査や分析を行う企業であるため、入社後はさまざまなシミュレーション業務に取組む必要があります。現在取組んでいるダイナミカル・マトリックスという手法を用いた原子の振動計算は、就職後の業務にも役立つ研究です。計算量が多く大変な作業ですが、この研究を通して計算能力の向上はもちろん、パソコンのプログラミング技術や、ミスを発見し原因を究明するスキルを身につけられました。不明点についても先生が親身になって教えてくださり、いい環境で研究生活を送れたと感じています。

物理科学科 4年次
熊 貴志さん
※掲載内容は取材当時のものです。

宇宙物理・気象学科

惑星における大気及び気象現象の観測研究

プログラミングでは、1つひとつのコマンドにどのような意味が込められているのかを理解することが大切
地球以外で活発な火山活動が観測される天体、衛星イオのSO2大気の量を求める
授業をきっかけに惑星の気象に興味を持った私は、木星の衛星イオにおける大気の研究に取組んでいます。火山活動が盛んなイオには二酸化硫黄(SO2)を主成分とする薄い大気が存在することが知られていましたが、その存在量についてはっきりとしたことは分かっていませんでした。そこで私はイオの分光観測データを使い、イオの大気の供給と消失のプロセスを探究。観測データの中にSO2のシグナルが含まれていることを確認したのです。微弱なイオの大気のシグナルを適切に探し出すのに苦心しましたが、求めていた情報を得た達成感は大きく、プログラミングの技術と粘り強く挑み続ける能力も身につきました。

物理科学科 4年次
上仲 裕美さん
※掲載内容は取材当時のものです。

近赤外線高分散分光器「WINERED」の遮光対策

観測の精度を高めるため遮光対策を試みた近赤外線高分散分光器「WINERED」
天体観測に役立つモノづくりに挑み将来の夢、宇宙開発にむすびつける
天文学に関心がある一方、モノづくりにも興味を持つ私にとって、天体の観測研究と観測装置の開発を主たる研究テーマとするこの研究室は、まさに私の理想そのものでした。現在取組んでいるのは、銀河の成り立ちや宇宙の元素の起源に迫ることができる近赤外線高分散分光器「WINERED」の遮光対策。外部からの目に見えないほどのわずかな光の流入も防ぐことで、より暗い天体を観測できるようになります。研究室の先生や天文台の研究員からアドバイスを受け、設計から部品の発注、組み立てまで自ら取組みました。将来はロケットや人工衛星の開発に携わり、宇宙開発に貢献したいと考えています。

物理科学科 4年次
村井 太一さん
※掲載内容は取材当時のものです。
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