4年次・久禮郁子体験記

バンドゥン・インドネシア教育大学留学中、4年次・久禮郁子体験記

ジョグジャカルタ地震発生時、日本とインドネシアの報道はほぼ同時で、私は日本からの電話によって知りました。一人暮らしの大学生で、常に新聞を購読している人は少なく、時間的にもテレビを見ていた人は少なかった為、私の周りでそのニュースが広まったのはわりと遅かったように思います。


午後には大学のキャンパス内や道路で募金活動が始まりました。マラムミング(土曜日の夜)である6月3日の夜には、ジャラン・ダゴ等の大通りを中心に大規模な募金活動が行われました。


しかし、現在のバンドゥンの状況を目の当たりにしていると、いくつか問題点もあるように思われます。たとえば、集められたお金の使われ方です。もちろん正当なやりかたで募金活動を行っている人が大半ですが、普段のマラムミングにも現れる小遣い稼ぎの pengamen(歌を歌ってお金を乞う人達)の一環で、ジョグジャの名を使いお金を集めている人もいるようです。そのため、正当な募金をも疑ってしまい、募金をしたがらない人達もいます。


また、募金活動を行っている人の大半が高校生、あるいは大学生なので、やっているうちに本来の目的を忘れ、遊び半分になり、その結果大規模な交通渋滞を巻き起こしたり、恐喝まがいに募金を迫ったりと、往来の人々を困らせているのも事実です。


今回私は、中心になって募金活動を行っていた、バンドゥンで現在人気ナンバーワンのラジオ局である99ers で、PR 担当者にインタビューを行いました。内容の要約は以下のとおりです。


  • いつ活動の計画を行いましたか?→ニュースを聞いてすぐに。
  • 誰が計画しましたか?→99ers のスタッフ全員です。
  • 具体的にどんな活動を行いましたか?→99ers&FRIENDS From Bandung with love ‐charity for central jawa‐という名称で夜7時から11時までジャラン・ダゴ等で募金活動を行いました。昼は学校等を回り、募金活動を行いました。休日はモールでチャリティコンサートを行い、募金を募りました。募金の方法は、99ers オリジナルピンバッチの販売で、その売り上げはすべてジョグジャへの募金となります。
  • 集められたお金はどのようにして送られますか?→新聞社・ピキランラキャットを通して、救援物資の形で各避難所へ送られます。
  • 誰に直接お金を渡しますか?→ピキランラキャットの現地(ジョグジャ)支部です。
  • いつまで活動を続けますか?→6月11日までです。
  • 活動を終えた今の気持ちは?→満足しています。活動は成功しました。ジョグジャカルタの仲間たちのお手伝いが出来たと思うととても嬉しいです。

99ers のスタッフは、自分の担当している番組やイベントの合間合間に休む間も惜しみ活動を行っていました。私が同行していたときも、彼らの思いや努力が通じ、たくさんの人が募金を行っていました。現在も街中やキャンパスでよく99ers のピンバッチを見かけます。ワールドカップブームに押されがちではありますが、バンドゥンの人々にもジョグジャ地震のことを忘れずにいてほしいと思います。

PAGE TOP