【理学部】高エネルギー加速器研究機構(KEK)主催の第17回「サマーチャレンジ2023」に参加した理学部生にインタビュー

2023.11.24

今回は、2023年8月18日(金)〜26日(土)開催の第17回「大学生・高専生のための素粒子・原子核スクール サマーチャレンジ」に参加した理学部3年次生、物理科学科の恒光 凜花さんと宇宙物理・気象学科の中野 瑛理香さんのインタビュー報告です。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)が主催する「サマーチャレンジ」は、基礎科学を担う若手を育てることを目的に、主として大学3年次生を対象に実施される体験型スクールです。夏休み期間に第一線で活躍する研究者による講義とスクール形式の実験・演習プログラムが用意されています。

恒光さんの実習テーマは「霧箱で素粒子を測る」でした。霧箱は電気を帯びた素粒子が通過した跡を目で見てわかるようにした検出器です。林式霧箱を作成しそれを用いて実験と観測、解析を行いました。最後には、飛跡のデータを解析した結果をまとめて全体発表会で発表という流れでした(写真1と写真2)。

写真1 霧箱の装置
写真2 自然放射線の飛跡がたくさん見える様子
中野さんの実習テーマは「原子核からのガンマ線を計測して核スピンを調べよう」でした。放射線源60Cを用いてガンマ線を計測して、原子核における励起状態のエネルギーと核スピンを決定しようという実験でした(写真3と写真4)。
写真3 実験装置の設定をしている様子
写真4 ガンマ線の測定装置

Q. スクールで印象深かったことは何ですか?
学生実験とは違い、装置の組み立てから始まり、グループの学生同士で議論し合い一つの答えを生み出すことの大変さと、これまで学んできた知識をぶつけ合える楽しさを実感できました。

Q. 実験は難しかったですか?
実験装置の組み立てや、観察やデータ収集方法自体は簡単でした。でも、データ収集や結果の科学的な理解が難しく、最後に発表をしたのですが、それまでに仕上げる作業が、見合った結果を些細なことまで目を光らせて探したことが大変でした。でも、その苦労がとても楽しかったです。

Q. スクールを終えてどんな感想を持ちましたか?
他大学の学生と関わり合えたことが一番新鮮でした。それぞれの得意分野で作業を分担したり、自分を客観視することにもつながりました。また、自分の将来を見据えるきっかけにもなりました。新しいことへの挑戦には勇気も必要で、いろいろな不安がありましたが、得られたものはとても大きかったように思います。このサマーチャレンジに参加して心の底から良かったと思える9日間でした。

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