2015年 第3回 ファシリテーションLabo.

ファシリテータマインドの根っこに触れる -どんな心がまえが必要か?-



日時 2015年11月4日(水)13:30~16:30
場所 4H演習室(4号館3階)
参加者 11名

紅葉の季節を迎え、赤や黄色のイロトリドリな世界を横目に私は、4号館4H演習室へ向かった。会場は教卓を中心に右側は3人掛けの長机が横・縦ともに3列と全部で9個並べられていた。左側はいつものようにスクリーンを中心に椅子が置かれていた。開始5分前ころから参加者が集い、定刻の13時30分となった。参加者がいつもより少なかった為、5分ほど集まりを待った。本日は2名、飛び入り参加することとなった。2名から簡単な自己紹介がされ、2名とも学生ファシリテータをしているとのことであった。鈴木さんからファシラボの実践編でもある合宿についての案内がされた。そして、いつも通り本日の流れや前回のおさらいを伝えられた。本日は、「ファシリテータマインドの根っこに触れる~必要な心がまえは何か?~」というテーマであった。
大谷さんに進行役がバトンタッチされ初めに行ったワークはニックネームを覚えるゲームであった。ボールを使うゲームで、ボールを持っている人が相手のニックネームを呼び、呼ばれた人は「はい」と返事をする。そして、ボールをその人に投げるというゲームだ。テンポよくボールを回していくのが難しい。開始前に全員で大きな円をつくり一人ずつ自己紹介を行った。自分の名前とニックネーム、なぜそのニックネームになったのかを紹介した。私も自己紹介をしたが、何故自分が「ふわりちゃん」というニックネームになったのか思い出すのに少し時間がかかった。2週間前の第2回目でニックネームを決めたので、日にちが空いたことを言い訳にしたいが、ただ単に自分の記憶力が悪いせいだと思う。全員自己紹介を終えたところでゲームを開始した。
初めはルールに慣れるのと、本人とニックネームとが一致するのに時間が掛りスローペースであったが、みんな慣れてきてボールがテンポ良く宙を舞うようになった。と思ったら、ボールが増え1つ目のボールを追うように2つ目のボールを回すルールが追加された。気がつけば3つのボールでゲームを行っていた。私はテンポを崩さないようにすることとみんなに均等にボールが回るように意識してゲームをしていたが、3つボールがあると余裕がなくなりアワアワとなった。私もみんなも初めは固い表情であったが、要領をつかんでニックネームも覚え、自然と笑顔が増えていた様に見えた。追いかけてボールを回していたが、自由にボールを回すルールとなった。そうすると一人の人にボールが集中したり全てのボールの位置を把握しきれず突然目の前にボールがやってきたり、相手が「はい」と返事してから投げるものの大変なことになっていた。私も3つのボールが全て集まってきて驚きを隠せなかった。20分間ボールを夢中に追いかけ、私のところに全てボールが集まり、タイミング良くゲーム終了となった。ここで、この日飛び入り参加した学生からの提案で、急遽違うニックネーム覚えゲームを行うことになった。全員で輪になってお互いの名前を覚えるゲーム「ネームチェーン」の進化版とのことで、「自分のニックネームを言い、左右隣にいる人のニックネームも言う。」ということを時計回りの順にまわしていくというシンプルなゲームであった。ポイントとしては、これを2回行い、1回目よりも2回目のタイムを縮めることだ。実際1回やってみると、39秒となった。2回目の前に作戦タイムを取り、タイムを縮めるために対策を考え、自分達で目標も決めた。目標は20秒という挑戦的なタイムとし、対策はニックネームの後の「さん」や「ちゃん」を言わないこと。隣の人が終わったらかぶせるように次の人が始めること。などとした。2回目の結果は20秒。見事目標達成でき、みんなで喜びを共有した。ここで、鈴木さんから提案があり、冒頭のワークのふりかえりを行った。隣同士ペアとなり、ワークの感想を共有し、どんな感想が出たか全員でも共有しました。「目標に向かって団結力が高まった」、「単語を覚えるみたいで嫌だったが、楽しかった。また、1つ目のボールを使ったゲームだと遠くへ投げようとして両隣のニックネームは覚えることが出来なかったが、2つ目のゲームで両隣の人のニックネームも覚えられたので良かった」などの感想が出された。個人的には、目標や対策を全員で考え共有したので全員の意識が一致し、目標達成に繋がったのではないかと思った。

ケース分析ワークの流れ

14時30分となり、進行は鈴木さんへと代わった。「ファシリテーションはどんな場面で働くか?」を具体的にイメージするために「ケース分析・エピソードを聞く」というワークを行った。最初に、第2回目講座で「対話がうまくいった場面、あるいは、うまくいかなかった場面」についてグループワークをした際に作成した模造紙がホワイトボードに張り出された。全員で模造紙の前に集まり、何点かのケースについて、どのような状況で、どのようにして対話が起こったのかが紹介された。その後、グループに分かれる為に3つのケースが紹介された。【①大学・授業②部活・サークル③その他】自分が話したいケースのところへいきグループを作った。バランスよく1グループ4~5名と分かれた。私は、ケースが思いつかなかったが、現在は①・②のケースを体験する機会はないので消去法で③その他のグループを選んだ。私たちのグループでは、飲み会や喫煙所といった場を取り上げ20分程度分析を行った。お酒やたばこなどのアイテムがキーワードとなり、物がきっかけで会話につながることが分かった。また、飲み会はコミュニケーションの場であったり、喫煙所は休憩の場なので時間に余裕がある人が自然と集まり深い話が出来るのではないかと意見が出た。15分の休憩をはさみグループで話したことを全体で共有をした。【①大学・授業】グループでは、グループワークを行う授業のケースについて話された。対話が起こる原因として、アイスブレイクで雰囲気が良くなった、積極性の高いメンバーが集まった、最終目標としてプレゼンテーションがありメンバー全員の目標が明確であった、学生アシスタントの関わりが影響した等があげられていた。【②部活・サークル】グループでは、履修相談の時と1ヶ月後に部活に行った時の部員の態度が全く違い嫌な気持ちになり、違う部活に入部した話であった。入部した別の部活では先輩たちが個人に合わせた指導をしてくれ安心できる場であったとのことだった。【③その他】私たちのグループは、飲み会・喫煙所ではお酒やたばこなどの物が会話のきっかけとなり、また本音が話しやすい場である。その場にいる人は相手への配慮が肝心であると共有された。全員での共有後、鬼塚先生が「ファシリテーションに必要な心がまえ」について15分ほどミニレクチャーを行われた。グループ活動においては、実習をただこなすのではなく、その後にメンバー全員でじっくりふりかえることにで、より多くの学びを得ることができること。そして、ふりかえる際には、話し合った内容や行った作業(コンテント)を単純にふりかえるだけでなく、その場で起こっていた個人やグループメンバーの気持ちや考えの変化、相互作用のあり方等(プロセス)を各々が言葉にして分かち合うことで、より深い学びを得ることができると言うことがいくつかの理論モデルとともに示された。先ほど行ったケース分析がまさにプロセスをふりかえるワークであることに私は気づいた。プロセスをふりかえることは成長には必要であるとのことだが、実際ワークを行ってみてプロセスに視点を置く訓練をしないと難しいことだと思った。また、ミニレクチャーでは人と一緒に活動する時に抱える不安や心配事など、自己防衛を生み出す【4つの懸念】や【自己防衛を高める/低める6つの態度】について学んだ。自己防衛の度合いが高いほど、コミュニケーションの効率が悪くなるため、心がまえとして意識する必要があるとのことであった。私自身プロセスを意識する習慣が身についていないが、ふりかえることで成長に繋がることを知り、とてもその必要性を感じた。
ミニレクチャーであった話は下図のスライド資料通り。

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