【理学部】理学部物理科学科の卒業研究の結果を日本物理学会で口頭発表しました

2024.04.16

理学部物理科学科では、4年生の卒業研究として専門分野の研究に取り組んでいます。2023年度のハドロン物理学特別研究の研究結果について、4年生の西 京太郎さんが日本物理学会で口頭発表しました。

2023年度のハドロン物理学特別研究では暗黒物質の候補であるステライルニュートリノ探査実験を進めてきました。茨城県J-PARCの陽子加速器を用いてニュートリノを生成し、短距離でニュートリノが振動する現象を探査します。陽子ビームから生成されるニュートリノの量を得るための欧州CERNでの NA61 実験で用いる陽子識別用検出器を開発し、兵庫県スプリングエイトで性能評価を行いました。研究に必要な性能を十分に満たしていることを確認でき、日本物理学会の2024年春季大会で4年生の西 京太郎さんが「NA61低運動量ビームのための陽子・K中間子識別用チェレンコフ検出器の開発」というタイトルで口頭発表しました。

西さんからのコメント

同じ分野の多くの研究者の前で研究成果を報告し、議論する機会は非常に貴重で有意義でした。学会発表することが研究のモチベーションにも繋がるので、また発表することを目標の一つにして、研究に取り組みたいと思います。

用語解説

  • ステライルニュートリノ…既知の3つのニュートリノとは異なる新種のニュートリノ。暗黒物質候補でもある。
  • ハドロン…素粒子の一種であるクォークが結びついてできた粒子。
  • J-PARC加速器…J-PARC(ジェイパーク)は茨城県東海村にある陽子加速器施設です。さまざまな素粒子・原子核実験がおこなわれており、ステライルニュートリノ探査実験(JSNS2)もその一つです。
  • CERN…スイスとフランスの国境にある加速器施設です。
  • SPring-8加速器…SPring-8(スプリングエイト)は兵庫県西播磨にある電子加速器施設です。ここでは原子核、ハドロンやクォークの研究をおこなっています。
開発した陽子識別用検出器を説明する発表スライド
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