【理学部】数理科学科 談話会を開催しました

2023.12.15

2023年12月6日(水)に「数理科学科 学生向け談話会」を開催しました。
今回の談話会は、日本生命保険相互会社より上田 陽平氏を招き、「アクチュアリーと確率論」というタイトルで講演いただきました。アクチュアリーとは確率や統計の手法を基礎として、保険や年金、企業のリスクマネジメント等のさまざまな分野で活躍する数理業務のプロフェッショナルです。

講演はアクチュアリーの業務内容や資格試験の概要等の説明から始まり、確率論の授業でも扱う極限定理がアクチュアリー業務の中で活用されている事例について、簡単な例を交えつつ紹介されました。例えば、保険料の計算は保険期間中の保険料や運用益の合計と保険の支払金や経費の合計が一致するよう算定するという「収支相等の原則」に基づき行われますが、その計算の中で「大数の法則」と呼ばれる極限定理が用いられることが解説されました。また、保険料計算に用いる死亡率には通常バッファを含ませますが、バッファの計算の鍵として「中心極限定理」が用いられることが紹介されました。最後に、経済価値ベースと呼ばれる考え方の中で行われる保証やオプションの評価の簡単な計算例を通じて、確率解析と呼ばれる発展的な数学が用いられることが説明されました。

今回の談話会は対面で開催し、盛況のうちに終了しました。なお、数理科学科では一般企業や官公庁などへの就職を目指す学生のために「BizMath(ビスマス)コース」を設置しており、アクチュアリー資格試験の出題範囲にも深く関連する専門教育科目を複数開講しています。今回の談話会により学生が本コースに興味を持つとともに、さらなる学習、研究意欲の向上に繋がれば嬉しく思います。

談話会は、学内教員や研究実績のある研究者を招聘して定期的に講演会を行うことで、理学の最先端の研究内容に触れ、研究意欲の促進、教育・研究の質的向上を図ることを目的として実施しています。参加は教員だけでなく、学部生、大学院生、その他一般の方々も可能です。
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