文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」で京菓子司「末富」主人 山口 富藏氏が講義

2018.06.20

2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食。京都文化学科では、その和食の中でも代表的存在である「京料理」を中心に、和食の歴史や特徴、年中行事との関わりなどを学ぶ「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
京菓子の魅力を独特の口調で語る山口氏
6月20日(水)は、明治26年創業の京菓子司「末富」の山口 富藏氏をお招きしました。
山口氏は日本の、また京都の文化を写し出す京菓子の成り立ちを語るなかで、京菓子は味覚だけでなく、色彩や形、素材、菓子の銘を通して視覚的・聴覚的にも楽しむものであること、また写実性を嫌い、ぼんやりと見立てられたそれらの世界観を楽しむには、古典や暦、季語などの教養を身につけていることも必要であると説きました。
熱心に受講する学生たち
50種類に及ぶ色とりどりの京菓子の写真を見せながら、一つひとつその銘の由来や、その菓子にどのような文化的要素が表現されているのか、についても解説しました。
また、夏至前日であったこの日、夏至の日にだけ店頭にならぶケシ餅は、“げし”と“けし”をかけたものだが、季節感が薄れつつある現代ではその洒落も通じなくなってきたと語り、四季折々の節句や季語、茶席や床の間での作法、伝統芸能など日本固有の文化に関心をよせてほしいとよびかけました。
独特の語り口で終始穏やかに語られる山口氏の講義に学生たちは熱心に聞き入り、身近にありながらも奥深い和菓子について学びを深める貴重な機会となりました。
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