彬子女王殿下(本学 日本文化研究所研究員)が「京都文化フィールド演習」をご担当。学外での実習が実施されました。

2016.09.15

文化学部京都文化学科の専門教育科目「京都文化フィールド演習」(※参照)では、今年度、新たに彬子女王殿下ご担当のクラスを開講しています。
彬子女王殿下のクラスでは、京都文化の「色」について「染織」「刺繍」を通して考え、学んだことを自らの言葉でどのように発信していくかを、京都文化学科の学生10名が実践しています。
【実習に向けた事前学習にて】
事前学習では、各自が選んだひとつの「色」について調べた内容を発表
彬子先生から日本の「色」について講義
9月14日に訪問した染織史家の吉岡 幸雄(よしおか・さちお)先生の工房では、染料の藍について栽培からの工程のほか、同じく染の原料となる植物の説明などを吉岡先生からうかがった後、彬子女王殿下も一緒に刈安(かりやす)染めによるスカーフの染色を体験。職人さんの大変さなどを学生同士で語り合いながら、白布を美しい刈安色に染め上げました。染め体験後には、吉岡先生から「色」に関するさまざまなお話をうかがいました。石清水八幡宮の神事などにも深く携わっておられる吉岡先生は、学生からのどんな質問にも深く広いご識見でわかりやすく丁寧に説明され、「世界にも目を向け、古代からの歴史や先人たちの工夫・苦労を自ら調べて知ることはとても重要。見極める眼を養ってほしい」と、穏やかに語りかけ、学生たちは感動していました。
【9月14日:吉岡幸雄先生の工房にて】
吉岡先生が染料となる植物などを見せながらご説明。
学生からのどんな質問にもすべて丁寧に答えてくださいます。
刈安染めを体験。
長時間の作業で職人さんの苦労を実感。腰が痛くなりました…
綺麗に染め上がったスカーフをいったん干して乾かします。
自分で染めたオリジナルスカーフが完成!
9月15日は、京繍(きょうぬい)の長艸 敏明(ながくさ・としあき)先生の巧房を訪問しました。祇園祭の山鉾の懸装品再現複製などもされている刺繍作業を見学し、その色鮮やかな美しさと作業の繊細さに学生たちは目を奪われていました。また、実際に日本刺繍の作業を体験。美しい絹糸をひと針ずつ布に刺し、少しの間、日常から離れ心静かに集中した時間を過ごしました。長艸先生からは「実際に行ってみて、自分の眼で見る。学生時代にはそういった経験を多く積むことが大事」との言葉もありました。
【9月15日:長艸敏明先生の工房「長艸繍巧房」にて】
ユーモアを交えた長艸先生の講義
刺繍の方法を学びます。指を真似ながら…
刺繍の体験中。
ひと針ひと針、丁寧に刺していきます。
彬子女王殿下そして長艸先生と記念撮影。
大変お世話になり、ありがとうございました!
京都の伝統工芸の第一人者であるお二人から直接お話を聴くことができた今回の貴重な体験を通して、学生たちは京都文化学科での学びの楽しさを改めて実感するとともに、さらに深く学びを進める意欲を高めていました。
今回の体験を通して学んだことや研究したことについて、エッセイや新聞記事のような形にまとめ、発表することを授業の最終目標としています。
彬子女王殿下からのひとこと
吉岡先生と長艸先生、両工房のみなさまのあたたかい御協力により、意義深い学外実習を行うことができました。実際に足を運び、自分の目で見て体験し、京都文化の本質に触れることで、学生さんたちがそれぞれの気付きを得ていたのが、何よりの成果であったと思っています。
※「京都文化学科フィールド演習」
京都文化学科の専門教育科目(必修科目)。
京都の伝統行事や宗教神事の運営・参加、職人の工房・地場産業における現地実習、社寺・遺跡での実地踏査など、京都を舞台としたさまざまな分野のクラスを開講しており、京都文化学科の学生は興味・関心に応じて、希望するクラスを選択します。
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