令和3年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

「学習成果実感調査」についての分析結果

実感調査もオンラインで行なったためか、回答率が32.21%程度という結果となった。昨年度春学期終了時で約40%であるので、かなり下がっている。学生の方にも疲れや面倒臭さが出てきているのかもしれない。対面授業の場合には、授業時間中に回答するように促すなどの注意が必要であろう。
今年度の年間計画にテーマとしてあげたものは、
(i)公開授業&ワークショップへの参加者数の向上のための方策の検証
(ii)オンライン授業経験後の対面授業のあり方の検討
であった。(i)については公開授業未実施のため記載できないので、(ii)を中心に分析を行う。
このテーマ実現のため、今回の学習成果実感調査には、設問14として「対面授業やオンライン授業といった授業形態を生かした学びを実現できた。」を設けた。その結果、「強くそう思う・そう思う」で70%を占め、「あまりそうは思わない・そう思わない」は6%にとどまった。これは対面授業とオンライン授業を戦略的に分離した理学部の運営の成果であることはもちろんのこと、何にもまして、教員の努力と工夫の賜物であると考える。
設問12では、「課せられた問題(課題)は、講義科目の内容を深く理解するのに効果があった。」を尋ねている。講義科目といえばオンライン授業も多い中、「強くそう思う・そう思う」で85%を占めていることは、オンライン授業についても学生の学びにマッチした課題が提供されていることが窺えよう。
講義科目に関する筆記回答の中には、「録画があったから見直せた」という記述が多く見られた。対面授業での復習に録画を活用しているものと考えられ、それ自体は価値のあることである。しかし対面授業には対面でしか得られない学びがあるのに、対面授業そのものの良さを評価する声が比較的少ない。対面授業ならではの良さがわかるように我々の努力も必要であるが、それを評価できる力を学生に育成することが重要であろう。
また、今回新たに設問15として「自分のパソコン等を持参することで、学びの効果が上がった。」というものも加えた。理学部では実験科目を中心にBYODが進んでいるようである。実験科目での学生の記述にも、「エクセルを利用すると計算が楽に出来たので、自分のパソコンを持参すると良いとなった。」といったものもあった。対面授業が当たり前の実験であっても、そこに胡坐をかかず、さらなる改善が行われている点も読み取れた。

その他研修会等

  • テーマ:発達障害のある学生への修学支援
  • 概 要:京都大学 学生総合支援センターの村田淳准教授にお越しいただいて、「配慮が必要な学生」への対応に関して講演をお願いし、その後で質疑応答を行なった。障害と一言で言っても、障害者と社会的障壁がある。合理的配慮というのは、社会的障壁への除去のことを指すことを学んだ。高等教育機関としては、結果を保証するのではなく、プロセスを保証すべきだと学んだ。また、ADHDなど、障害を持つ学生の特徴や彼らへの対応も知った。特に我々がよく口にする、「困ったら言いにきてね」と言われても、聞き方を教わっていないからハードルが高い、と言った点は目からウロコであった。
  • 実施日:7月21日(水)
  • 参加人数:32名(理学部教員30名、理学部事務室職員2名)
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