教員紹介藤高 和輝

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藤高 和輝FUJITAKA KAZUKI

文化学部 国際文化学科 准教授

学位
博士(人間科学)(大阪大学)
専門分野
現代思想、フェミニズム、クィア理論、トランスジェンダー理論

プロフィール

大阪市出身。大阪大学人間科学部を卒業、同大学で博士前期課程、博士後期課程を修了。その後、日本学術振興会特別研究員(RPD)、大阪大学人間科学研究科助教を経て、2020年、京都産業大学に着任。

研究テーマ

博士論文では、現代を代表するフェミニスト哲学者、クィア理論家であるジュディス・バトラーの思想について研究しました。私たちの生活に身近なジェンダーやセクシュアリティについて、哲学的なアプローチから研究しています。最近では、とくにトランスジェンダー理論の研究を行っています。

研究活動・教育活動

2018年には、博士論文を元にした『ジュディス・バトラー:生と哲学を賭けた闘い』を出版しました。2019年には、ゲイル・サラモン『身体を引き受ける:トランスジェンダーと物質性のレトリック』を翻訳出版しました。目下、トランスジェンダーの経験の分析を通して、「私たちの身体とは何か?」について研究しています。「女性やセクシュアル・マイノリティが経験する「生きづらさ」とは何か」、「その背景にはどのような社会構造/規範が存在するのか」について研究し、その研究成果を教育活動に還元していきたいと考えています。

担当科目

入門セミナー、文化学部の学びとキャリア、思想文化論B、講読セミナー、思想文化演習Ⅰ
<科目の詳細はシラバス検索より>

ゼミ活動テーマ

ゼミでは、「ジェンダー・セクシュアリティ」をテーマとして、文献講読や研究発表を行います。社会から求められる「女らしさ」や「男らしさ」、歴然と存在する性差別やジェンダー不平等、異性愛が「当たり前」とされる社会規範など、この社会を生き抜く上で私たちは様々な「生きづらさ」を経験します。そのような「生きづらさ」を生む社会の構造や規範を批判的に読み解く力を養うことが、このゼミの目標です。

学生へのメッセージ

はじめてフェミニズムやクィア理論といった学問に出会ったときの感動をいまでも鮮明に覚えています。小さな頃から、私はこの社会で「当たり前」とされている「女らしさ」や「男らしさ」といったジェンダー規範に疑問や違和感を覚えていましたが、納得のいく説明はだれからも得られませんでした。フェミニズムやクィア理論に出会ったとき、私は「これだ!」と思いました。「これこそ、私が求めていたものだ」、と。自分が抱えていた疑問や違和感が解きほぐされていく過程はとても刺激で、自分はおかしくはなかったのだと励まされました。それからというもの、私にとって「研究」とは、単なる「机上」のものではなく、「生きる」ために必要なライフワークのようなものになりました。たとえ「研究者」にならなくとも、私は「研究」を続けていたと思います。
学生のみなさんにお伝えしたいのは、学問は決して、あなたの生活から切り離されたものではないということです。この複雑な現代社会を生き抜く上で、学問は必ずや、あなたの助けになってくれるでしょう。あなたがこの社会のなかで経験し、感じた疑問や違和感を大切にしてください。そのような疑問や違和感を、「当たり前」とか「常識」といった社会の声からしっかり守って、育んでください。学問はきっと、あなたの疑問や違和感に応えてくれるでしょう。それは何にも代えがたい財産になるはずです。

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