データサイエンスプログラム【応用編】

データサイエンスのスキルを修得すれば
学部の学びが深まり、卒業後にも役立つ

経済学部 栗田 高光 教授

【担当科目:計量経済学・国際金融論など】

経済学部でデータサイエンスプログラムが設置されている目的は何ですか?

経済の動きは多くの部分が数値化され、データとして得られる時代になりました。この結果、経済学の理論や社会・経済事象などを深く理解するために、データ分析はより重要視されるようになっています。また、数量的な情報を的確に分析することを通じ、世の中の動向を正確に把握できることや、経済活動や経済政策などを適切に評価できることは、現代の社会人に不可欠なスキルといえるでしょう。そこで本学では、経済学部の専門的な学修と連動させながら、統計学の理論やデータ分析の手法について基礎から応用まで段階的に学べるデータサイエンスプログラムを設置しています。

データサイエンスプログラムと経済学部の専門科目との関係についてお伺いします。
データサイエンスプログラムの受講で得られる知識が、どのように「経済学の学び」とつながるのでしょうか?先生がご担当される「計量経済学」と「国際金融論」とのつながりを例に教えてください。

経済学部の専門教育科目では、経済に関する多様な学説や理論を学んでいきます。一方で、これらの学説や理論については、現実の経済と照らして正しいか否かを検証する必要があります。検証を行うためのスキル・知識を身に付ける学びがデータサイエンスプログラムなのです。プログラムの中の「計量経済学」は、こうした検証の中核をになう学問となります。計量経済学の授業では、統計学の理論や手法を学修した上で、例えば「国際金融論」で学ぶ国際収支(国際経済取引を包括的にとらえた統計のこと)や為替レートの動向をはじめとした経済・金融に関するさまざまなデータを科学的に分析していきます。

データサイエンスプログラムを受講した場合と受講しなかった場合で、経済学を学ぶ(理解する)ことに対してどのような違いが生じるでしょうか?先生がご担当される「国際金融論」を例に教えてください。

データサイエンスを学ぶことで、経済学の能動的な学修が可能になります。例えば「国際金融論」では為替レートの理論を学びますが、データ分析のスキルや知識があれば、理論が正しいか否かという問題について、自分の力でその検証に取り組むことができます。つまり、自らが経済学の理論に関する検証に取り組めるため、学部での学びをより主体的なものにできるのです。結果として、経済理論の理解度も高まりますし、経済学を学ぶ意欲も向上するでしょう。また、研究者的視点が養われ、卒業論文のクオリティも確実に上がります。

データサイエンスプログラムを修得するためには、自分自身でどのようなことに取り組めばよいですか?

データサイエンスプログラムは、基礎から応用まで段階的に学べるように設計されています。そのため、「データ処理セミナー」、「データ分析セミナー」、「統計学A・B」、「計量経済学A・B」の各授業を真面目に受講して、演習や課題に丁寧に取り組めば、着実にスキルが身に付いていきます。 また、「権威ある人が言っているから正しいだろう」と決めつけず、どんな理論や考え方についても、自分で確認・検証する姿勢を大切にするようにしてください。このことが、データ分析の知識やスキルを身に付ける上で重要です。この姿勢を持てると「データサイエンスプログラムをしっかり学ぼう」という意識が高まり、学修にもより意欲的に打ち込めるようになるでしょう。

最後に、受験生や在学生に向けて、データサイエンスプログラムの面白味や学修のアドバイスをお願いします。

経済学部は文系の中でも理系的な側面があり、その最たる部分がデータサイエンスプログラムでしょう。文系・理系両方の面白さを味わえる学びともいえますので、ぜひ楽しんで受講してください。データサイエンスプログラムで得られるスキルを用いれば、社会や経済についてデータに基づく科学的な予測や検証ができるようになります。このスキルは、卒業後どんな分野に進んでも役立ちますよ。 学修については、「パソコンをあまり触ったことがない」「エクセルの関数とかよく分からない」という方も安心してください。データサイエンスプログラムの「データ処理セミナー」では、パソコンでのファイルの保存方法やエクセルの関数の使い方、統計の基礎的な概念など、初歩から確実に修得できるよう丁寧に指導しています。
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