
大阪・関西万博の「地球の未来と生物多様性ウィーク」期間中である2025年9月22日(月)に、万博内のテーマウィークスタジオで開催された、日経ビジネスイノベーションフォーラム「次世代エネルギーから始まる未来社会の実現 ~大阪・関西万博 化けるLABO から世界へ発信~」のトークセッションへ、本学経済学部4年次生である若月 拓海さん(経済学部 菅原ゼミ所属)が登壇されました。
日経ビジネスイノベーションフォーラム「次世代エネルギーから始まる未来社会の実現~大阪・関西万博 化けるLABO から世界へ発信~」Webサイトこのフォーラムは、SFのような現実を目指す技術として、メタネーション実証実験に光をあてるものであり、万博会場で排出される生ゴミや回収されたCO2からe-メタン(合成メタンのことであり、天然ガスの主成分メタン[CH4]と化学的に同じものであり、一般には水素H2とCO2を反応させて生成)を製造しエネルギーへ変換することが取り上げられました。
ポイントは、これまで廃棄物とみなされていたもの、気候変動の要因とされるCO2から都市ガスとして使えるクリーンなエネルギーを生成することにあり、まさに「化ける」技術といえます。また、都市ガスの主成分であるメタンを合成できる点もポイントとしてあげられます。今あるガス管などのインフラを大幅に変えることなくカーボンニュートラル化を進められるということです。完全に水素エネルギーへ移行するまでの橋渡しや水素との共存する形で脱炭素化と資源循環を進める有力な手段の1つとして期待され、今後の気候変動や脱炭素対策、水素社会への変革に大きく期待されています。


フォーラム中の講演では、大阪ガス株式会社から、エネルギーシステムを今後どのように変革していくのかといった戦略や、「化けるLABO」を立ち上げ、e-メタンを実際にどの様に実現していくのかといった技術実装などについてお話がありました。
続いて、トークセッションでは、大阪ガス株式会社とともに本学経済学部4年次生の若月さんのほか、他大学工学部(基礎工学部)生も登壇し、技術的ハードルの乗り越えだけではなく、経済的に成り立つのか、社会システムに組み込めるのか、人々にどの様にして受け入れられるのかを多角的に検討するといった、技術と社会の接点について、未来を生きる若者の観点からトークセッションが繰り広げられました。
登壇された若月さんからは、ガスパビリオンを実際に体験して次世代のエネルギー技術を愉しく学ぶことができ、とても勉強になったとの発言がありました。

万博は単なる展示会ではなく、未来技術を社会へ提示して需要を探るLiveな実証実験の場です。今回のe-メタンについては、会場内で排出される廃棄物やCO2を用いてエネルギー生成する技術プロセスを、世界中から多様な人々が集まる場所にて見せることで、来場者一人一人に自分事としてリアルにとらえてもらい、抽象的な概念を具体的に社会実装するための理解と共感を加速させようとするものです。この様な未来志向の実験場で、循環経済のわかりやすい実践、廃棄物やCO2を都市ガスへ変換することでエネルギー問題、気候変動問題や廃棄物問題といった複数の課題を一気に解決しようと試みることに万博で実施する意義がありました。
登壇された若月さんの感想
今回、トークセッションに登壇してそれぞれ異なることに取り組んでいる学生や世代間を超えて、これからのエネルギー技術や未来への期待を話し合うことができました。現状、カーボンニュートラルやe-メタンと聞くと他人事に考えてしまう人が多いため、今回の登壇のように次世代のエネルギーについて発信していきたいと考えています。
