京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2014 Apr. vol.63

お金の動きを知れば、大学の本当の価値が見えてくる! 予算・決算で発見! 今年も大学の予算・決算が発表されました。自分には関係ない、と思っている人もいるかもしれませんが、実は予算・決算の資料には、学生生活に役立つ発見がいっぱいなんです。マネー探検隊と一緒に、「大学のお金」について知っていきましょう。さっそく、2013年度の決算から見ていきましょう!

まずは基本!大学の予算・決算ってどんなもの? 1.予算計画/その年度に行う事業の収入と支出の予測を立てます。大学の1年を決める大切な計画です。 2.決算/予算計画をもとに事業を実施。その収支を算定し、大学の経営状況を明らかにします。 3.次の年度の予算計画/決算を受け、次年度の予算計画を作成。長期的な視点もふまえて綿密に計画されます。

決算書から発見!KSUキャンパス2013年度の充実ポイント! 決算を見れば、2013年度の大学の動きが分かります。たくさんの取り組みの中から、学生の皆さんに関わりの深いものをピックアップ! 手厚いサポートをチェックして、今後の学生生活に生かしてくださいね。

課外活動や、奨学金の支援が充実!課外活動・奨学金支援 本学では課外活動を「正課外教育」と捉え、人間形成の場として重視しています。学生が課外活動に積極的に参加できるよう支援を行い、2013年度は遠方で行われる試合の遠征費等の支援を充実しました。また、学生が安心して学生生活を送れるよう奨学金制度も幅広く設置しています。「私の活動もサポートしてもらえるかも!?まずは相談してみなきゃ!」総額4.9億円

新棟が続々と完成し、新しい学びの場が誕生。施設関係・設備関係 主に理学部の教育・研究を展開する「万有館」が竣工。また、旧2号館と3号館の間の空間(ピロティ)を活用した教育・福利厚生棟の「雄飛館」が完成しました。同館にはオープン以来人気のラーニングコモンズをはじめ、学生相談室や保健管理センター、書店を設置。学習と心身の健康の両面でサポートの充実を図っています。また、三叉路から万有館へのエスカレータ設置と、10号館と12号館を結ぶ歩道の整備を行い、移動のスムーズ化も図りました。「居心地もサポートも良くなって、勉強がはかどりそう!」総額41.6億円

「私にぴったりな進路が見つけられそう!」“Face to Face”で就活をサポート。キャリア教育・進路支援 キャリア教育では、企業などとの連携を強化し、学内での学びを融合させたOff Campusでの就業体験や課題解決プログラムを充実させました。進路・就職支援では学生一人ひとりの個性に応じたFace to Faceによる面談に全力を注ぎ、斡旋型の就職支援にも注力。併せて企業説明会や模擬面接、卒業生による勉強会などのイベント強化も図りました。 総額1.4億円 キャンパス全域で無線LAN!? 情報教育環境の充実 さらに快適なICT環境を提供できるよう、基盤整備を実施。学内全ての建物で無線LANの利用が可能になったほか、情報処理教室のPCの最新機器への置き換えも進めています。「WEB検索が自由自在。どんどん調べられるから、興味が広がる!」総額4.4億円

他にも 2013年度はこんなことに力を入れました! 国際交流支援 学生の留学を促進するため、留学説明会や「留学祭」などの個別相談会、「留学と就職」をテーマにして講演会などを開催。留学者向けの奨学金制度として「外国留学支援金」でのサポートも充実させています。また、留学に必要な英語力証明試験である「IELTS」の学内実施と検定料補助を行いました。外国人留学生の受け入れの拡大や、留学生と地域の方との学術的交流も積極的に展開しました。

神山天文台の活性化 神山天文台では、スタッフと学生が一丸となった研究・教育の融合を図りながら各種の活動を行っています。共同研究で世界的な成果を上げたほか、観望会・天文学講座など社会貢献活動も実施。さらにマスコットキャラクター「ほしみ〜るちゃん®」も誕生しました。今後はPRや社会貢献活動に活用していきます。 防災対策 救助・救命に必要な工具類を収納した「共助(救命)キット」を本学・附属中高・幼稚園に設置。また地震への備えとして、地震対応訓練の実施や、初動対応・避難場所・安否確認方法などを示した「地震対応ポケットマニュアル」を作成し、全学生・教職員に配付しました。

地域連携・地域貢献活動 地域貢献活動を実施した学生団体の支援や、「京都マラソン2014」への協賛など、地域活性化の活動をさらに推進しました。※以下、活動内容の抜粋。●学生防犯推進団体「サギタリウスチーム」:青色防犯パトロール、柊野小学校前での下校見守り活動●馬術部:アニマルセラピー ●天文同好会:星空観望会 など。 ●京都マラソン2014協賛:開催前に「京都マラソン直前特別講座」実施。当日は全学応援団やフラメンコクラブがランナーを応援。ブース出展では、京都府井手町とのコラボスイーツ試食会や、鳥インフルエンザ研究センターと企業との共同開発マスクの配付、コンピュータ理工学部の研究成果発信などを実施しました。

決算書から発見!大学を動かすお金たち。前のページで紹介した事業の舞台裏を詳しく公開。大学のお金の動きは、「資金収支計算書」「消費収支計算書」「貸借対照表」の3つの表で表されます。一見とっつきにくいかもしれませんが、この中に20 1 3年の大学の全てが詰まっているんです。

2013年度 資金収支計算書 その年度の資金の状況と、その年度に行った諸活動に伴う資金の動きの全てを記録管理することを目的に作られる表です。

2013年度 消費支出計算書 2013年度の諸活動に伴う全ての収入・支出の内容とバランスを明らかにし、大学の経営状況を示します。

2013年度 貸借対照表 消費収支計算書をもとに作成される表です。年度末における資産、負債、基本金及び収支差額を明らかにし、大学の財政状態を表します。

学校法人会計の特徴と、企業会計の違いって?一番の違いは、学校法人が教育研究を最大の目的としていること。企業のように利益を得ることが目的ではないため、企業会計における損益計算とは異なります。右の資金収支計算書と消費収支計算書、上の貸借対照表で収支のバランスと財政状態を正しく捉え、大学の永続的発展を目指しています。特徴的なのは、消費収支計算書にある「基本金組入額」。教育研究活動を永続的に展開するため、安定した財政基盤の確保を目指した仕組みです。また、予算を重視するのも学校法人会計の特徴です。収入・支出とも事業計画に基づき適切に予算を編成し、その予算のもと諸活動を展開しています。大学ではこのように、皆さんの学費を大切に計画的に使って、学びを充実させています。 用語解説1 学生生活に関わりの深いお金を知ろう。1.学生生徒等納付金収入 入学金、授業料や実験実習費、教育充実費などの学費。 本学最大の収入源です。2.手数料収入 入試受験料を中心とした手数料による収入です。各種証明書の発行手数料なども含まれます。3.補助金収入 国庫補助金の「私立大学等経常費補助金」や「私立大学等研究設備整備費等補助金」などで、@に次ぐ収入源。 皆さんの学びは、国や国民の方々にも支えられています!4.資産運用収入 大学が保有する預貯金や債券(国債、財投機関債など)の利息収入が中心。大学諸施設の賃貸料収入も含まれます。5.人件費支出 専任教職員や非常勤講師、嘱託職員、契約職員、学生アルバイトの給与などへの支出です。6.施設関係支出 土地や建物などの固定資産取得のための支出です。7.設備関係支出 教育研究を目的とした機器備品や図書などの固定資産取得のための支出です。8.資産運用支出  将来の固定資産取得のための積立金や、特定事業目的のための引当資産などへの繰入額です。

予算書から予測!2014年度の京都産業大学はこうなる!大学の1年間の活動についてを計画した予算書。これを読めば今年1年間に予定されている大学の動きが分かります。特に実施が待ち遠しいキャンパスの変化について、予算書から読み解いてみましょう!

新学科や新専攻誕生で、学びが広がる!外国語学部を学科再編し、今年4月より英語・ヨーロッパ言語・アジア言語・国際関係の4学科体制に。私立大学最多の10専攻語を擁し、専門語学力の強化を図ります。※文化学部も学科再編。来年4月に「京都文化学科」を新設予定です。図書館の学修サポートがもっと充実!学修に必要となる情報の活用をサポートする「レファレンスサービス」を通じ、積極的に学修支援。今年度はさらに「ディスカバリーサービス」を導入し、蔵書や電子ジャーナル、データベースなどを一括検索できる先進的なサービスを提供します。

さらに新たな施設・設備が着工、完成へ。4月から、2号館跡地にて新2号館(仮称)の建設に着工(2016年度完成予定)。また、追分寮に隣接した上賀茂神山の地に「神山寮」が、今年度に完成予定です。バリアフリー化や教室改修、AV設備導入、大教室棟外壁改修など、施設設備の改修や機能向上を図ります。

2014年度 資金収支予算書

2015年に迎える創立50周年に向け、記念事業を実施。「むすびわざDNAプロジェクト」をさらに発展させ、各トライアルアクションの実現に向けて活動を行います。また、地域連携を踏まえた創立50周年シンポジウムやフォーラム、学会などを開催します。各学部においても、学部の特色を活かした講演会やシンポジウムを開催し、社会へ研究成果を発信します。学内外への発信としては、建物への屋外広告の実施や京都市バス・京都バスのラッピングバス運行など、創立50周年に向けた気運を高めていきます。 2013年度決算・2014年度予算をまとめると… 2013年度の決算は、消費収支差額では、42億8,300万円の支出超過となりましたが、これは万有館、雄飛館の完成といった施設・設備の取得により、基本金組入額が51億4,900万円と大きかったこと、また「教育の質の向上」のため、教育研究経費が増大したことによるもので、本学の永続的な発展のために必要な先行投資によるものです。また、2014年度の予算についても、事業計画の「選択と集中」を推し進め、限られた資金を引き続き、「教育の質の向上」のための施策に資金を重点配分しています。奨学金のさらなる充実。学業や課外活動の優秀者への奨学金や留学支援など、独自の奨学金制度を多数設置。学業成績優秀者で経済的に修学継続が困難な学生へ、年間学費相当額(最大)の奨学金を毎年給付する制度新設に向け準備しています。

2014年度 消費支出予算書

用語解説2 さらに深く大学のお金を知る!1.帰属収入:負債とならない大学の収入(学生生徒等納付金・手数料・寄付金・補助金など)のことです。2.基本金組入額:固定資産(土地・建物・備品・図書など)の取得価額、将来の固定資産取得のための積立金、特定目的(奨学事業・課外活動事業など)基金への積み増しにあてられた額です。3.消費収入:帰属収入から基本金組入額を控除した額です。人件費をはじめとした消費支出にあてる収入額を表します。4.減価償却額:建物などの有形固定資産の劣化分を耐用年数(使用予定年数)に応じて費用として計上するものです。5.消費支出:教育研究活動に伴う全ての支出総額のこと。人件費をはじめ、教育研究経費、管理経費、借入金等利息などに加え、固定資産の減価償却額も含まれます。

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