【法学部】“警察官の本質を理解する”—警察官を目指すために必要なこととは?

2023.11.27

法学部主催の警察官内定者報告会が行われました。
前半には法学部法政策学科4年次 荒木 萌紀恵さん(内定先:兵庫県警察本部)と、法学部法律学科4年次 箸尾 海さん(内定先:大阪府警察本部)が登壇し、インタビュー形式で就職活動について振り返りました。
後半には、県警本部長や警察大学校長を歴任した本学法学部 田村 正博教授が警察官を志す学生に向けてアドバイスを送りました。
荒木さん(左)、箸尾さん(右)、田村教授(中央)

Q.内定先を志望した理由を教えてください。
荒木さん:幼少期から剣道をしていて、警察官の方が多く興味をもつようになりました。その中で、生まれ故郷である兵庫県で警察官になりたいと志すようになりました。
箸尾さん:人口に対して犯罪率が高い大阪府で、一人でも多くの犯罪者を捕まえたいと思い志望しました。

Q.いつから採用試験の対策をしていましたか?
荒木さん:剣道部に所属していたため、平日に時間を作ることが難しく、2年次から3年次は学内(資格の大原)の公務員講座を週に1回受けていました。長期休みには教材を見返し、復習するなどしていました。4年次には面接練習を中心に力を入れました。
箸尾さん:日本拳法部に所属していたため、2年次の4月からテキストを使って週に1回2~3時間程度勉強していました。4年次には面接練習を中心に行っていました。3年次の終了時には単位をほとんど修得済だったため、集中できました。

Q.面接練習はどの程度行いましたか?
荒木さん:2日に1回は面接練習をしていました。公務員講座と本学の就職支援センターの面接練習を利用しました。できるだけ毎日人と話すことを意識して過ごしていました。
箸尾さん:本学の進路・就職支援センターで20~30回程度は面接練習を行いました。私の場合は、数をこなすことで自信をつけました。練習の中で、うまく答えられなかった質問の回答はパソコンに打ち込んで覚えるなど工夫しました。

Q.実際の面接はいかがでしたか?
荒木さん:自信をもって面接に挑みましたが、想定していた質問より一歩踏み込んだような質問が多かったです。希望の課を聞かれることは想定していましたが、希望の課ではないところに配属された場合についても聞かれました。
箸尾さん:兵庫県出身なのになぜ大阪府警察本部の試験を受けようと思ったのかという質問があり、少し言葉が詰まってしまったこともありましたが、それぞれの警察本部の特徴を調べて対策したため、答えることができました。

Q.警察官の採用試験には体力検査もありますが、どういった対策をされていましたか?
荒木さん:部活動に所属していたため、体力には自信がありました。検査種目の中にシャトルランがあったため、同じ部活動の同期にも助けてもらいながら一緒に練習しました。
箸尾さん:同じく部活動をしているため、特別な体力作りはしなかったです。ただ都道府県によって検査の方法が異なっていたのでそれぞれの検査項目について練習をしました。

Q.法学部の授業の中で、警察官志望の学生におすすめの授業を教えてください。
荒木さん:2年次から4年次にかけて服部先生のゼミで「矯正社会学」を学んでいます。警察官より法務教官を目指す人向けですが、警察になっても生かせる内容となっているためおすすめします。
箸尾さん:田村教授の「社会安全政策」の授業は警察官になった後に役に立つ内容となっているのでおすすめです。

Q.後輩に一言お願いします。
荒木さん:私自身、警察官になりたいという思いが強く、皆さんのようにこういったイベントに参加していました。今は不安が大きいかと思いますが、勉強や体力作りなど対策すればするほど自信がつくので、頑張ってください!
箸尾さん:今から試験を受ける方は不安を感じていると思いますが、その不安をかき消せるくらい勉強や面接対策をして頑張ってください!

次に田村教授から警察官の採用試験に合格するための3つの要素について話されました。

①「警察官の仕事の大変さ」を分かっていること
警察官の仕事は多くの大変なことがあり、そういった大変さを前提にした上で志望していることを示すことが重要。何も分からないで志望していると思われると、「この人は警察に入ってついていけるのか」という疑問をもたれる。OB・OG訪問などで実際を教えてもらうことも有意義だと思う。

②「志望度の高さ」
本気で警察官を志望していることを示すことが大事。警察官の採用試験に向けてどのようなことをしたのか、体力をつけるためにどういったことをしているのか、大学では警察官になることを視野に入れて、どういった勉強をしたのかを話せると志望度の高さが伝えられる。なお、先程荒木君の言ったゼミに関しては、学生個人がどう思うかは別にして、採用する警察の側からは、矯正の知識を学ぶことが警察官になるのに役立つものだとは評価されないし、後で言うように警察と矯正とはまったく違った仕事と位置付けられているので、誤解しないように気を付けること。

③「警察の本質」を理解すること
警察官は被害者の気持ちを背負って犯罪者と戦う存在である。犯罪者の物理的な抵抗や、罪を免れようとする行動を乗り越えて、捕まえ、有罪にするのが仕事である。犯罪者は戦う相手以外の何物でもない。ほとんどの被害者からすると犯罪者は自分にひどいことをした許せない相手であり、警察官が犯罪者に甘い顔をしていると思われたら、被害者からの信頼は得られない。犯罪者の立ち直りを目指す矯正とは本質的に違う仕事であり、決して混同してはならない。警察の仕事は様々で、少年係のように犯罪者側の気持ちを理解することが役立つ部署もあるが、それは全体のごく一部にすぎない。警察官は、「強くて優しい」ことが大事だとよく言われるが、「悪い者に対して強い」存在であることが第一である。

学生に語りかける田村教授
また、採用試験に合格したらすぐ警察官になれるということではなく、警察学校を卒業してはじめて実際の警察官になれるのだ、と話された田村教授。警察学校では、警察官になるための知識や技能を学ぶだけでなく、採用試験ではみることができないが警察官として必要不可欠な「協調できる能力」があるかどうかを見られるそうです。「仲間と共に心を合わせて行動する」ことができない人は、警察官に向かないので、最初から志望しない方がいいし、採用試験に合格しても警察学校を卒業することは難しいと、言われました。
最後に、「一緒に警察官を志望する人と行動すると良いです。多くの方が合格することを祈っています」と鼓舞されました。
報告会終了後には内定者が参加した学生からの質問に答えていました
 法学部は特に公務員志望者への就職支援に力を入れています。本気で公務員を目指したい方は今回のようなイベントにも積極的に参加してみてください!
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