【現代社会学部】健康度に関わる調査研究を実施

2023.12.22

現代社会学部健康スポーツ社会学科の石飛 博之准教授(研究代表者)、田村 達也准教授、松永 智教授、および研究室に所属するゼミ生が「京都産業大学生の健康状態」を把握する調査を行いました。

研究背景

日本の平均・健康寿命は世界一を誇っているものの、要介護・要支援認定者は、この20年で3倍に増加しています。健康寿命とは「自分自身でお風呂に入れるなど、健康上の問題で日常生活が制限されることのない期間」のことを指します(図1)。従って、 亡くなるまでの約10年間は、何かしらの健康トラブルを抱え、寝たきりや要介護状態になることが珍しくないというのが日本人の実情です。
平均寿命は、今後も高くなることが予測され、医療費削減の観点などから健康寿命を延ばすことが求められます。健康的な生活を送るためには、健康状態の把握・適切な運動や食事、休息をとることしかありませんが、それに加え、血液などから健康状態を把握できる「バイオマーカー」の探索研究が行われています。

研究目的

近年、大学生において、肥満による歩行能力や骨格筋量の低下などが報告され、若者の健康不安や将来的な健康寿命に悪影響が出るのではないかという懸念があります。実際に、身体的機能は30歳前後でピークとなることから、将来的に健康寿命を延ばすためには、このピークをいかに高め、維持するかということが重要となります(図2)。そこで、「京都産業大学生の健康状態」を理解することを目的とし、58人の男子学生が血液検査、アンケート調査、 活動量・身体・体力測定などに取り組みました。

参加者のコメント

①参加した理由を教えてください

  • 最新機器を使って自分の身体の状態を知りたかった。
  • 自分の健康状態を知れるうえに、謝金がもらえるから。
  • 普段の生活を見直すのにいい機会だと思ったから。

②測定に参加してみた感想を教えてください

  • 部活がない日では、活動量が思った以上に少なく、びっくりした。
  • 身体の状態を数値で確認することができてよかった。
  • 閉眼片足立ちが予想以上にできなかった。
  • 自転車によるパワー測定は自信があったが想像以上にきつかった。
  • 一日に何歩歩いているかなんて考えたこともなく、それを知るいい機会になりました。

③今後どのような調査であれば参加したいですか

  • 1日の摂取カロリーと消費カロリーを詳しく知りたい。
  • 身体能力がより詳しくわかる測定の実施があれば参加したい。
  • 各臓器の健康度合いが分かる測定があれば参加したい。

測定結果と研究の今後

本測定の結果は、分析後、コメントと共に学生にフィードバックされます。得られている結果として、参加者の一部には“隠れ肥満の可能性がある学生の存在”が示唆されました。20歳前後の学生になぜ”隠れ肥満“がみられるのかについて、今後は、アンケート調査や身体・体力測定の分析に加え、血液中に存在する分子に変化がないか研究を進めます。そして、それらのデータから健康状態を把握する「バイオマーカー」の発見を目指します。ぜひ、今後の進展に期待してください。

最後に

本研究は2022(令和4)年度より採択された共同研究プロジェクトのサポートを受け実施されました。今後、新たに測定が実施された際、「自分の健康状態を知りたい、最新の機器に触れてみたい」など興味のある学生さんの参加をお待ちしています。
自転車エルゴメーターによる筋パワーの測定の様子
体成分分析装置での測定
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