令和2年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

「学習成果実感調査」についての分析結果

春学期は、1年次配当の「プレップセミナー」およびその他の「AL科目」を中心に調査を行った。今学期は、全面的にオンライン授業となり、調査も例年と異なり、オンラインで実施したため、実施率は「その他」科目では100%であったものの、全体では69.23%と例年に比べて大幅に減少した。オンライン授業の実施方法に違いがあること、教員のmoodleやTeamsの習熟度にも差があることなどが要因として考えられる。また、オンラインでの実施となったため、回答率も全体では40%弱にとどまった。秋学期は、100%の実施率に近づくよう努力し、回答率も向上させたい。
調査を実施した全ての科目において、出席率は80%以上出席した者が80%を超えており、「この科目で主体的に学習した」(強くそう思う+そう思う)と回答した者が、「プレップセミナー」および(プレップセミナーを除く)「AL科目」の両方において、ほぼ80%であり、オンライン授業であることで、通学時間がかからず、出席率が高く、課題が増えたことで必然的に主体的に学習したと実感する学生が増えたと思われる。全体と80%以上の出席者とで差はほとんど見られなかった。「その他」の科目(講義科目)においても、主体的に学習した(強くそう思う+そう思う)と回答した者が、70%を超え、「この科目で学びの面白さを感じた」(強くそう思う+そう思う)と回答した者は80%を超え、「この科目の学習を通じて、知識を得たり、スキルを伸ばしたりするなど、自らの成長を実感することができた」(強くそう思う+そう思う)と回答する者が70%を超えるなど、例年に比べて大幅に増加した。
今学期は、オンライン授業であったことから、例年のデータとの単純な比較はできないが、法学部で近年おこなってきたActive Learning重視のカリキュラム改革が目的としてきた主体的な学習態度の形成が定着しつつあると評価できるのではないか。
「プレップセミナー」において、「学びの面白さを感じた」「主体的に学習した」「自らの成長を実感することができた」「総合的に満足している」「法学部の学びについてイメージをもつことができた」「自分の将来について考える機会をもつことができた」の各項目について、「(強く)そう思う」とする回答者の割合は、昨年度に比べてわずかではあるが増加した。初年次教育(導入教育)として主体的な学習態度の形成を促すこの科目の役割が定着してきたとも評価できるが、割合の増加は、オンライン授業への対応について関係教員が協力して取り組んだ成果であるといえよう。1回あたりの準備学習が1時間を超えていると回答した者は、例年50%台であったが、今年度は70%以上に上昇した。オンラインの反転授業形態となったことが大きな要因であると思われるので、今後も継続的に観測していく必要があろう。
なお、オンライン授業となったことによる影響については、80%以上が円滑に学習を進めることができたと回答していることから、大きなトラブルはなかったと思われる。その要因として、1年次生対象の「プレップセミナー」では、オンライン授業開始前の4月中に、開講前コンテンツをmoodle上に掲示し、ビデオ会議のお試し会などアイスブレイクの機会も設けていたことが考えられる。
もっとも、オンラインとなったことによる学習意欲の変化については、「どちらかといえば高まった」が多かったものの、「変化がなかった」が次に多く、学習意欲への影響はどちらとも言えない。
また、昨年度から導入した「コース制」についての理解を問う設問について、「(強く)そう思う」とする回答者が昨年度は60%を下回ったが、今年度は60%を超えた。今後もプレップセミナーでの指導等を通じて周知させる施策を継続する必要がある。
「AL科目」においては、「主体的に学習した」「自らの成長を実感することができた」の項目で「(強く)そう思う」とする回答者の割合が80%を超えており、総合的な満足度も90%を超えている。引き続き、主体的に学習することができるようにAL科目の内容をさらに充実させていくべきであろう。

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