ボランティアに参加してみて

インドネシア語専修 2年次生 峰 成美







 ボランティアの開始時間より遅れて参加したため、何が何だか分からないままインドネシア人看護師研修生の方々と1対1で話すことになった。

 私は今までにボランティアというものに参加したことがなかった。そんな中で先生にインドネシア人を相手とするボランティアに参加してみないかと声をかけていただき、実際に体験することになった。初めてということで何をすればいいのか全く分からず、見当つかずのまま会場に赴いた。会場に入ってみると多くのインドネシア人が楽しそうに先輩方と会話している光景が目に飛び込んできた。私は自分がきちんと話し相手になることができるのだろうか?と変に緊張した。緊張している間もなくすぐにインドネシア人の座っているテーブルに案内された。

 最初に話しをしたのは来年2月から福岡の病院で働くことが決まっていたエファさんだった。彼女はこれまでに自分が学んできた日本語を使って質問をたくさんしてきた。私が答えるとすぐに次の質問をしてきた。私は彼女が必死で日本語を使って会話をする姿を見て、前向きで向上心があるなぁ、と心打たれて感動した。彼女のためにも私は一言一句聞き逃さず間違った日本語や使い方のわからない単語はなおして、ゆっくりと話すことに心がけて彼女に伝えた。使い方が分かった時の彼女の嬉しそうな顔をみると、もっと役に立ちたいと強く思った。

 次に話し相手になったのはハルミスさんとヤンティさんだった。この二人は日本語で質問を考えることに時間がかかり少しもどかしそうだった。それでも日本語で話をしようと頑張る姿に応えようと思い、私から質問をしてみた。よくわからない単語や文章は首をかしげていたので、その時はジェスチャーも使いながら意味を説明した。私自身、会話を進めていくなかで理解し難い単語というのが分かり始め、自分にとってもいい勉強になった。また、彼女たちは私の質問や答えを二人の会話のときにはインドネシア語で伝え合い、理解していたので私の日本語が目の前でインドネシア語に変換されて、この表現はそういうインドネシア語で言い表すんだ、と私が学ばせてもらうことも多々あった。大学で教材を使ってインドネシア語を学んではいるが、インドネシア人の方たちが実際に話している言葉をその場で聞くことにより印象が強くて記憶に残りやすく、とてもためになった。
 最後にガマさんとエスティさんとお話をした。彼女たちはこれまでに習った漢字を書いて見せてくれた。また、この漢字を知りたいと言われ、漢字を書いて教えてあげることもあった。私に質問をするというよりは毎日何をしているのか彼女たちの私生活や日本語を習得する難しさを聞かせてもらった。外国人の日本語に関する意見を聞くと客観的に捉えて日本語がどういうものなのかを見つめることができ、改めて日本語は世界中の言語の中でも複雑で難しい言語なんだ、と感じた。

 インドネシア人の方々との日本語による会話が終わり、残りの時間は立場が逆転し、日本人の私たちがインドネシア語を使って会話しなければならなかった。先生の説明でこのことが伝えられると彼らは手を叩いて心から喜んでいた。ニヤニヤしながらインドネシア語で、『さぁ、質問どうぞ』と4人のインドネシア人に囲まれて四方八方からインドネシア語で話しかけられた。私は緊張と何から話せばいいのか分からず、まずは自己紹介をした。それから日本食ではなにが好きなのかを質問したら、単語の使い方が間違っていたらしくみんなに口をそろえてなおされた。恥ずかしいとは思ったけど、とてもためになるな、と強く思い、積極的に話しかけた。自分がこれまでに覚えてきた単語を聞き取り、さらにまた理解するということができた時には言葉では言い表せないほど嬉しかった。もっと話しをしたかったが自分の語彙力がまだまだ足りないばかりに満足するほど会話を進めれなかった。このことが悔しくてもっと授業や独学の中で語彙を吸収し、自分の持つ語学力を伸ばしたいと強く思った。また今回のボランティアに参加する機会があれば、今回より成長した姿で臨みたい。また、インドネシア人にも私たちにもいい勉強になった有意義な時間を過ごすことが出来て本当によかった。

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