「東アジア情勢と日本の外交課題について」

開催日時 2014年7月2日(水)15:00〜18:00
開催場所 京都産業大学 5号館コミュニティルーム2

概要

 今回の研究会では、モントレー国際大学東アジア研究センターより赤羽恒雄氏を招聘し、中国の台頭を背景とする現在の東アジア地域の国際関係について講演が行われた。

 報告では、中国の国力の評価、日、米、韓、ロという北東アジアの主要国への影響について詳細な分析が行われ、本来圧倒的な力の保持者であり、グローバルな公共財を提供する国としてのソフトパワーをも持つアメリカが中国の急速な成長による相対的な力の変化により一定の懸念を持たざるをえない状況が詳細に述べられた。  特に日本と中国との間の「「冷たい政治」が地域冷戦とも呼ぶべき状況を作り上げる状況に注意が向けられ、また、経済・社会・北朝鮮問題などによる韓国の対中志向、様々な共通利害をもつうえに、ウクライナ問題を巡り更に強まるロシアの対中志向などの分析が報告された。

 ついで、尖閣、竹島、北方領土という東シナ海の三つの領土問題の現状と、それが米国の利益に如何にかかわるか、台頭するナショナリズムの下での象徴的及び器具的な価値が指摘され、それぞれの問題の平和的解決、特に尖閣問題を戦争の火種にしないための様々な知恵についての緻密な検証が行われた。

 研究会の後半では、以上の講演を受けて出席者より、東アジアの戦争と平和の問題について、様々な観点からの議論が進められた。


  • 赤羽恒雄氏による報告

  • 会場の様子
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