【国際関係学部】植原ゼミがオムロン ヘルスケア株式会社を訪問し、新興国におけるビジネス展開プレゼンを行いました!

2023.07.10

7月5日(水) 「研究演習Ⅰ・Ⅲ」(担当:植原 行洋教授)において、オムロン ヘルスケア株式会社を訪問させていただき、学生による提案プレゼンテーション及び議論を行いました。

(国際関係学部3年次 森谷 祐羽)


オムロンヘルスケアの海外ビジネスに関するお話では、グローバル展開における同社の強みやオムロンの経営理念「われわれの働きで、われらの生活を向上し、よりよい社会をつくりましょう」についてご説明いただきました。同社は血圧計を代表とする、世界で高いシェアを持つ幅広い高品質な商品群を有しています。この強みを支える軸として、「より良い社会を作る上で、まずは働いている自分たちの生活を向上させることは必要条件であり、それが達成されて初めてよりよい社会が作れる」という考え方が印象的でした。また、同社は三重県・松阪、中国・大連、ベトナム・ホーチミン、イタリア、ブラジルの5箇所、そして2024年度にインドにも生産拠点を新たに設立する予定で、世界中の現地市場に近いところで速やかに製品が供給できる体制を取っています。中でも松阪の生産拠点ではカーボンニュートラルに向けた取り組みを実施しており注目を集めています。こういった迅速性や環境配慮型の製品が同社の魅力のひとつになっているのだと感銘を受けました。

新設されたばかりのショールームを見学させていただきました。幸運にも私たちが記念すべき最初の見学者でした。オムロンヘルスケアの歴史や企業理念の背景についてご説明いただきました。同社の血圧計第一号機を目の前にし、当時の販売のご苦労をお聞きしました。続く最新鋭のヘルスケア製品を見学させていただき、どのような戦略で製品が成長してきたのかという点について理解を深めることが出来ました。

学生発表では、「オムロンヘルスケアの製品を新興国に浸透させるための施策は?」というテーマのもと、インド、インドネシア、アフリカの三つのチームに分かれて同社の部長クラスの方々に対してプレゼンテーションを行いました。進出先の市場分析を踏まえて製品を選定し、マーケティング戦略について資料やデータを用いてそれぞれのチームがオリジナリティー溢れる提案を行いました。「社内では出てこない角度の提案で面白い」「データや情報がよく調べられており筋が通っている」とご好評をいただいた一方で、「実際にこの価格で製品を買ってくれる顧客がどれだけいるのか」「この製品を売るための前提条件として健康課題を当該国のユーザーにまず啓発するのが先では無いか」という鋭いご意見もいただきました。
「画期的なサービスを生み出したとしても健康に不安を有する人の気持ちに届かなければ商品として存在価値が無い」という点は特に印象に残り、実際にユーザーに使っていただくところまで持っていくプロセスが一番の難題であり、今後も重要な論点となり続けるのだと感じました。

今回の訪問を通して、「社会のニーズをいち早く捉え、事業を通して社会課題解決に取り組む」というオムロンヘルスケアの海外展開のアプローチ方法に触れることで、今後の日本企業がどのように世界で戦っていくのかを考える上での大きな学びとなりました。

この場をお借りして、今回私たちのために貴重なお時間を割いてくださったオムロン ヘルスケア株式会社の皆さまに心から御礼申し上げます。

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