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学生の熱い思い地域の子ども

法学部ゼミ生の地域イベントが、子どもや地域住民を刺激する

  • 法学部 4年次
    由里 正輝さん

法学部・耳野ゼミでは三重県いなべ市と協働し、地域の交流イベントを企画した。地域の小学生たちに地元・立田地区(篠立・古田地区)の良さを再発見し、郷土愛をより深めてもらうため「タツタンピック2016」と題しスタンプラリーや餅つき、スポーツ大会を開催。また前夜祭として願いを込めたスカイランタンを手作りするワークショップを行った。当日はゼミの学生、小学生に加え、保護者や地域住民、行政関係者などさまざまな人々が集い、楽しい時間を共有した。この活動は学生自身の成長に繋がったのはもちろん、学生の働きかけが参加者にとっての刺激となり、地元への興味関心や観光誘致への意識も高まってきたという。学生の熱い想いが、住む地域や年齢も違う人々をむすびつけ、互いに触発し合い、向上心を高める力をうみだしている。

今回の活動を始めたきっかけを教えてください。

耳野先生:本学といなべ市の間で連携協力に関する包括協定をむすんでおり、市の方から観光誘致への協力依頼をいただいたのが出発点。特に立田地区(篠立・古田地区)で活動を行っています。この地域はいなべ市のなかでも北の方の農村地帯で、少子高齢化が進んでおり、後継者がいないという問題を抱えていたのですが、それでも地域を維持していくために観光客を誘致することで交流人口を増やし、経済を活性化させようと頑張っています。そのお手伝いができればと、学生たちとの交流やいなべ市の自然を使った観光開発の提案などを行っています。昨年は空き家調査を行い、状態を調べてその活用策をご提案しました。学生らしい斬新な発想で、いなべ市の皆さんにも喜んでいただけたことが今年の活動につながったんです。


由里さん:今回のお話をいただいた時、初めはワークショップのお手伝い程度だったんですが、他にもっと何かできないか、ということになり地域の交流イベントをご提案しました。立田地区の5つの小学校が統廃合されるということで、子どもたちに思い出を残してもらいたいという目的と、地域の子どもと地域の人々のつながりをより強めてもらいたいという目的でイベントを企画し「タツタンピック」と名付けました。内容は、前夜祭としてスカイランタンづくりを行い、2日目にスタンプラリーを通して地域をめぐり、自分たちの地域の良さを再発見してもらうというもの。当日は小学生から保護者、おじいちゃんおばあちゃん世代の方まで多くの人々に参加いただくことができました。
耳野ゼミ生と小学生と一緒にスカイランタンの作成
暗闇に浮び上るスカイランタン
もちつき大会の様子

今回のイベントで大変だったこと・工夫したことは何ですか?

由里 正輝さん
由里さん:やはりイベントをゼロから作り上げることですね。最初のご提案時には、よくある案だということでダメ出しをいただきました。そこでもっと付加価値をつけられないかとスタンプラリーにミニゲームを組み合わせたり、スカイランタンを飛ばしたり、というアイデアが生まれました。スカイランタンはもともとタイの有名なお祭りで行われている、灯をともしたランタンを夜空へ飛ばすもの。日本では全国でも3カ所ほどでしか実施されていません。さらに今回は真っ白な和紙のランタンに小学生や地域の人々が思い思いに願い事を書くことにしました。こういった点も付加価値につながったと思います。実際、参加者から感嘆の声があがった時は言葉にできない達成感がありました。スタンプラリーのしおりや告知ポスター、垂れ幕などを自分たちでデザインし手作りしたのも好評でしたね。また、リーダーとしてゼミ生26人をまとめ上げるのも苦労しました。一人ひとりが企画に参加し活発な議論ができるよう、それぞれに役職をつけて責任感を持たせる工夫をしました。

特に印象的だったできごとはありますか?

耳野 健二 法学部 教授

由里さん:印象的なのは、地域の人々を外に連れ出すことができたということです。当初フィールドワークで伺った時は外にほとんど人がいなかったんですが、イベント当日になるとおばあちゃんやおじいちゃんがぞろぞろ出てきてくださって、たくさんお話しすることができました。私たち学生と地域の人の交流の場というだけでなく、地域の人同士の交流の場を作れたことが嬉しかったですね。

耳野先生:イベントを終えて、地域の方の多くから「学生さんよく頑張ってくれたね、ありがとう。また来て!」という感想をいただきました。田舎の人たちにとって、若者が地域に来て、一日子どもたちと遊んでくれた、という経験自体が貴重なんですよね。この経験を通して、観光誘致に積極的になれた、もっと頑張りたいと思えた、というお言葉もいただきました。学生の活動に刺激を受け、地域を元気にしようと思い立ってくれた方々がいて、それだけでもこの活動に意義があったと思いますよ。

活動を通して「むすんで、うみだす。」と感じたことを教えてください。

由里さん:ゼミ生同士の絆もそうですし、地域の人々と私たち学生もそうですし、たくさんの人をむすぶことができたと思います。自分自身とっても、この経験が成長に繋がったと感じました。何より地域の人と話して価値観が変わったことが一番大きかったです。

耳野先生:大学と地域の間に入ってコーディネートしてくれる自治会長さんや役所の担当の人とのやり取りからはじまり、当日参加してくれた子どもたち、その親御さんとの交流が生まれ、さらにその様子を見て周りのおじいちゃんおばあちゃんも集まって…というように、大人から子供まで地域全体の皆さんと大学生がさまざまな形で関わることができました。そして、それぞれが良い影響を受けあっているところが「むすんで、うみだす。」ポイントではないかと思います。あとで聞いた話ですが、ずっと不登校だった子どもがこの日だけは学校に来た、ということもあったそうです。学生たちも「子どものお母さんと話して『一回しかない人生だからいろんな事やってみてね』と言われて考え方が変わった」「これまで都会でしか暮らしたことがなかったが全く違う世界に触れたことで世界がガラッと変わり、進路も考え直した」などと刺激を受け、前向きになったという声を多く聞きました。こういった学生の働きによって、互いに良い影響を与え合い、地域も大学も元気にしていくのだと思います。

※掲載内容は取材当時のものです。

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