2024.05.22

特集

学内にウォーターサーバー設置中!【7月31日(水)まで】ビジコン受賞の実証実験プロジェクトを取材

雄飛館2階食堂横にて。「チーム スイーツ」の2人。左から采女 和斗(うねめ・かずと)さん(国際関係・3年次)、後藤 謙太(ごとう・けんた)さん(経済・3年次)

5月から大学構内3カ所に新しくウォーターサーバーが設置されたのをご存知ですか?今年の2月28日に開催された「ビジネスプランコンテスト」で協賛賞(ソフトバンク賞)を勝ち取った「チーム スイーツ」のお二人によるビジネスプラン『ペットボトルからの脱却~学内マイボトルとウォーターサーバー~』の実証実験がスタートしています。その狙いや内容について、お話を伺いました。

「毎日ペットボトルで飲む水。飲んだ後のペットボトルは膨大なごみ」。そんな疑問から生まれたプロジェクト
賞金なんと30万円!資金はウォーターサーバーレンタル料金や設置工事費に充てられている。

「ビジネスプランコンテスト2023・協賛賞(ソフトバンク賞)」の受賞おめでとうございます!

采女さん ありがとうございます。受賞した『ペットボトルからの脱却~学内マイボトルとウォーターサーバー~』は、学内にマイボトルに給水できるウォーターサーバーを設置することで、ペットボトルのごみ排出量を減らすことを目指したビジネスプランです。狙い通りにいくかどうかを検証するために、この5月2日(木)~7月31日(水)の3カ月間限定でウォーターサーバーを設置し、実証実験を始めています。

後藤さん 設置場所は天地館1階ラウンジ、雄飛館2階食堂(むすびキッチン)、5号館1階ロビーの3カ所で、誰でも無料で給水することができます。実際の利用状況の統計や学内モニターによる意識変化のアンケートを取り、その結果をその後のプランにいかしたいと考えています。

「ビジネスプランコンテスト」の様子はこちらから。
がウォーターサーバーの設置場所
天地館1階ラウンジに設置されたウォーターサーバー
5号館1階ロビーに設置されたウォーターサーバー

最近、ウォーターサーバーから給水する学生を多く見掛けます。このお水、本当においしいですね!

後藤さん そう言ってもらえてうれしいです。給水機は水道水を高性能フィルターでろ過して浄水にするので、カルキ臭がなく、まろやかな味だと好評です。ぜひ皆さんも水道水と飲み比べてみてください。

アイデアのきっかけは何だったのでしょうか?

采女さん 僕自身、飲み水はペットボトル派でしたが、ごみとして捨てるペットボトルの量が気になっていました。ペットボトル本体はリサイクルできるとはいえ、そのために膨大なエネルギーを消費し、コストや手間もかかります。SDGsの観点からも、別のやり方で水の補給方法はないかと考えていました。

後藤さん 采女くんとは学部は異なりますが、共に大学のオーケストラ・神山交響楽団に所属し、1年次の時からいろいろな話をしてきました。もともと起業家精神を持っていた采女くんから「環境問題をビジネスで解決したい」という考えを聞いてかっこいいと思い、タッグを組むことにしたのです。
インタビューに応じてくれるお二人。もちろん手元にはマイボトル。
采女さん 「アントレプレナー育成プログラム」の科目を受講したり、「町家 学びテラス・西陣」を利用して多くの起業家の方々と出会ったことで視野も広がりました。昨年12月に本学で開催された「アイデアコンテスト」に向けて、後藤くんと「チーム スイーツ」を結成。アイデアコンテストでは優秀賞を、さらにブラッシュアップさせたプランが今年2月28日開催の「ビジネスプランコンテスト」で協賛賞(ソフトバンク賞)をいただきました。

後藤さん このプロジェクトのために独自調査にも時間をかけました。まずは15,000人の学生がいる本学では年間約15トンのペットボトルがごみとして排出されていることが分かりました。また学生へのアンケートから、日常で飲むのは「水」が多く、マイボトルを持ち歩く学生も3割いるものの、ペットボトルでの給水が過半数を占めていました。

後藤さん 同じアンケートで「学内にウォーターサーバーがあれば利用するか」の問いには、「利用したい」との回答が8割以上でした。大学構内には足踏みペダル式で水を出し、口を近づけて飲むウォータークーラーは複数箇所設置され、食堂にも給水機器があります。しかし、コロナ禍以降の衛生的懸念や、マイボトルへの給水には適さないため、実際には利用していない、あまりおいしくない、などの声もありました。

采女さん このプロジェクトの狙いは3つあります。1つ目は在学生の「衛生的でおいしい水を手軽に給水したい」という要望に応えること。2つ目はそれによって「マイボトル利用率の向上=ペットボトル排出量を減少させる」こと。3つ目は学生がマイボトルを利用することで「エコに貢献するのは身近で簡単なことなのだ」と気付いてもらうことです。
SDGsや環境問題というと遠い話に思われがちですが、実は一人一人が日常の生活や行動の中で小さな気付きや変化を起こすことによって、どんどん環境を良くしていくことができるんです。このウォーターサーバー実証実験が、そのきっかけになればと願っています。

後藤さん 京都を含め、さまざまな大学でウォーターサーバーを導入する動きも出ているようです。ただ私たちの実証実験の大きな特徴は、学生からの提案である点と高精度な情報収集を行い、分析するなど、大学と企業を大きく巻き込むプロジェクトになっているという点です。

采女
さん 情報収集法については、本学のDX推進をサポートしてくださっているソフトバンク株式会社の方に教えを請いました。その中でソフトバンクさんはAI映像解析技術“STAION”を提供してくださり、現在、ウォーターサーバーに設置したカメラを用いて利用人数や1人あたり給水にかかる時間、利用ピーク時間帯を分析しています。

後藤さん カメラは情報理工学部教授の蚊野 浩(かの・ひろし)先生にWEBカメラを提供していただくことができました。僕らは2人とも文系ですが、文理を超えてつながれるワンキャンパスの強みを実感しています。他にもLINEヤフー株式会社 、ウォータースタンド株式会社、大学の教職員の方々など、多くの社会人の方々の応援やご教示のもと、自分たちの認識の甘さや知識不足を補正しながら、今回の実証実験を開始することができました。

ユーザーの声を反映させる「学生モニター」絶賛募集中!

後藤さん ウォーターサーバーの利用状況やユーザーの声を把握するために、随時学内モニターも募集しています。1人の被験者につき1週間を区切りとし、ペットボトルからマイボトルへの移行状況やご意見、ご感想を募っています。もちろん匿名参加で、現在は約200人集まっています。皆さんもぜひご応募ください!

チーム スイーツ
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実験後の展開は?

采女さん 今回の試みは僕らにとってはスモールステップです。ゆくゆくは「学内シェアボトル+フリードリンク」プロジェクトに進めたいと考えています。学生が一定のお金を払えば、学内に設置されているシェアボトルとドリンクサーバーが使い放題になるシステムです。サーバーには水だけでなく、ジュースやお茶もそろえます。イメージはファミリーレストランのドリンクサーバーです。

後藤さん シェアボトルにはICチップを搭載し、インターネットデバイスとして活用できるようにします。POSTなどにログインする際のユーザーIDを使ってシェアボトルのシステムでログインすることで、学内でスマホ学生証と同様の使い方ができ、スマホ(スマートフォン)を家に忘れても困ることはありません。1日シェア制で帰りに返却ボックスに戻すので、家に帰ってから面倒なボトルを洗う手間もなし。これによってペットボトルからの脱却が加速度的に進むと考えていて、こうした事業を本格展開するのが狙いです。

未来像まで描かれているのですね。すごいです。

采女さん 前例や見本が全くない中でのプロジェクト推進は、試行錯誤ややるべきことが山積みで、このところほとんど寝ていません(笑)。でも、自分が「やりたい」と思うことに取り組める大きなチャンス、新たな価値を起こせるイノベーションにワクワクしています。まずはこの実証実験を成功させたいです。
冷水と常温の2種類の水が提供される。
後藤さん 皆さんにこの活動を知ってもらうために、POSTやSNSも積極的に使っていますが、意外に見てもらえないんです。むしろ先生方が授業で紹介してくださったり、授業の最初に僕らがアナウンスするのを許可してくださったりして、そこで告知を行うことで、対面での告知や口コミ、人づての話のほうが、影響力があると感じています。人に動いてもらうためは、結局は人と人のつながりや対話が大事だということに改めて気付かされました。実験は学生の皆さんのご協力があってこそ。給水利用やモニター参加を含め、ぜひよろしくお願いいたします!


同じ大学で、こんなに素晴らしい取り組みをしている学生がいることに驚きました。視野の広さや主体的に取り組む姿、熱量の大きさにも圧倒されました。23ページに及ぶ実証実験の企画書はなんと20回以上も書き直し、関係する会社や大学各部署、先生方一人一人に説明に回ったそうです。「チーム スイーツ」の実証実験に多くの学生が参加してくれるよう、私も応援していきたいです。

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