2024年4月の星空

今月の星空Starry sky of the month

散光星雲さんこうせいうんDiffuse nebula

西に沈みゆくオリオン座の三つ星のすぐ南に並ぶ小三つ星のうち、真ん中の天体は星ではなく散光星雲で、この中で今も次々と星が生まれています。望遠鏡を覗くと、星雲のガスと、生まれてから約150万年しか経っていない赤ちゃん星が台形の形に4個並んでいるトラペジウムが見えます。明るく輝く生まれたての星々の光が周囲のガスを照らして温めることによって、オリオン大星雲は輝いています。

散開星団さんかいせいだんOpen cluster

西に低くなっていきますが、ふたご座の足元にはM35、ぎょしゃ座にはM36、M37、M38 の三つの散開星団が並んでいます。恒星は、オリオン大星雲のようなガスの濃いところに集団で生まれ、若い星たちが集まった散開星団となります。散開星団の星たちは、時間が経つと少しずつ離れていくと考えられています。おうし座のプレアデス星団(すばる・M45)や、かに座のプレセぺ星団(M44)も双眼鏡や低倍率の望遠鏡での観察がおすすめです!

赤色巨星せきしょくきょせいRed giant

恒星は安定して輝く時期が長く続きますが、恒星の内部の水素を使い果たすと恒星の内部が縮み始め、その際に発生する熱によって外側のガスはさらに外へと膨張し、巨大な星になります。ガスが膨れると表面の温度が低くなるため、赤色に見えます。うしかい座のアークトゥルスは赤色巨星で、直径は太陽の約20倍です。オリオン座のベテルギウスも赤色超巨星で、直径は太陽の約650 倍も大きいことが観測されています。恒星の寿命が尽きようとしていて、いつ超新星爆発を起こしてもおかしくありません。

二重星にじゅうせいDouble star

重星は、肉眼で見ると1つの星ですが、望遠鏡を覗くと2つの星に見えます。
北斗七星を形作るおおぐま座ζ(ゼータ)星(ミザール)は、肉眼でもアルコルとペアになっているように見えますが、同じ方向に偶然星がある「見かけの二重星」か、お互いの周りを回りあう「連星」かはまだわかっていません。ミザール自体は2つの星(ミザールA、B)が回りあう連星で、望遠鏡を使うとミザールA、Bの2つを見ることができます(実際にはさらに2つずつの星が回りあっていて、4つの星の連星系だとわかっています。)その他、りょうけん座コル・カロリやしし座アルギエバも観察しやすい二重星です。

PICKUP!

春の三日月、秋の三日月

夕方、西の空に細くかかる三日月。季節によってかたむきが異なることにお気づきでしょうか?春の三日月は横に寝ていてお椀や釣り舟のような形に見えますが、秋に見える三日月は縦に立っているような形に見えます。春は酒が満ちる月、秋は酒がこぼれる月とも例えられます。春は太陽の通り道(黄道)が地平線に対して立っているので、黄道の近くにいる三日月の高度が高くて見やすく、下側から太陽の光が当たります。4月は10日、11日あたりが細い月が見られ、さらに11日は月とすばる(プレアデス星団)が接近します。