令和3年度 学校法人京都産業大学「サギタリウス基金」卒業生顕彰式を実施

2022.02.03

2021(令和3)年11月10日(水)、本学において学校法人京都産業大学「サギタリウス基金」(※1)卒業生顕彰式を執り行いました。今回で第3回目の挙行となります。昨年度と同じく、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、衛生面には十分配慮したうえで実施しました。
左から大城光正理事長、荒賀龍太郎氏

第3回目の顕彰者として選ばれたのは、荒賀道場所属、全日本空手道連盟理事、本学空手道部コーチでもある空手家・荒賀龍太郎氏(2013年経営学部卒業)。
荒賀氏は東京2020オリンピック競技大会において、空手男子組手75㎏超級で銅メダルを獲得するという快挙を成し遂げられました。

式典ではまず大城光正理事長より開会のあいさつがあり、荒賀氏のご紹介がなされました。

「荒賀氏は日本人で唯一、空手競技組手でのオリンピックメダリストとなるという、すばらしい功績を上げられました。また全日本空手道連盟の理事にご就任されるなど、これからますますの活躍が大いに期待されることから、この顕彰制度創設初の『荒木俊馬賞』を授与いたします。卒業生である荒賀氏のすばらしい功績をたたえ、本日顕彰式を挙行できますことは、理事長といたしましてもたいへん光栄に存じます。
本学OB・OGにはまだまだスポーツ、文化、学術、そのほか多くの分野において活躍されている方が大勢いらっしゃいます。来年度以降も引き続き顕彰してまいりたいと考えております。」

続いて、大城理事長より荒賀氏へ顕彰盾などが贈呈されました。
この顕彰盾は、本学文化学部教授であり、この度令和3年度「現代の名工」(※2)として表彰された京蒔絵師・下出祐太郎氏の作で、書は本学職員であり、OBとして書道部相談役を務める坂之上茂氏によるものです。

<注釈>
※1「サギタリウス基金」は、2012(平成24)年1月から2016(平成28)年3月にかけて募集した寄付をもとに設立した基金です。本学が創立50周年を迎えるにあたり、「建学の精神」を受け継ぎながら、今後とも世界に雄飛する人材を輩出することを目的としています。卒業生顕彰制度はこの基金の事業の一環であり、本学に所縁のある、「国の内外を問わず社会の諸分野において活躍し、社会的貢献を果たし、顕著な業績をあげ、本学の名声を高めた」方々を顕彰するものです。

※2 卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称。

「努力は裏切らない」荒賀龍太郎氏スペシャルインタビュー

今回顕彰を受けられた荒賀氏に、スペシャルインタビューを行いました。およろこびのコメントや在学生へのメッセージをご紹介します。

2021(令和3)年 11月10日(水)卒業生顕彰式・荒賀龍太郎氏スペシャルインタビュー

−−−顕彰を受けられた、およろこびの言葉をお願いします。

たいへん名誉ある賞をいただいて、本当に感謝しています。荒木俊馬賞の最初のひとりとして選んでいただき、光栄だと思うと同時に、この重みに責任も感じています。
この賞をいただくことができたのは、私ひとりの力ではありません。空手道部の津山捷泰師範をはじめ、多くの方にご指導や応援をしていただき、京都産業大学にもたくさんのサポートをしていただきました。そのおかげで、今の私がいると思っています。

2012年、第56回全日本大学空手道選手権において荒賀氏率いる京都産業大学の男子団体が日本一になった当時の記事。学内スポーツ紙『京産大アスレチック』(京都産業大学 体育会本部編集局)より。

−−−学生時代の思い出をお聞かせください。

やはり空手道部でのことが記憶に残っています。私が1年次生の頃から空手道部では「団体戦で日本一になる」ということを目標にしており、決勝の舞台までは行くことができていたのですが、最後にはいつも他校に負けてしまっていたんです。
そのため4年次生になり、主将を任されたときには「どうしても優勝したい」という強い気持ちをもってクラブ活動に励み、同級生や後輩とミーティングもたくさん重ねました。その結果、優勝して目標であった日本一を達成できたときは、本当にうれしかったです。学生生活のいちばんの思い出になりました。

−−−4年間の学生生活で、ご自身が成長したと思われることをお聞かせください。

高校時代は空手の練習でも毎日指導者がいて、そのメニューに沿って練習するというのが当たり前だったのですが、大学生になってからは学生だけ・自分だけで練習する時間が増えました。とくに4年次生では主将として、部員のメニューを組んだりもしていたので、自分自身で考えて行動できる自主性が養われたと思います。

−−−空手に打ち込む環境として、京都産業大学はいかがでしたか?

練習場所がしっかりと確保されていて、指導者にも恵まれているため、日本一・世界一を目標にしていた自分にとってはとても恵まれた環境でした。

−−−東京オリンピック出場前の練習も、本学空手道部で行われたそうですね。

はい、空手道部のコーチもさせていただいているので、自分の練習する姿を見て学生にも何かを感じ取ってほしいなという思いから、できる限りは道場に足を運ばせていただきました。また京都産業大学の空手道部は全国でもトップクラスなので、自分にとってもいい練習になったと思います。

−−−東京2020オリンピック競技大会への出場が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

まず自分が現役の間に空手がオリンピック種目になるとは思っていなかったので、「オリンピックを目指せる可能性がある」とわかったときにはたいへんうれしかったです。やはり小さい頃からの夢の舞台でもあったので、出場が決まったときは今までにないくらい幸せな気持ちでした。

−−−荒賀さんは2016(平成28)年にWKF世界空手道選手権大会でも金メダルを獲得されています。すでに国際大会ですばらしい戦績をおさめていらっしゃっても、オリンピックは特別なのでしょうか?

そうですね、世界選手権やアジアオリンピックなどの試合はこれまでたくさん経験させていただいたんですけれども。オリンピック出場経験のある方から「オリンピックは別格」だと聞いていたので、その心算をして挑みました。でも実際に出てみると、ほかの選手の緊張感や、大会にかけている思いが予想以上に伝わってきて。「この雰囲気に呑まれてしまうと勝てないな」と感じるくらい殺伐とした雰囲気だったので、「自分自身を信じて最後まで戦い抜こう」という気持ちを失わないようにしていました。

−−−出場への重圧はありましたか?

もちろんまったく重圧がなかったといえば嘘になってしまうんですけども……先ほどもお話した通り「オリンピックは別格」だということを前もって聞いていたので、事前に備えておくことができました。またオリンピックが延期したことで準備する期間もできたため、精神的にも肉体的にも、技術面でも、しっかりと自信をもったうえで挑めたということもあり、そこまで重圧を感じることはなかったです。

 −−−オリンピックの開催延期は、荒賀さんにとってプラスにはたらいたのでしょうか?

最初に延期と聞いたときは「一年か……」と思いましたが(笑)やっぱりモチベーションを保つのが大変でしたし、オリンピックは自分の集大成だと思っていたので、精神的にきつい部分もありました。でも周りの方々から直接「がんばってください」という声をたくさんいただいたおかげで、「まだ1年強くなれる時間ができた」というふうに、プラスに捉えることができたのだと思います。

−−−メダルを獲得されたときのお気持ちはいかがでしたか?

表彰台に上がったときは、「自分の力ではなく、周りの方々に支えられたり応援していただいたりしたおかげでこの舞台に立つことができたんだな」と、改めて感じました。

−−−今後の目標をお聞かせください。

本日いただいた荒木俊馬賞に恥じぬようにこれからも活躍し、学生の模範となれるよう、日々精進しながらがんばっていきたいと思います。

−−−最後に、在学生へのメッセージをお願いします。

学生生活というのは人生のなかで貴重な4年間だと思うので、しっかりと夢や目標を持って、それに向かってコツコツと努力していってほしいなと思います。このようなご時世なので制限も多いと思いますが、自分のできることにエネルギーを使ってほしいです。
「努力は裏切らない」といいますが、私もその通りだなと感じています。結果がどうであれ、努力した過程というのはこれからの人生で必ず役に立つはず。自分自身が努力を裏切ってしまわないように、1日1日を大切にしながらがんばっていってほしいと思います。

取材日/2021(令和3)年11月10日(水) 

制作・企画

  • 京都産業大学 社会連携センター
  • 大平印刷株式会社

協力


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