「令和元年台風第19号災害ボランティアin長野」活動報告

2019.12.26

ボランティアセンターでは、2019年10月に発生した台風第19号で、大きな被害を受けた長野県の復興支援に協力するため、災害ボランティアプログラムを実施しました。

「令和元年台風第19号災害ボランティアin長野」実施概要

日程 2019年11月24日(日)~11月27日(水)
活動場所 長野県長野市津野地区
参加者数 学生8名+引率スタッフ1名

11月24日(日)の午後に京都駅に集合し、電車で長野に向かいました。実際に活動したのは、25日(月)および26日(火)の2日間で、27日(水)は朝に長野駅を出発し、お昼過ぎに京都駅にて解散しました。

活動内容

11月25日(月)

活動1日目は、個人宅にて、漂流物の仕分けや泥出しの作業を行いました。
作業したお宅の庭には、今回の水害で流れてきたものがまだ散乱していたため、土を掘り起こしながら、出てきたものを分別して集めました。午前中は軽トラックで廃棄物を運搬するボランティアの方と一緒に活動し、分別した廃棄物を軽トラックに積み込む作業も行いました。
午後からは、水害で堆積した土砂をスコップで掘って別の場所へ移動させる作業を行いました。
漂流物の仕分け作業
仕分けした漂流物を軽トラックに積み込む作業
土砂を運ぶ作業

11月26日(火)

活動2日目は、平地の泥だしを行いました。
雪が積もる前にできるだけ水害で堆積した土砂を取り除きたいというご要望を受け、前日からボランティアが入って作業している場所でした。
すでに泥が乾き、もともとあった土との区別がつかず、どこまで掘ればいいかわからない状況でしたが、だいたいこれぐらいの深さだろうという予測を立てて、作業を進めていきました。
人力では、なかなか作業が進まず、手作業の大変さを実感しました。
活動内容について説明を聞く様子
泥出し作業の様子①
泥出し作業の様子②
今回活動した場所は、台風第19号の影響で千曲川が決壊した場所のすぐ近くの地域でした。発災後しばらくは、家の中にも泥が堆積していて、道路わきには、家の中から運び出された家具や電化製品などが積み上げられている状態でしたが、今回行ったときには、そのあたりはある程度片づけられていました。しかしながら、家の中は床板や壁がはがされたままの状態で、家の周りには、水害によって堆積した土が残っていたり、水没して使えなくなった農機具がそのままの状態で置かれたりしていて、まだまだ作業は残っている状況でした。
土を掘っていると、CDや食器、服、靴などの生活用品や、軍手や剪定ばさみなどの作業用品、段ボールや木材の破片など、いろんなものが出てきました。水に浸かり、土に埋もれて、使えない状態ではあるものの、それらには持ち主がいたのだと思うと、何とも言えない気持ちがこみ上げてきました。
そんな複雑な思いを抱きつつも、学生たちは、地域住民の方々から「遠くからご苦労さま」「ありがとう」などと声をかけられたり、多くのボランティアの方々が活動しに来ているのを見たりする中で、人の温かさや力強さを感じていました。

参加した学生の声(アンケートより抜粋)

今回の活動に参加してみて、印象に残ったできごとは?

  • 台風から1か月後の活動でしたが、未だにリンゴの実が落ちたままだったり、大量の漂流物があったので、まだまだ時間がかかりそうだと感じた。
  • 泥の中に埋まっていた写真を見つけたとき、もし自分の家が水害で壊れて同じような状況になったと考えたら、とても悲しくなりました。
  • ボランティアに行き帰りする途中にすれ違った方々と”お疲れ様”等の挨拶を交わしたこと。
  • 被災者の方に感謝していただいたとき、みんなで協力して活動して良かったと思いました。
  • 活動拠点となるサテライトには沢山の用具があり、それらには福井県や岡山県倉敷市の文字が。様々な支援によって自分たちが活動でてきるという風に感じた瞬間も印象に残っています。

活動を通して、気づいたこと、考えたことは?

  • 短い時間だったが、ボランティアに初めて参加して、被害にあわれた方やボランティアセンターの方々とお話をし、少しでも地域に貢献できたのかと思うと嬉しく思う。これからはもっと積極的にボランティアに参加していきたい。
  • 災害発生から1か月が経過していたので、ハードな活動はあまりないかと思っていましたが、畑や家は、泥がたまっていたり、壊れたものもそのままになっていたりと、時間がかかるものだと改めて思いました。
  • 1か月ぐらい経ったが、まだまだ作業はかなり残っているようで、住民の苦労は計り知れないと思った。決壊した堤防も見たが、高さはけっこうあり、川幅も広く余裕があるような気がしたが、それが増水し、決壊したという事実を目の当たりにし、自然の恐ろしさを改めて感じた。
  • 自分たちにできることは、活動について、また現地の状態についてまわりの人をはじめとした多くの人に伝えることです。支援はまだ必要ですし、力作業が多い今は、自分たちのような若者のチカラがとても重要だということにも気づくことができました。

現地での活動にあたり受け入れのご対応をいただきました、長野市北部災害ボランティアセンターおよび津野サテライトのスタッフの皆さま、ありがとうございました。
また、作業したお宅の方には、被災前の家周りの様子や水害被害の状況などを詳しく教えていただいたり、作業に際していろいろとご対応いただいたりし、大変感謝申し上げます。

発災後1か月半ほど経過してもなお、まだ多くの作業ニーズがあり、そこに住む方々の苦労は計り知れません。今回の水害では、住宅だけではなく、りんごやももなどの農地も大きな被害に見舞われました。私たちが作業に行ったときも、農業ボランティアとして参加された方々が、ビニールハウス内に堆積した泥土を外に出す作業をされていました。また、浸水被害に遭って農地に転がったままのりんごをたくさん見かけました。水害によって堆積した土砂を取り除いても、来年もまた実がなるかどうかはわからず、このままでは、大半の農家が廃業せざるを得ないかもしれないという話も聞きました。
復旧・復興に向けて、これからも継続的な支援が必要です。被害に遭われた方々に思いを寄せ、引き続き私たちにできることを考え、取り組んでいきたいと思います。
お問い合わせ先
京都産業大学 ボランティアセンター 13号館B1階
〒603‐8555 京都市北区上賀茂本山
Tel.075-705-1530
Fax.075-705-3191

開室時間
平日:9:00~16:30(13:00~14:00を除く)
土曜:9:00~11:45※不定期に閉室することがありますので、事前にお問い合わせください。
日曜・祝日:閉室
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