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ミツバチ協働力

本学の自然環境を活かして
養蜂に取り組む

  • 総合生命科学部 2年次
    須佐見 朝日さん
  • 総合生命科学部 2年次
    森川 風汰さん
  • 総合生命科学部 2年次
    田村 直也さん

豊かな自然に囲まれた京都産業大学ならではの環境を活かし、「養蜂」に取り組んでいるミツバチ同好会BOOON!!。自分たちで巣箱の世話をし、病原対策などをしながら採集した蜂蜜の美味しさを多くの学生や地域の方々に知ってもらうことをめざして学内団体とのコラボレーションや、神山祭(大学祭)などで販売する商品の開発も行っている。

ミツバチ同好会BOOON!!の活動内容を教えてください

森川さん:ミツバチを育てる「養蜂」に取り組んでいます。活動目的は自然界の食物連鎖を象徴するミツバチにふれ、その生態系を学ぶことですが、採集した蜂蜜の美味しさを学生の皆さんに知ってもらうこともテーマのひとつです。そのため学内団体とも協働し、蜂蜜を使用した商品開発を行った実績もあります。

須佐見さん:採蜜が始まるのは5月以降です。蜂蜜の魅力を広められるよう、今年度もいろんな企画を練っています。キャンパスで見かけたら参加してみてください。

田村さん:天敵のスズメバチを追い払ったり、病原対策などをしながら数十万匹のミツバチを育てています。そんなミツバチたちが賀茂川畔や神山に咲く花々から集めてきた蜜のピュアな風味に、感動してもらえると思います。

ミツバチ同好会BOOON!!に入った動機はなにですか?

森川さん:そもそも京都産業大学への進学動機が総合生命科学部でミツバチの研究をすることでしたから、高校生の頃からこの団体の存在は知っていました。なので、入学したら必ず入ろうと思っていたんです。

須佐見さん:入学早々にあった新入生向けの相談ブースで担当してくださった学部の先輩がミツバチ同好会BOOON!!のメンバーだったんです。先輩から話を聞き、養蜂に興味をもったのが活動を始めたきっかけです。

田村さん:マクロな視点から生物学を学びたいと考え、入学して出会ったのがミツバチの生態学を研究されている高橋 純一先生。花々の広域な受粉や食物連鎖を担うミツバチを育てる活動は、生物学を俯瞰することにむすびつくと教わり、メンバーに加わることを決めました。
須佐見 朝日さん
森川 風汰さん
田村 直也さん

ミツバチを育てる養蜂には苦労がありますか?

森川さん:私たちが育てるセイヨウミツバチは、蜜を集めてくる能力はとても高いのですが、在来種でないため人間が丁寧に世話をしないと生きられず、1つの巣箱まるごと全滅しかねないんです。

須佐見さん:そのため病原対策となる投薬を行ったり、襲撃してくるスズメバチから守ってあげたり、親身になって世話しています。何事も勉強になるので苦労とは感じません。

田村さん:セイヨウミツバチの行動範囲は半径10kmくらい。おそらく大学から京都府立植物園あたりまで飛んで行き、花々から蜜を集めて戻ってきていると推測しています。巣箱には女王蜂1匹に約2万匹の働き蜂が仕えています。

森川さん:ミツバチは冬眠するので寒くなる11月以降、巣箱を毛布や布団で包み、快適な温度を保ってあげるのも大切な世話のひとつです。

須佐見さん:生態にふれて学ぶために“いのち”を預かっているという自覚は強くもっています。また、活動中に刺されてしまうこともありますが、セイヨウミツバチの針は細く、痛みはさほど感じないため、これまで辛い思いはしていません。

最後に今後の活動目標をお話ください

須佐見さん:採蜜すると巣箱に蜜蝋(みつろう)と呼ばれる甘い油脂が残るのですが、日本では有効活用されておらず「もったいないなぁ」と思っていたんです。ところが蜜蝋はフランスの伝統菓子、カヌレを香ばしく焼くのに欠かせない油脂であることがわかり、今は蜜蝋を地域のパティスリーやブーランジェに提供するなど、活用方法を模索しています。

田村さん:地域の保育所や幼稚園、小学校などでイベントを行い、ミツバチに興味をもつ子どもたちを増やしたいと思っています。それは自然界や食物連鎖に興味をもってもらうための活動でもあり、地域貢献の一助になりたいという気持ちのあらわれです。

森川さん:ミツバチ同好会BOOON!!には現在20名ほどメンバーがいますが、食品企業で研究開発に携わることをめざす学生は少なくありません。この養蜂活動や多様な人たちとの協働経験を自身の将来に活かし、安心・安全な食と消費者をむすぶことも私たちの大切な目標だと思っています。

※掲載内容は取材当時のものです。

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