第2回京都市×京都産業大学 共同シンポジウム
「身近に潜む微生物の脅威とその対策 〜マダニが引き起こす感染症〜」開催

多くのお申込みを頂き、誠にありがとうございました。
お申込みが定員を超えたため、受付を終了とさせて頂きます。

マダニが媒介するウイルスが原因と考えられている感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」により、今年国内で初めての死亡例が発表され、現在でも感染報告が続いています。

 このウイルスを運ぶマダニとは、どのような生態でどのように人に接触するのか、またこの感染症への対策や京都市における生息状況はどのようになっているのかなど、マダニが媒介する感染症を中心にウイルスや細菌、病原体を運ぶ生物といった、人の生活に関係する「微生物」をテーマに、ウイルスと細菌の違いやその生態などを、京都産業大学総合生命科学部教員と京都市衛生環境研究所員がわかりやすくお話します。

 本シンポジウムは、2011年3月に京都産業大学と京都市が締結した「感染症及び食品の安全の研究に係る相互連携に関する協定」に基づき、これまで京都産業大学総合生命科学部教員および鳥インフルエンザ研究センター員と京都市職員が行ってきた共同調査・研究活動の一端を市民の皆さまの安全・安心のためにご報告する機会として行うものです。聴講無料でご参加いただけます。是非、お申込み下さい。

日時 2014年1月18日(土)
開場13:00 開演13:30 閉演16:30(予定)
場所 京都産業大学 むすびわざ館2階ホール
交通アクセス
申込 郵便番号・住所・氏名・電話番号・FAX番号・E-mailアドレス・年齢・参加希望人数・テーマに関するご意見等を記載の上、以下のいずれかの方法にてお申込みください。(先着順)
【インターネット】以下の応募フォームからお申込み下さい。
【往復はがき】〒603-8555 京都市北区上賀茂本山 京都産業大学リエゾンオフィス
【FAX】FAX:075-705-1966 ※「共同シンポジウム参加希望」と明記下さい。
申込期限 平成26年1月7日(火)(往復はがき:当日必着。参加証は1月8日頃発送予定。)
※Web申込は定員になるまで受付いたします。

申込受付は終了いたしました

プログラム

講演『ウイルス学の基本』

京都産業大学 総合生命科学部 准教授 西野 佳以

 ウイルスは他の生物と異なり、「細胞」という生物を構成する最小単位の構造がありません。そのため、単独では増殖できず、細胞に感染することにより、自らが必要とするタンパク質等を細胞に作らせて子孫ウイルスを作り出します。そのため、ウイルスが感染できる「生きた細胞」に入り込まなければ、いずれウイルスは壊れて感染しなくなります。 ウイルスは必要最低限の遺伝情報と、ヒトと比べて100分の1以下の種類のタンパク質しか持っていません。それにもかかわらず、宿主となった生物を発病させたり死に至らしめたりする、とても興味深い微生物なのです。 本講演では、ウイルス学の基本として、ウイルス研究の歴史、ウイルスの一般性状と基本構造、ウイルスの増殖の仕方、ウイルス感染と発病、そしてウイルスの消毒方法等について話をしたいと思います。

講演『知ってるようで知らない細菌の生態』

京都産業大学 総合生命科学部 助教 染谷 梓

 私たちは数えきれないほどの微生物に囲まれて暮らしています。皆さんは「微生物」と聞いてどんなものを思い浮かべるでしょうか。ミジンコ、ゾウリムシ。あるいはO-157、インフルエンザといった、病気に関係するものをイメージするかもしれません。もっと漠然とした言葉でいえば、「ばい菌」などというのもあるかもしれません。もしくは、納豆やチーズなどの発酵食品に含まれるものもあるでしょう。

 一般に、微生物という言葉は、肉眼で見ることができない微小な生き物の総称です。その中には、「小さい」という共通点をもつ多種多様の生き物が含まれており、目には見えなくても私たちの身の周りで様々な活動をしています。その微生物のひとつである「細菌」も、非常に多くの種類があり、その数も、とてつもない数です。私たち人間も、細菌なしでは暮らせないほど、細菌とともに生活しています。本講演では、知っているようで曖昧模糊とした「微生物」、その中でも、とくに「細菌」について、改めて見直してみます。

講演『ダニがもたらす感染症』

京都産業大学 総合生命科学部 教授 前田 秋彦

 最近、ダニの刺咬によって引き起こされる感染症(ダニ媒介性感染症)のニュースが多く報告されています。1984年に徳島県で発見された日本紅斑熱や、1993年に北海道の酪農家が発症したダニ脳炎、さらには今年(2013年)の始めに西日本の各地から報告された重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など、日本各地から新しいダニ媒介性感染症(新興感染症)が報告されています。グローバル化した現代においては、世界のある地方で起こった感染症が、次の日に日本に侵入し、国内で流行爆発することは、もう夢物語ではなくなっています。

 本発表では特に感染症媒介に焦点をあて、ダニによって引き起こされる感染症の原因である病原体の特徴や伝達(伝播)の仕方、その症状や予防・治療法について簡単に説明します。

講演『マダニの生態と京都市における生息調査』

京都市衛生環境研究所 微生物部門 担当係長 池永 充宏

 2013年、総数約20名の人が重症熱性血小板減少症候群(SFTS)により亡くなり、或いは亡くなっていたことが分かりました。この疾病は、マダニが媒介するウイルスによる感染症であると考えられています。

 SFTSにより、注目されるようになったマダニですが、以前から日本紅斑熱の原因となる病原体を媒介することが知られており、その患者は増加傾向にあり、この病原体を運ぶ種類のマダニが西日本の広範囲で確認されています。

 京都市では現在、マダニが媒介する感染症の報告事例はありません(2013年11月末現在)。しかし、マダニによる刺咬被害の発生が確認されていることから、生息状況を把握するために私達は2011年から調査を行い、その結果、山際や河川敷などで数種類のマダニを多数確認しました。

 マダニは京都市民の身近な所で生息していることが明確となったことから、皆さんにマダニの生態についての情報提供及びマダニからの被害防止策などについてお話いたします。

講演『ウイルスの遺伝子検査法〜新しいダニ媒介性ウイルス:SFTSV〜』

京都市衛生環境研究所 微生物部門 杉江 真理子

 ウイルスの検査法といっても,様々な方法があります。患者さんの免疫反応を検査する方法、顕微鏡でウイルスの形を確認する方法、ウイルスの遺伝子を検出する方法など、他にもたくさんあります。では、2013年にニュースになった重症熱性血小板減少症ウイルス(SFTSV)に感染した疑いのある患者さんがもし京都市で見つかったら、どのような検査をするのでしょうか?

 私たちは、遺伝子を検出する方法で検査を行います。
「遺伝子の検出ってどんな検査でしょうか?」、「どのくらいの時間がかかるものなのでしょうか?」
 この検査の概要を、少しだけご紹介します。

お問い合わせ
京都産業大学リエゾンオフィス
〒603-8555 京都市北区上賀茂本山
TEL.075-705-1778 Fax.075−705-1966
E-mail:liaison-office@star.kyoto-su.ac.jp
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